【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

天然自然

2021-09-10 07:44:06 | Weblog

 「自然の○○」とか「天然の××」とか宣伝している商品のほとんどは、プラスチック容器に入っているかプラスチック包装をされています。

【ただいま読書中】『日本珍景踏切』伊藤博康 著、創元社、2020年、1600円(税別)

 「踏切」は普通「鉄道」と「道」がクロスする地点に存在します。ところが日本には様々なユニークな踏切があるのです。
 例えば「遮断機の向こう側を通るもの」。普通は電車や機関車などですが(昔は汽車もありました)、本書で通過するものとして写真で紹介されるのは「フル規格の新幹線」「地下鉄」「ケーブルカー」「舟」「モノレール」「バス」「トレーラー」「人間」……いやもう、写真を見るだけで笑っちゃいます、というか、よくもまあこれだけ見つけてきたものだと著者に感心します。
 「踏切を渡ったところにあるもの」として「駅」「参道の石段」「古刹」などもなかなかユニークな風景です。そういえば本書にはありませんが、「民家の玄関」というのなら私はテレビで見たことがあります。もともとは民家から国道だったか県道に出る私道があったのに戦前に私道を分断するように後から線路が敷設されてしまい、そこに踏切が設置された、ということです。そこを渡るのはその家の人だけですから、遮断機もない踏切ですけど、踏切は踏切なんですよね。
 でもまあ、本書で私のツボを一番ついてくれたのは、表紙カバーにある「踏切の向こうには、大仏」でした。これはもう見てください。そして笑ってください。