【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

効率重視

2022-06-27 07:17:10 | Weblog

 「スピード映画」に眉をひそめる人たちの多くは、20年くらい前に「あらすじで読む名作」とか「あらすじで読む世界の名著」で「読んだ気」になっていたことがあるのではないですか? やってることは昔も今も、それほど違わないような気が私にはするのですが。

【ただいま読書中】『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』オーサ・イェークストロム 作、KADOKAWA、2015年、1000円(税別)

 「セーラームーン」と「犬夜叉」で日本が好きになって、スウェーデンから日本に引っ越してきた著者。ブログに「日本でびっくりしたこと」を四コマ漫画で描いたらそれが評判になって、とうとう本になってしまった、のだそうです。
 日本文化(アニメや漫画)が、外国人の運命を左右している、と聞くと、日本人としてはちょっと複雑な気分になってしまいます。子供時代にアメリカ文化(テレビ番組や映画)が大好きだったのに、私はアメリカに移住しようなんて発想を持てませんでしたから。
 スウェーデンと日本の違いが軽い文化的ショックの連続ですが、田舎に住む高齢者の私にとっては日本人とかスウェーデン人とか以前に「現代の若者の生活」そのものが私にとっては文化的ショックでした。たとえば著者は日本家屋のシェアハウスに住んでますが、5人の国籍も性別もばらばらです。昭和の時代には考えられないこと。また、友達との何気ない会話も私にとっては「異文化の住民の発言」に聞こえます。もう、外国人だのなんだのと言っている時代ではないですね。インターネットが当然の前提となっているのですから。
 それにしても、著者はスウェーデン語と英語と日本語が使えるとは、すごい(さらに、「ベルばら」はスウェーデンに英語版がなかったので辞書を引きながらフランス語で読んだそうです)。私は日本語しか使えないし、その日本語も怪しいものですから。しかし、アニメで日本語を覚えた人は「ちょっと特殊な日本語使い」になってしまうため、日本語学校の説明会で教師が「アニメの話し方を真似するのはやめましょう」と言った、というのは、本当? いや、あり得るな。私も映画で英語を覚えたとしたら、たぶんハリウッド式の話し方になってしまったでしょうから。
 しかし、漫画の力は偉大です。世界の共通言語は英語だそうですが、若者世界の共通文化は日本の漫画なのかもしれません。

 



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