私が初めて「トライアングル」に出会ったのは幼稚園の時、タンバリンやカスタネットと一緒に、でした。次は小学校の時かな、読んでいた本に「バミューダ・トライアングル」という言葉が登場してその不気味さに震え上がると同時に「トライアングル」が「三角形」であることも知りました。正しい綴りを知ったのは中学校。
「幼稚園で使った楽器」ということから、楽器としてのトライアングルにはお手軽な印象を持っていましたが、その効果が重要であることを意識したのは成人後です。たとえば、ドヴォルザークのチェロ協奏曲やスメタナのモルダウで、もしもトライアングルが使われなかったら曲想はずいぶん締まりのないものになってしまうでしょう。
トライアングル協奏曲というのはさすがに無理でしょうが、「トライアングルが印象的な曲」の全集を組んだら、ちょっと面白いラインナップになるのではないかな。
【ただいま読書中】『ヘンな間取り』ヘンな間取り研究会、イースト・プレス、2010年、476円(税別)
様々な物件の間取り図の中で、突っ込みどころ満載のものを集めた本です。「玄関から室内に入れない間取り」はたぶん単純な線引きの間違いだろう、と思えますが(うっかり太い線分で玄関を囲ってしまったのでしょう)、中にはどう考えてもどうやってその部屋で生活するのかわからない物件も多々。たとえば……
地下室や二階があるのに、そこへの階段が一階に存在しない間取り。トイレと同じ広さの浴室。出入り口のないベランダ。自分の部屋から隣の部屋の前まで伸びているバルコニー。2Kやワンルームマンションにトイレが二つ。3LDKにユニットバスが二つ。6帖の1Kに洗濯機置き場が二つ。15帖のワンルームマンションのど真ん中に浴室とトイレ。ベランダに浴槽。バルコニーにシャワー室。1帖の広さのダイニングキッチン。ど真ん中に畳コーナーがあるフローリング。床の間付きのフローリング。3LDKの高級マンションにトイレが3つにバス2つ、ただしすべてが一箇所に集中配置。一度玄関から外に出ないと行けないバルコニー。
そうそう、オマケのコーナーに「家賃三万円でここまで違う」という記事があります。東京は新宿では、4帖半のワンルーム。風呂無し、トイレは共同。ま、そんなもんでしょう。それが北海道は釧路だと、同じ家賃で3SLDK(納戸つきですが、その納戸が新宿のアパートと同じくらいかな)。いやもう、間取り図を並べてみるだけで、頭がくらくらします。