【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

二の次

2020-10-30 08:09:15 | Weblog

 「自助共助公助」ということは、「公助」は「二の次」ということですね。「自助」「共助」の「次」ですから。

【ただいま読書中】『河童よ、きみは誰なのだ ──かっぱ村村長のフィールドノート』大野芳 著、 中央公論新社(中公新書1534)、2000年、660円(税別)

 「河童は本当にいるのか?」と“常識的”な判断をしていた著者は、『遠野物語』で衝撃を受け、実際に遠野に出かけてさらに衝撃を受けました。目撃者がいたのです。そこから著者の「河童探し」が始まりました。
 呼び名は地方ごとにまちまちですが、その分布図を見たら、北は北海道から南は沖縄まで日本全国に「河童」は伝承されています。古文書には、目撃談だけではなくて、河童と相撲を取ったとか、脚を掴まれて水に引き込まれそうになったという体験談もあります。「河童の頭蓋骨」「河童のミイラ」という「物証」もあちこちで保存されています。
 目撃談を読んでいると、「日本にまだ暗闇があった時代」の話だと気がつきました。暗闇の中での怪しい水音、変な臭い、怪しい気配……それを昔の日本人は「河童」と名付けたのかもしれません。ただ、私たちが知っている「河童」そのものではないにしても、そういった「水音」「臭い」「気配」にはそれを起こす実体を伴う“原因”があるはず。それは本当に「河童」だったのかもしれません。
 ちなみに本書では「河童」を追究するとそこから「日本人」が見えてきます。不思議ですね。

 



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