「○○が必要な理由」が力説されている場合、後付けでその理由がひねり出された場合の方が周囲への説得効果が大きいのが、不思議です。「必要な事情」よりも「周囲を説得をしなければならない事情」の方が強く働くからでしょうか。
【ただいま読書中】『心にトゲ刺す200の花束 ──究極のペシミズム箴言集』エリック・マーカス 著、 島村浩子 訳、 祥伝社、2004年、1000円(税別)
悲観的な“名言集”です。ただ、たとえば「人生」について次から次へと悲観的な言葉が並べられると、逆にだんだんこちらは愉快になってきます。こんどはどんなパターンで来るのかな?なんて期待までしちゃいます。たとえば本書はこう始まります。
「人生にはおぞましい人生と悲惨な人生の二種類しかない」(ウッディ・アレン)
「誕生、それはあらゆる災難のなかで最初にして最悪のもの」(アンブローズ・ビアス)
「わたしを殺さないものは、私を苦しめるだけだ」(ブラッド・シュライバー)
「やかんは、見張っているといつまでたっても沸かないときがある。でも見張っていないと、かならず吹きこぼれる」(ジョーン・M・ワシントン)
「あなたがどう見ようと、人生は絶対に勝ち目のない戦いよ」(シンシア・グロスマン)
「誕生は死の始まりにほかならない」(エドワード・ヤング)
おっとっと、この調子だと、引用だけで読書感想が終わってしまいそうです。
「シニカルさ」はどちらかといえば「ネガティブ」なものですが、本書に集められている箴言はなぜかそれほど嫌なものばかりではありません。おそらくそれらがなにがしかの「人生の真実」を含んでいるからでしょう。つまり「真実の強み」が威力を発揮しているわけです。
「悲観主義」で楽しい思いをしたくなったら、ぜひ本書を手にとってください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます