神楽坂で居酒屋女将!つれづれ日誌

神楽坂・本多横町で50年続く、いざかや「甲州屋」。つたないながらも、お客さんに愛されるお店づくりに奮闘中です。

晩秋の山梨 その2

2014-11-23 23:16:17 | 山梨へGO!
3連休いかがお過ごしですか?今日はよく晴れててよかった。
でもね、寒くなったら嫌だなぁと厚着で出かけたけれど、ずっとジャケット手に持って歩いてました。まぁいいか

さて今回も11月15日に勝沼へ行ったレポートの続きです。

日川沿いの道をメルシャンの上野さんのガイドで歩きながら進みます。


葉脈がはっきり出る紅葉。これ何て行ってたかな?養分が、なんて言ってたかな? 忘れちゃった 綺麗だな~って思って見てた。ダメだねェ。

東夢ワイナリーさんの横道を入った甲州葡萄の畑に入って、農家さんから直接お話も聞きました。


葡萄棚の影で顔が分かりにくくてゴメンなさい。農家の風間さんです。
風間さんのお父さんがこの畑の甲州を趣味で残していたので今でもここに甲州が残っている、とのこと。

なぜ趣味で、というと。農家さんにとって甲州という品種は儲からないからだそうです。

他の食べるぶどうは出荷するまで手間もかかるけれど、1キロ約800円程で売れるそうです。
甲州は1キロ約200円

凄い差で愕然としました。そっか~この差は大きいなぁ

ただワイン用葡萄は食べる葡萄と比べて手間がかからないそうで、楽だから造っているって。(食べる葡萄はものすご~~く手間がかかるそうです。)


それでも勝沼では葡萄の糖度が上がると10円ずつ上がる規定があるので、まだいいと言っていました。
たしか糖度が16度でキロ160円って言ってたかな。他の地区はそんな規定は無いとも言っていました。
勝沼がワイン用葡萄に力を入れている規定でもありますが、この価格差は悩ましい。

農家さん働き手が少ないから、ワイン用甲州葡萄の栽培もしている。
それじゃ働き手が増えたら?
儲かる品種に変えてしまうのでは?

かと言って、
原料価格を上げてしまえばワインの価格が上がってしまう。他国と比べても価格の高い日本ワインではこれ以上の価格上昇は避けたいところ。

そして働き手がもっと少なくなったら、
葡萄農家を辞めてしまう。
銘醸地といわれる場所に太陽光パネルが並んでしまうのですよ

本当に難しい問題です



畑に一房残っていた甲州
ここの地層は砂利で水はけが良すぎるので肥料をあげても流れてしまうとのこと。
そのせいか葡萄の房が密集しないでパラパラと実がなる。そうすると風通しが良くなって病気になりにくく糖度も上がるそうです。

風間さんの隣の畑の甲州は収穫量を減らして糖度を上げているとのこと。それぞれ出来る工夫をしています。

風間さんのお父さんが甲州を残したのはやはり愛着のある品種だからだろうし、この土地で生まれた歴史ある品種だからだと思うのです。

その歴史に恥じないよう後世に残すにはどうしたらいいのか。

その答えの一つが「原産地呼称認証ワイン」なのでは。と、ワタシは感じました。


ちなみに現在、ワイン用葡萄のみで生計を立てている農家は無いそうです。
食べる葡萄と併用してワイン用葡萄を栽培している方ばかり。
つまりワイン用葡萄生産は危機的状況に近く、積極的に守っていかないと皆さん生産をやめてしまうのです。

ワイナリーさんが契約農家との繋がりを大事にして生産を維持している実情を垣間見た日でした。

本当に貴重な体験をさせていただきました。


紅葉し始めた葡萄畑。なんとか守って行かなくては

レポートはまだ続きます
コメント
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