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「I.D. VIZZION」 ワールドプレミア


ジュネーブ国際モーターショー2018

「I.D. VIZZION」 ワールドプレミア









概要 自動運転機能を備えたプレミアムクラスのコンセプトカー
「I.D. VIZZION」は「I.D.」ファミリーの新しいハイライト


「I.D. VIZZION」に関する 12 のキーポイント

1. 新時代の自動車:「I.D. VIZZION」は、プレミアムクラスにフォルクスワーゲンが 送り出す新世代のサルーンのコンセプトカー。
2. 時代を超越:バーチャルな操作と自動運転技術(レベル 5)により、「I.D. VIZZION」は、2030 年の世界へと時代を超越。
3. パラダイムシフト:「I.D. VIZZION」の先駆的なデザインで、フォルクスワーゲンは 旅と移動のためのスペースを再定義。
4. 新たな自由:自動運転機能を備え、インターネットに常時接続する「I.D. VIZZION」は、乗員に新しい自由な時間を提供。
5. 三次元:「I.D. VIZZION」の操作は、オーグメンテッド リアリティ(拡張現実) 技術(マイクロソフト HoloLens)を使用し、三次元の世界で実施。
6. 人工知能:学習機能を備えた「I.D. VIZZION」は、人工知能を活用して、 “ホスト”経由で乗員とコミュニケーション。
7. 旅先でもリラックス:フォルクスワーゲンは、ユーザーニーズに合わせて最適化 可能な広々としたラウンジとしてインテリアを再解釈。
8. 優れた快適性:「I.D. VIZZION」は、乗員の快適性を確認し、必要に応じて 空調コントロールの設定やアンビエントライトなどを調整。
9. キーワードは生体認証:「I.D. VIZZION」は、顔認識システムにより乗員を 確認し、ドアを開け、登録された各乗員のプロフィールに基づいた設定を適用 (音楽、アンビエントライト、空調コントロールなど)。
10. 静粛なエレガンス:きわめて静かな電気モーター、先駆的なエアロダイナミクス、 快適なサスペンションを搭載した「I.D. VIZZION」は、傑出したサルーン。
11. 「I.D.」ファミリーが成長中:「I.D. VIZZION」のデザインと車両アーキテクチャー により、「I.D.」ファミリーにおける第 4 のモデルを提示。
12. 市販化へのカウントダウンを開始:フォルクスワーゲンの「I.D.」ファミリーは、 全く新しい電気自動車。最初の「I.D.」モデルは 2020 年に発売予定。







概要
「I.D. VIZZION」 – 未来の先を見据えるクルマ

2018 年3 月 ウォルフスブルグ/ジュネーブ:
カウントダウンが始まりました。フォルクスワーゲンは 2020 年から、長い航続距離と 先駆的なデザインを備えた新開発の電気自動車の「I.D.(アイ.ディ.)」ファミリーを 順次発売します。そのうちの 3 モデルは、すでにコンセプトカーとして公開しています。 それらは、コンパクトな「I.D.」、SUV の「I.D. CROZZ(アイ.ディ.クロス)」、バン/MPV の「I.D. BUZZ(アイ.ディ.バズ)」です。今回、3 月 8 日から 18 日まで開催される ジュネーブ国際モーターショーでは「I.D.」ファミリーの新たなハイライトとして、新世代の アバンギャルドなプレミアムクラス のサルーン、「I.D. VIZZION」を発表します。 自動運転機能を搭載したこのクルマは、ボイスおよびジェスチャー コントロールで 操作します。さらに、人工知能による学習機能も備えています。未来のフォルクス ワーゲンの魅力的な世界への扉が、ジュネーブで開かれようとしています。

旅とスペースを再解釈。
「I.D. VIZZION」は、「I.D.」モデルのカリスマ的デザイン、すなわちフォルクスワーゲンに よる e-モビリティのデザイン DNA を大型サルーンへと移植するものです。このモデルは、 旅とスペースを斬新かつインテリジェントに解釈することで、高いステータス性を実現 しています。“オープンスペース”と呼ばれるモバイルインテリアは、完全に新しい発想 によるもので、長距離ドライブから日常ユースに至るまで、乗員はその時間をより 有効かつ柔軟に活用できるようになります。それが、カーシェアリングであれ個人的に 所有する場合であれ、「I.D. VIZZION」のようなクルマを選ぶことは、クルマの選択に 真剣に取り組むユーザーの姿勢を表すことになります。

現実とバーチャルの世界をひとつに融合。
「I.D. VIZZION」とのやりとりは、オーグメンテッド リアリティ(AR:拡張現実)を経由 してバーチャルに行います。このクルマでは、真に包括的なコネクティビティにより、 2030 年のビジョンが示されています。 ほぼあらゆることがあり得る実現可能なモビリティの世界が近づいています。 このクルマは、先進的な通信テクノロジーにより、学習機能を備え、乗員の気持ちに 寄り添う対応が可能なバーチャル アシスタントになります。「I.D. VIZZION」の最大の 特徴は、乗員に自由な時間を提供することです。車輪を備えたスマートデバイスとも いえるこのクルマは、ドライバーを必要とせず、そのスマートデバイス自体が運転手に なります。このクルマは、包括的な接続機能により、デジタル世界の一部になると言っても良いでしょう。乗員全員が(ドライバーは存在しません)移動しながら、 リラックスし、コミュニケーションを取り、仕事をして、たとえ走行中でも「I.D. VIZZION」 が向かう次の目的地を定めることができます。オーグメンテッド リアリティおよび、 Microsoft が開発したHoloLens をベースにする“ミックスド リアリティ(複合現実)” 眼鏡を介した人と機械の直感的なやりとりに加えて、日常会話が通じるボイス コントロールにより、「I.D. VIZZION」は完全に直感的かつ簡単に操作できます。 これまでに発表され、フォルクスワーゲン「I.D.」ファミリー中で最大のモデルである「I.D. VIZZION」は、“オープンスペース”と呼ばれるインタラクティブなラウンジを通じて、 ユーザーのニーズに最適化可能な、動く居住空間となります。

先進的な「All-new Electric Architecture」。
フォルクスワーゲンは「I.D. VIZZION」の発表により、「I.D.」ファミリーに搭載される 「All-new Electric Architecture」の大きな可能性を示します。フォルクスワーゲンは、 この新技術をベースにして、e-モビリティのあらゆる側面に対応できるようになります。 今回のジュネーブショーで展示するこのコンセプトカーは、再びフォルクスワーゲンが、 未来へと前進する上で、あらゆるシナリオを検討していることを証明しています。 以前発表した「I.D.」モデルと同じく、「I.D. VIZZION」は、単に未来の世界を映し 出すだけではなく更に大きな役割を担っています。一つの塊から削り出されたような、 柔らかく流れているデザイン、先進的な「All-new Electric Architecture」には、 フォルクスワーゲンが目指す電気自動車のプレミアムサルーンの姿が表現されて います。オーグメンテッド リアリティを介する操作は、2030 年のクルマのあり方を垣間 見せてくれますが、レベル 5 の完全自動走行は 2025 年から実現する可能性が あります。「I.D. VIZZION」のデザイン、225kW のシステムパワーを提供する 2 つの 電気モーターによる 4 輪駆動システム、最大 665km の航続距離を可能にする 容量 111kWh の高電圧バッテリーなどは、近い将来に現実のものとなります。 「I.D. VIZZION」は、未来のモビリティがどれほど魅力的なものになるのかを明確に 示しています。”クルマの円熟期“は、まだこれからです。クルマは、この先もさらによりクリーンに、より効率的で、より安全になります。自動運転機能により、クルマは、 まったく新しいユーザーにも使えるようになるでしょう。そのような時代は多くの人々が 想像しているよりもかなり早いタイミングで、遅くとも 2020 年代半ばまでにやってくるでしょう。

人工知能。
「I.D. VIZZION」は、そのコンセプトに人工知能の可能性を組み込んだ先駆的な クルマの1 台です。人工知能(AI)とは、パターンを認識し、評価し、解釈する アルゴリズムを実行する自己学習可能なプログラムを指します。そのようなシステムは、 時間とともに学習した知識を蓄積して、新しい状況にも対応できるようになります。 そのため、”人工知能“というコンセプトは、プログラミングにおける大革命を意味して います。今日のソフトウェアエンジニアは、プログラムを書くことで革新的な機能を 車両に搭載することができますが、近い未来には“機械学習”を活用するプログラム が採用されることでしょう。この“機械学習“は、さらにその先にある”人工知能“の 実現に向けての重要なステップとなり、”機械学習“と”人工知能“こそ、「I.D. VIZZION」のようなコンセプトカーを実現するための要素となります。 最高レベルのモビリティとインテリジェントなサービスを組み合わせようとする「I.D. VIZZION」は、きわめて有能な運転手ともいえるでしょう。フォルクスワーゲンは、 自動車における AI の開発を積極的に推進しています。この目標に至る道は 3 つの 段階に分けられています。すなわち”従来型のプログラミング“(現在)、”機械 学習“(近未来)、そして、”人工知能“(未来)です。

“従来型のプログラミング” — 現在。
未来のクルマである「I.D. VIZZION」と異なり、現在のクルマは、人工知能を 備えていません。その代りにクルマの開発者は、システムの作動のあらゆる 側面を考慮した包括的なプログラムを作成する作業を行います。たとえば、 車線維持機能のレーンアシストは、従来型のモデルベースのプログラムを採用 しています。開発者は、車線を認識するための数学的パラメーターをすべて 精密に規定します。プログラム作業では、たとえば、車線の消滅や中断など、 標準的な状態からの逸脱に対応するための、あらゆるシナリオを想定して おかなければなりません。フロントカメラからの光学情報は、車線の数学的定義 と比較され、レーンアシストの起動が必要と判断された場合には、介入します。

“機械学習” — 近未来。
プログラムは今度、とても複雑なパラメーターを学習するようにトレーニングされ ます。その段階で、プログラムは“機械学習”に基づき、未知の事実を推測に よって把握することができるようになります。たとえば、フォルクスワーゲンでは、 いわゆる周辺カメラ(ドアミラーやフロントおよびリヤエンドに搭載するカメラ)に よって収集される周辺環境の情報を解釈するために、“機械学習”を用いて います。その理由は、フォルクスワーゲンの環境認識システムは、数多くの視覚 パターンを識別できる必要があるからです。たとえば、カメラが“見た”ものが、 トラックなのか、乗用車なのか、歩行者なのか、自転車に乗った人なのかを 識別できなければなりません。“従来型プログラミング”で、これを実現しようと すると、レーンアシストの車線認識と同じように、たいへん難しい作業になります。 ここでは、“機械学習”の活用が解決策になります。このプロセスで開発者は、 画像認識アルゴリズムに何千ものトレーニング データを読み込ませます。 トラック、乗用車、歩行者、自転車に乗った人などの画像です。それにより、 アルゴリズムは機械的な方法で学習を進めます。トレーニングが進むと、異なる タイプの道路ユーザーを識別できるようになります。それにより新しい機能が 実現しますが、“機械学習”はまだ”人工知能“ではありません。

“人工知能” – 未来。
“人工知能”の実現には、自主的に結論を引き出し、独力で判断を行うことが できるプログラムが必要です。インタラクティブなアシスタント システムを搭載する 「I.D.VIZZION」のコンセプトは、このプログラムを前提としています。 未来のクルマは、操作スイッチの数が大幅に減り、完全に直感的に使用できる ようになります。「I.D. VIZZION」に搭載するシステムを初めとするインタラクティブ アシスタントは学習能力を備えているため、利用する毎により完璧にユーザーに 対応できるようになります。シートの位置、エアコンの設定、お気に入りの音楽 リストまで、ユーザーのニーズや好みを理解するようになり、場面と状況に応じて 自動的に設定を変化させます。未来のフォルクスワーゲン車は、パートナー としても理想的な運転手です。搭載する“人工知能”によって、ハードウェアと ソフトウェアの最適な連携が実現できます。自動運転のためには、レーザーと レーダーセンサー、カメラ、電子制御ユニットなどが必要になりますが、それらは 独自にデータを共有し、自己の判断で適切な操作を選択します。これこそが “人工知能”であり、「I.D. VIZZION」なのです。


安全、自由、シンプル、そして“at home”。
フォルクスワーゲンは、「I.D. VIZZION」の主な革新機能を4 つに分類しました。 それらは新技術が、どのように人々の生活を変化、向上させるのかを物語っています。

・安全
「I.D. VIZZION」では、運転がより安全になります。顔認識システムは、登録したユーザー以外の人がクルマを不正に使用することを防止します。ボイス及び ジェスチャーコントロールにより、操作ミスも防げます。双方向コミュニケーションが できるプロジェクション ヘッドライトは、前方の路面にバーチャルな横断歩道を 投影し、歩行者や自転車に乗った人を守ります。自動運転が最高のレベル 5 に到達すると、事故の発生件数は大幅に減少するでしょう。

・自由
「I.D. VIZZION」のようなクルマでは、乗員の自由度が高まります。レベル 5 の 自動運転により、すべての乗員がより自由に、より有効に車内で過ごす時間を 活用できるようになります。「I.D. VIZZION」は、人工知能の可能性を活用し、 学習能力を備えているため、乗員のニーズに良く応えられるように日々進化 していきます。

・シンプル
この複雑な世界で、「I.D. VIZZION」は人生をシンプルにしてくれます。 操作は直感的に行えます。すべての乗員に管理可能で、テーラーメイドな モビリティを。ここでは、フォルクスワーゲン車は、デジタルアシスタントになって くれます。オーグメンテッド リアリティはインタラクションとコミュニケーションの新しい 世界を開きます。

・ “at home”
「I.D. VIZZION」のオープンスペースは移動可能なラウンジです。このラウンジは、 異なるトラベル モードを選択することで、室内環境を変化させることができます。 リラックス、仕事、遊び、コミュニケーション。このオープンスペースは何にでも使え ます。選択したトラベル モードによっては、ウィンドー ガラスの濃度が電子的に 変化し、アクティブ ノイズ キャンセル機能によって周囲の雑音も遮断されます。 このコンセプトカーは、フィットネス トラッカーのセンサーと HoloLens(健康機能 スクリーニング機能)によって、乗員の生体データを取得してエアコンの制御を 行います。このようにして、「I.D. VIZZION」は、新世代の移動可能なスマート ホームとなるのです。

主な特徴 最高レベルの自動運転

無人走行。
フォルクスワーゲンは、「I.D. VIZZION」において最高レベルの自動運転を提示します。 自動運転のレベルは、5 段階に分けられています。レベル 4 以上は、自動運転の ために何重にも安全策が確保されたとてもインテリジェントなテクノロジーを採用して いるため、ドライバーは不要です。それでもレベル 4 のクルマはステアリングホイールと コックピットがあり、従来型の運転も可能です。しかし、レベル 5 の「I.D. VIZZION」は 違います。このクルマは、完全な自動運転専用車としてデザインされています。 運転席、ステアリングホイール、ダッシュボード、ペダル類などはもはや不要です。 車内には、ラウンジのようなオープンスペースが出現しています。「I.D. VIZZION」は、 近距離を担当するレーザースキャナー、超音波センサー及び、レーダーセンサー、 そして、遠距離を担うレーダーセンサー、さらに、フロントおよびリヤカメラ、サイドエリア ビュー カメラなどのネットワークによって周辺環境を把握します。 最新の「I.D.」コンセプトカーにおいては、センサー類を外から見ることはできません。 交通データは、クラウド経由で常時アップデートされ、「I.D. VIZZION」が蓄積した データと比較します。車両同士をネットワーク接続することでフォルクスワーゲン車は、 近接環境(Car-2-Car)とより広い環境(Car-2-X)でスウォームインテリジェンス (群知能)を活用できます。さらに、「I.D. VIZZION」は、高解像度デジタルマップを ナビゲーションに統合しています。

2025 年に登場。
フォルクスワーゲンは、レベル 4 およびレベル 5 の完全自動運転が、2025 年には実 現すると考えています。長い間遠い未来のことと考えられてきた自動運転が、あと数 年でモビリティの一部となるでしょう。


エレクトリック オールホイール ドライブ

「All-new Electric Architecture」。
「I.D. VIZZION」のパッケージには、2 つの電気モーター、2 つのギアボックス、すべてを 連携するエレクトロニクス、高電圧バッテリーなど、「All-new Electric Architecture」 の駆動システム用コンポーネントが「I.D.VIZZION」のパッケージに見事に組み込んでいます。リチウムイオン バッテリーの容量は 111kW で車両のフロアに格納しています。 これによりスペースが生まれ、重心が低くなり、理想的な荷重配分を備えます。 フロントおよびリヤ アクスルに搭載される電気モーターについても同様です。フロントの モーターは 75kW のコアキシャル(同軸)駆動で、リヤにはコンパクトな 150kW モーターを採用しています。システム パワーは合計225kW で、モーターは各アクスル を直接駆動します。インテリジェントな駆動制御によって、あらゆる状況下で最適な ハンドリング特性が実現しています。「I.D. VIZZION」は、1 回の充電で最大 665km 走行可能です。パワー エレクトロニクスが、モーターとバッテリー間を流れる高圧電流 を制御します。このパワー エレクトロニクスは、バッテリーに蓄えた直流電流(DC)を 交流(AC)へと変換します。クルマの充電はワイヤレス方式を採用していますが、 急速充電システム(CCS)、充電ステーション、従来型の電気ソケットなどを使った 接触型充電にも対応しています。

「All-new Electric Architecture」のプロポーションと空力性能

新しい寸法。
全長 5,163mmm、全幅 1,947mm、全高 1,506mm の「I.D. VIZZION」は、その寸法を見ただけでも、プレミアムクラスにおける競合車との違いを感じるられます。 フォルクスワーゲンの「All-new Electric Architecture」に基づくこれらの寸法は、 アバンギャルドで余裕に溢れた、パワフルな電気自動車のプロポーションを表現して います。新しいアーキテクチャーの特徴は、このコンセプトカーが備える柔らかく流れて いる、透明感に溢れたデザインのあらゆる側面から感じ取ることができます。 ホイールベース(3,100mm)とルーフセクションはきわめて長く設定され、フロントと リヤのオーバーハングは短くなっています。それによって、今日のプレミアムクラスのどの クルマよりも広い室内スペースが誕生しました。さらに徹底されたエアロダイナミクス的 にも新たな基準を設定しています。

アバンギャルドなエクステリアが生む最大の室内スペース
新世代のビジュアル マトリックス。

「All-new Electric Architecture」は、フォルクスワーゲン デザインにおける新世代の コンセプトの基盤を提供します。フォルクスワーゲンのデザイン部門を統括するクラウス ビショフとそのチームは、きわめてダイナミックなプロポーションを採用することで、明快で 透明感のあるボディを生み出しました。 「I.D. VIZZION」は、流れるようなエレメントにパワーと精密さを組み合わせており、 これまでに見たこともないようなデザインを備えたプレミアムクラスのクルマになりました。 「I.D. VIZZION」のデザインに適用されるコンセプトの中心には、乗員の快適性があり ます。フロントアクスルを車両のかなり前方に配置することができる新しい「All-new Electric Architecture」によって、室内に最大のオープンスペースが実現しています。 同時に、「I.D. VIZZION」のプロポーションは、とても魅了的で、ダイナミックな外見を もたらします。その結果、統一感があり、表面処理の高品質が目立つ豊かな表情 を見せるエクステリアが完成しました。サイドプロフィールに目を転じると、“バラディ オレンジ”のボディカラーでペイントされた「I.D. VIZZION」のクリーンな魅力と力強い デザインは、「I.D.」および「I.D. CROZZ」と共通の DNA を感じさせます。「Phaeton (フェートン)」クラスに属するこの大型サルーンをパワフルな SUV およびコンパクトな 「I.D.」と並べてみると、この「All-new Electric Architecture」が、将来的に幅広い ラインナップの多様なモデルを生み出してゆくことが想像できるでしょう。

フロントにインタラクティブな HD マトリクス ヘッドライトを装着
ダイナミズムを表現。
フロントから見た 「I.D. VIZZION」は、ダイナミズムを力強く表現しています。 ボンネットは、中央部分がきわめて低く、統一感のある形状のウイングがサイドへと 鋭く上昇しています。フロントボディの形状には、このコンセプトカーの空力面での 先駆的ダイナミズムを見ることができます。

灯りが、新世代のクローム。
フロントでは、灯りの使い方が目立っています。「I.D. VIZZION」は、灯りが新世代の クロームであるというメッセージを発信しています。そのハイライトは、ボンネットに設置 され、ホワイトに光る VW エンブレムです。「I.D. VIZZION」では、このホワイトの LED エレメントの光軸が、乗員を迎え入れるアニメーションとして機能します。 乗員が近づいてきたことを電子キーや顔認識システムが、検知すると、この光軸は、 ボディサイドおよびホワイトに照明されたドアハンドル上を「流れ」、リヤへと移動します。 光を遮るのは、フロントフェンダーやリヤウイングといったボディエレメントのみです。

「IQ ライト」。
ライティング コンセプトも、インタラクティブな特性を持つように設計されています。 例えば、「I.D. VIZZION」のフロントエンドでは運転状況に応じてアクティブライティングエレメントが光を調整します。フォルクスワーゲンのコンセプトカーに初めて採用する ライトは、従来型から大きく進化した HD マトリクス ヘッドライトです。照明の新しい 時代を感じさせるこのインテリジェントなライトは、ロービームとハイビームを備え、 8,000 個の光ピクセルを使用します。あと数年もすれば、小さな光源の集合体で あるこのライトが、クルマのの前にシンボルや表示を照射できるようになります。 歩行者が目安にできる、バーチャル“横断歩道”も作り出すことが可能です。それに より歩行者は、「I.D. VIZZION」が自分たちを認識し、安全に横断できるよう減速 していることがわかります。HD マトリクス ヘッドライトは、その印象的なライトデザイン によって、アニメーション機能がオフの場合でも歩行者の注意を惹くでしょう。 「I.D. VIZZION」のHD マトリクス ヘッドライトは、他のヘッドライト システムとはまったく 異なり、知性を持った生物が「見つめている」かのような印象を与えます。将来的に フォルクスワーゲンが採用する最上位のヘッドライト システムは「IQ ライト」と呼ばれる 予定です。「I.D. VIZZION」の場合、それに採用されるのは HD ヘッドライト システム です。

次世代の自動車を表現するサイドプロフィール

完璧なボディパネル。
「I.D. VIZZION」は、余分な要素を削除したデザインを大きな特徴としています。 フォルクスワーゲンでデザイン部門を統括するクラウス ビショフは、チームとともに、 大型セダンのゼロエミッション車の新しいイメージを生み出しました。その先駆けとなる 「I.D. VIZZION」は未来の姿を現在に引き寄せます。そのデザインは完璧な均質さを 備えたボディパネルによって、見る者を魅了します。新時代の彫刻作品ともいえる 「I.D. VIZZION」では、ウィンドーもいっさいの段差なくボディと一体化されています。 色濃度の調整も、わずか 0.2 秒で行うことができます。その時、“グリーンハウス”を 連想させるウィンドー エリアは、ボディのショルダー部分やサイドセクションと、これまで 以上に視覚的に融合されます。

未来を可視化したデザイン。
「I.D. VIZZION」のクーペ的なルーフラインは、リヤに向かって長く伸びています。 C ピラーは、リヤのホイールアーチよりも後方まで達しています。このルーフラインを見た だけでも、先に発表した「I.D.」、「I.D. CROZZ」、「I.D. BUZZ」と同じ様に、「I.D. VIZZION」が乗員に最大限のスペースを提供することが明確に分かります。 インテリアは、オープンスペースになっています(詳細は「デジタル世界のオープン スペース」を参照ください)。 サイドシルエットの上部にあるルーフセクションは、その長さと広大なオープンスペース にもかかわらず、スポーツカーのようなダイナミズムを想起させます。このデザインにより、 未来を可視化し、e-モビリティの大きな可能性を物語るグランド ツーリングカーの 新たな定義が誕生しています。「All-new Electric Architecture」は、あらゆる 新しい可能性の扉を開きます。このアーキテクチャーは、デザインチームにとって、 未来的なデザインと圧倒的な存在感を備えたボディを製作するためのテンプレートに なりました。サイド セクションでは、シームレスにデザインされたボディパネルが目を惹き ます。パワフルなフェンダーエリア、エレガントなルーフライン、短いオーバーハング、 力強いショルダーが、まるでひとつの大きな塊から削り出したようなデザインを生み 出しています。「I.D. VIZZION」は、かつての伝統的なセダンのデザインを過去のもの とし、その力強く美しいデザインで、未来への方向性を示しています。


リヤ ヒンジ式の後部ドア。
優れた空力性能を備えた前後の 24 インチホイールの間の空間には、観音開きの ドアが存在感を示しています。ドアの開閉方向は前後で逆方向となっており、最大 90°まで開きます。B ピラーが存在しないこともあって、乗降はきわめて快適です。 フロントドアはホイールの手前まで、リヤドアはホイールのほぼ中間位置まで伸びて います。ドアの下部はパワフルなサイドシルとつながり、中央部は「I.D. VIZZION」の ウエストを形成しています。上部に目を転じると、ドア上にはきわめて長いウィンドー ラインが設定され、シルバーのルーフ フレームで区切られています。リヤにおいて、 このルーフ フレームはコンパクトな C ピラーのクーペ的なグラフィックと繋がっていきます。


スポーツカーを彷彿とさせるリヤ

スマートなダイナミズム。

「I.D. VIZZION」のリヤは、従来型のサルーンのリヤデザインとは大きく異なっています。 伝統的なデザインから決別した「I.D. VIZZION」は、妥協することなく、スマートで ダイナミックな魅力を追求しました。シャープなトレーリング エッジを持つリヤは理想的 な空力特性を備えています。従来型とは異なる電動式トランクリッドは上に開き、 565 リットルの容量を備えたトランクにアクセスできます。車両全体の印象と同じく、リヤもクリーンで表現力に富んだデザインを特徴としています。ホワイトの光軸は、リヤ にも回り込み、デジタルの世界を表現しています。細い LED ストリップが、リヤの全幅 にわたって設置され、その先端がリヤ フェンダーまで伸びていることで車両の幅広さが 強調されています。ホワイトの LED ストリップの直上にはテールライトとブレーキライト の機能を備えた赤い LED ストリップが配置されています。巨大な LED ディスプレイを 兼ねたリヤ ウィンドーは、中央部あるいは“第 3”のブレーキライトとしても機能します。 制動力が増すにつれて、ブレーキライトの点灯部分が下から上へと広がっていきます。


デジタル世界のオープンスペース

電気的に濃度を変化させるガラスを採用。

「I.D. VIZZION」は、旅に新しい次元をもたらすインテリアを特徴としています。 乗員は 90°まで開くドアから乗り込むと、プレミアムクラスの常識を破る快適性を 提供する動くラウンジに足を踏み入れることになります。広々としたスペース、インタ ラクティブなコネクティビティがもたらす大きな可能性、そしてこれまで以上に徹適して 最適化された人間工学により、「I.D. VIZZION」の室内は乗員を魅了すると同時に、 インテリア デザインのレベルを新たな高みへと引き上げています。このインテリアの中心 になる装備は、人間工学的にバランスの取れた 4 座シートです(前席はリクライ ニング機能付き)。「I.D. VIZZION」は、顔認証またはスマートフォンなどの電子 デバイスを経由して乗員を認識するため、フォルクスワーゲン ID を用いてクラウドから 各乗員の設定を呼び出し、シートを自動的に調整することが可能です。 「I.D. VIZZION」はまた、フォルクスワーゲン ID のプロフィールを使用して、照明、空調 コントロール、ストリーミングサービスといったインフォテインメント、匂い等のパラメーター も制御します。シート間には、設定されたインテリアのモードによって開閉するセンター コンソールが設置されています。今日の自動車に採用されているほとんどのインテリア コンセプトと異なり、「I.D. VIZZION」のインテリアはドライバーが中心のスペースでは なくラウンジとして設計されています。完全自動運転を行うこのフォルクスワーゲンは、 コックピットを備えた運転席を必要としません。従って、室内スペースは乗員を包み 込むようにデザインされ、リラックスできる雰囲気が創出されています。この雰囲気に は、フットレストも貢献しています。さらに、植物なめし処理を行ったレザー(カラーは “サントロペ”)や持続可能な栽培による天然の木材といった厳選素材も、この 快適性に貢献しています。明るく、心地よく、リラックスできる雰囲気は、大きなサイド ウィンドーと、切れ目なしに前後に大きく拡がるパノラミック サンルーフによってさ らに強調されます。車内にプライバシーが必要な場合は、ガラスの濃度を電気的に 変化させることも可能です。もっとも暗くした場合は、ほぼ不透明になります。

オーグメンテッド リアリティ。
「I.D. VIZZION」は完全な自動走行を行うため、前述のとおりダッシュパネルは存在 していません。このコンセプトカーは、乗員がバーチャルアシスタントとジェスチャーや ボイスコントロールを通じて対話することで主に操作します。目的地もボイスコント ロールまたはスマートフォンを経由して設定します。「I.D. VIZZION」の乗員は、 オーグメンテッド リアリティを活用して現実空間にバーチャルインターフェイスを投射 する HoloLens を使用することもできます。このインターフェイスは、乗員がクルマや デジタルデバイスと、ジェスチャーコントロールを通じてコミュニケーションを行うための バーチャルリングとして機能します。”ミックスド リアリティ“(複合現実)と呼ばれる このインターフェイスは、産業界で活用されるようになってきており、自動車においても 今後 10 年で幅広く使われるようになるでしょう。「I.D. VIZZION」は、この世界を 垣間見せる、世界でも初めてのコンセプトカーの 1 つです。 このように先進的な「I.D. VIZZION」ですが、センターコンソールには、物理的な ロータリー/プッシュボタンが 2 つだけ(フロントに 1 つ、リヤに 1 つ)設置しています。 これは、エンターテインメントの音量調整など、乗員が慣れ親しんでいる機能を 直感的に操作するためのものです。このマルチファンクション スイッチは(安全レベル を考慮した上で)一般的な方向指示などを出すためにも使用することができます。 らに、このスイッチを使えば、「I.D. VIZZION」を完全に停止することもできます。

予測に基づいて“反応”するアシスタント。
ジェスチャーおよびボイスコントロールを採用するオーグメンテッド リアリティを直感的に 使うことで、「I.D. VIZZION」の操作は今日のクルマよりもずっとシンプルになります。 さらに、搭載されているバーチャルアシスタントは、様々な出来事や目的地に対して 予測的に反応します。たとえば、避けられない渋滞に近づいている場合、このインタ ラクティブなアシスタントは自動的に新たな予想到着時間を教えてくれます。 乗員のひとりが気に入っているカフェがルート上にある場合、アシスタントはそこの 駐車場に入るか、コーヒーをテイクアウトするかを聞いてくるかもしれません。 このクルマは、ありとあらゆるデジタル デバイスと連携することができます。これには、 勿論ユーザーの承認が必要ですが、フィットネス トラッカーも含まれます。 「I.D. VIZZION」は、この端末ないしは HoloLens を用いて、乗員の生体データを 見守ります。もしも誰かが「暑い」と感じている場合、4 ゾーンオートエアコンの間接 換気機能を活用して、その人の周囲の温度を下げてくれます。新開発したクリーン エアシステムは、乗員にとって最も快適な室内環境を実現します。このシステムは、アクティブフィルターを活用して、車外の環境にかかわらず、「I.D. VIZZION」内の 空気品質を理想的なレベルに維持します。

乗員のニーズに応えるインテリア。
「I.D. VIZZION」では 3 種類のトラベルモード(“リラックス”、“アクティブ”、“ファミリー”) が用意され、パーソナル アシスタント経由で設定することができます。“アクティブ” モードでは、通常どおりに座り、仕事をして、コミュニケーションを行い、遊び、情報を 呼び出すことができます。“リラックス”モードを起動すると、フットレストが展開して、 リラックスできる音楽が流れます。アンビエントライトは暖色系に変化します。また、 HoloLens を経由して様々なシナリオを呼び出すことも可能で、このシナリオには、 “ビジネス”、“ナビゲーション”、“エンターテイン”、“コミュニケーション”、子供向けの “ラーニング”などのモードがあります。投影される映像は各モード用に合せられ、 HoloLens 経由のオーグメンテッド リアリティとしてユーザーの視野内に投射されます。 たとえば、“ビジネス”モードでは、ビデオチャット経由で会議に参加することもでき、 メールへの対応やプレゼンテーションの処理なども可能です。“ラーニング”モードでは、 ゲームや学習アプリを呼び出すことができます。たとえば、惑星の位置関係などを バーチャル空間におけるアニメーションとして映し出すことができます。




「I.D. VIZZION」の技術仕様

寸法


全長: 5,163 mm
全幅: 1,947 mm
全高: 1,506 mm
ホイールベース: 3,100 mm
フロント トレッド: 1,660 mm
リヤ トレッド: 1,660 mm
ホイール/タイヤ: 255/30 R 24
ボディカラー: ”バラディ オレンジ“

インテリア/積載スペース

可変“オープンスペース” 4 座の一体型シート
積載スペース(4 名乗車時) 565 リットル
シートカバー(素材とカラー): ”サントロペ“ レザー

駆動システム / 航続距離 / 性能

フロント電気モーター: 75 kW
リヤ電気モーター: 150 kW
システムパワー/システムトルク: 225 kW
バッテリー容量: 111 kWh
航続距離(EU:NEDC サイクル): 最大 665km
加速(0~100km/h): 6.3 秒
最高速度: 180 km/h (レベル 5、電子リミッター作動)


注記:
本モデルはまだ販売されていないため、(燃料消費量および CO2排出量などの情報提示を義務付けている)EC 指令 1999/94 は適用されません。
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