MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

チェンバロ・レポート 2

2009年01月04日 | Weblog

さて、いよいよ演奏。
実際に チェンバロの鍵盤を弾いてみると
アクションから ストレートに手応えが伝わってくるので
爪が弦に当たった手応えをしっかり感じます。
鍵盤を使っているけれど、何といいますか
「指先で、三味線を弾いているような感じ」。

てこの原理そのままに 爪が上り、離すと下がるということは
連打する時の感覚も ピアノとは違うし
爪で引っかくわけですから、音量がそんなに変わるわけではない。
微妙に変化できる、と川井氏はおっしゃいましたが
(長く弾きこむうちに、微調整の技を身につけられる?)
基本、ピアノのような『微妙な強弱変化』は作れません。
        
楽器本体に付いているレバー(レジスター)を操作することで
弾く弦を一本にしたり、二本に増やしたり
弾く爪の位置を変えたり
弦にクッションを当てることで音色を変えたり
ということは できるようです。
でも、こういう操作は、演奏中には 無理ですね。
これらは、曲によって まるごと変えるもののようです。
        
では、実際に 弾きながら変化させたい時はどうするか。

どうも、基本的に「音の長さ」らしいのです。
強拍である一拍目は、基本 長めに演奏。
f とか p とか、クレッシェンド・ディミヌエンド
これらの代わりに、
長く弾く・短く切って弾く
鍵盤上の指を寝かせて 柔らかく弾く
指を立てて、素早く弾く

長く弾くと、音は目立つので大きく聴こえ
音の長さが 音色の違いとして感じられます。
と、いうことは
『連続して同じ長さで書かれた音符』は
それを 伸ばしてほしい、切ってほしい、というより
同じ音色をイメージして弾くのだ、と言えるのかも。

和音も、基本ずらして演奏。
音がすぐ消えてしまうから、というより
一斉に鳴らすと ごちゃごちゃしすぎて 綺麗じゃない。
パラパラとずらして響かせる方が、よほどすっきりするし
響きを味わうことができるのだな、と実感しました。

いつも弾いているバッハが、どんどん変化していきます。