MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

指揮棒をどうぞ

2009年05月13日 | 音楽教室

連休明けて。

練習はしているけれど
前のアドバイスを忘れている生徒さんは多いです
なんというか
元々うっかりしやすいポイントが拡大されている・・・

その中で、よく弾いてきているのに
強弱だけ すっぱり忘れていたSくん。

強弱表現って、そこに f と書かれているから f で弾く
というものではなく、
そこを勇壮に、あるいは華やかに
元気良く・いばって・勢い良く弾きたい

そういう気持ちがあって弾くもの。

ですから、
「あ、強弱忘れていた。じゃあ付けて弾こう」
と思っても
それはオーディオのボリュームを調節するようなもので
不自然この上ないのですね。

後から強弱をつけようとする子は
楽譜を見ながら『次が f 』と気付いて初めて
f の音を出そうとします。
でも、それでは気持ちが間に合わない。

楽譜上の f を見るとしても、それは確認であって
本来は、もっと前から
次は f へ向かうぞ』という気持ちが必要なのです。

        
というわけで、
Sくんには立って指揮をしてもらいました。(演奏するのは私)

ただし、拍子をとるだけではなく
強弱も意識して指揮すること、という注文付き。

指揮者は、次が f 或いは p という時
各パートが『音を出す前』に指示しなければなりません。 

つまり、次の小節の1拍目が f なら
その前の最後の拍を、大きい動作で振りかぶる
という事で、次を f で演奏しようという気持ちを作る。
次への流れがわかっていないと、指示が間に合わないのです。
        
1回目は、指揮が音楽を追いかけている状態だったSくん、
2回目で、音楽の先の流れを読んで指揮できました。
ここで、ピアノ演奏交代。

今度は、いい演奏になりました。
ピアノは1人でオーケストラ
指揮者は自分、ですね。