日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

遥かなる絆

2009-09-29 | 中国コンテンツ
2000年代に入って中国ビジネスに携わるようになった頃、色々な中国関係の本屋映画、ビデオを見ました。中国ビジネスに関わるなら必ず読むべき本という中に、山崎豊子の「大地の子」があり、最初はビデオを借りてきて、その後に小説を読みました。

 「大地の子」も、ここでご紹介する「遥かなる絆」も共に中国残留孤児の人生を描いた物なんですが、前者は未だに中国では放映されておらず、海賊版DVDも見たことがありません。一方後者は今年の放映にもかかわらず直ぐに海賊版DVDが発売され、買ってきてみたという次第です。

 大地の子に比べると、放送回数や総時間が短いので当然かと思いますが、遥かなる絆は、残留孤児のお嬢さんが主人公となっていること、誇示だった実父の方も1970年には日本に帰国されたとの事で、中国国内でのご苦労については余り露骨に描かれていない事が、中国でもDVDが販売された理由なんでしょう。

 ドラマとして評価するなら、圧倒的に大地のこのほうが印象に残ります。遥かなる絆は視聴率が10%に届かなかったようですが、それでも検討したほうといわざるを得ません、中国に関する日本人の関心が深まっているのだろうと思います。

 日本にいる方はこういうドラマを見てどう感じるのでしょうか?一方的な嫌中感情、嫌韓感情が謳われ、その中には確かに見るべきものもあるのですが、日本側のメディアの報道は嫌中、一方中国経済の成長への事業機会という論調が多いのではないかと見えます。

 中国や中国人にはいやな面も山ほどあります。心からすきかというと、私はYesとは言えません。

 でも、大地の子にしろ、遥かなる絆にせよ、本来元占領者であり嫌悪する対象であった日本人の子を、ちゃんと育て、費用のかかる大学まで行かせた中国人の方がいらっしゃる事を忘れてはいけないと思います。

 全てが嫌悪する対象の筈がないんです。嫌な人は山ほどいますが、尊敬すべき人も沢山いる。中国を含む海外に行くのならば、これって忘れちゃいけないと思います。日本人が大好きな欧米諸国でも、特にヨーロッパに行けば露骨な人種差別を受ける事があるはずなんです。そして、日本人はお金がそこそこあって、彼らの上流階級に入ることはできない。就職の差別も受ける。いい面だけじゃないですよね。
http://www.nhk.or.jp/dodra/harukanaru/
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南京大虐殺を描く映画がついに日本で配給決定!

2009-09-29 | 中国コンテンツ
日本人は鬼畜なのか?人の心を持つのか?南京大虐殺を描く映画がついに日本で配給決定!だそうです。

 今年中国では南京大虐殺に関する映画が2本放映されています。そのうちの『南京!南京!』が日本でも公開されるそうです。

 記事によると、同作品は日本でいまだタブー視されているいわゆる南京虐殺事件を、日本兵と中国兵の両方の視点から描いた2時間15分の大作だ。今年4月に公開された中国では、主人公の日本兵・角川(中泉英雄)が、繰り返される一般市民への虐殺、強姦などの蛮行にいたたまれなくなって最後に自殺を遂げることから、「日本寄りだ」の批判が相次ぎ、陸監督には殺害予告の脅迫状まで届く騒動に発展している。

 「どこまでが真実で、どこまでがフィクションなのか?」の問いに、陸監督は「この映画は企画の立ち上げから完成まで4年かかってます。その間、私は何度も日中を往復し、ある元日本兵にもインタビューしたり、彼らが残した日記や膨大な数のプライベート写真など、徹底的にリサーチしました。なので、あくまで真実がベース。唯一、フィクションがあるとすれば映画の後半、南京を政略した日本兵たちが儀式をするシーンのみ。あれは(天皇を崇める)メタファーとして取り入れました」と説明した。

 また、日中両方の視点から描いた理由については「あの戦争で何があったのか。両方の視点で描くことが真実を正確に伝えることが出来ると思ったのです。そのために私は、中国で裏切り者と言われていますが、私は多くの中国の戦争映画で見られるような、日本人を鬼畜として描きたくなかった。なぜなら、私は元日本兵の日記を読んだ時、人間の心を感じたからです。この映画は、決して日本人を批判するために作ったものではない。この映画をきっかけに、お互いの史実を見直す、日中の架け橋になることを願ってます」と語った。
 (取材・文:中山治美)http://news.livedoor.com/article/detail/4359481/

 上海のDVD屋さんでも販売していますが、数年前に同じ南京大虐殺を描いた中国映画を見たこともあり、実は私はこの映画はまだ見ていません。どうせ反日を描いた物だろうと思っていました。

 さて、南京大虐殺を含む日本軍の蛮行は果たして事実なのか?

 南京大虐殺なんて無かった。当時は南京の人口は30万人程度が最大で、30万人を殺せる筈がない。そういう反論を日本ではたくさん見ます。

 私個人の見解として。確かに30万人の虐殺は無かったと思う。でも、数万人単位での虐殺はあったと思う。数の問題はおいといて当時の日本軍なら、相当酷い事を中国でして来たはずだ。そう確信しています。

 別に妻が中国人だから中国よりの発言をしているわけではありません。昔中国に進駐していた日本軍元兵士からの発言を間接的に耳にしたこともあるのですが、色々本を見て、また、私自身の昔の中国に対する考えを踏まえ、そして今の中国人を見て思うこと。

 多くの今の老人の方は中国文明に対する憧れの気持ちを抱いた事があるのではないでしょうか?お茶や書道等を学ぶ人も多いでしょう。私は、子供の頃に三国志や水滸伝、史記などの小説を読んで中国に対して非常に興味を持っていました。今の日本の多くの文化伝統は、やはり中国の影響を多く受けています。学生の頃は山ばかり登っていましたけど、ネパールヒマラヤに行く機会ではなく、新疆自治区の登山を選びました。唯、そのときは観光に近いので深く考える事は有りませんでした。

 さて、2000年代に入り中国ビジネスに関わるようになり、実際に中国の幾つかの場所で働き、様々な交渉ごとや管理面での課題に直面し、旧日本軍の方の発言に思わず納得する時があります。

 「こいつら人間じゃない」関東軍の板垣征四郎の言葉だそうです。

 日清戦争に勝つまでは中国は日本にとって憧憬と脅威の国でした。日清戦争後もやはり憧れを抱く国であったと思います。それが根本的に崩れたのは、関東軍による満州の統治(日露戦争以降でしょうね)が始まってからと思います。

 元々憧れが強い国だけに、その国民達の行動を実際に見た時にどう思ったか。儒教の忠孝(日本では江戸時代に徹底的に忠を重視する教育が武士=後の軍人になされています)なら当然孝を選ぶ中国人。日本的感覚で言う礼節なんて皆無。嘘、裏切りは当たり前。

 中国文化を創り日本に影響を与えたのは、中国の中でもごく一部の士大夫というか、日本で言う貴族や武士階級に属する(若干違うでしょうが)の方たちが作り上げた物で、庶民は当時は、そして今でも農奴に近い存在だったのでしょう。

 日本人、そして特に強強レベルの高い日本人は、まじめに儒教の影響を受けています。一方中国人の圧倒的多数は、儒教みたいなもので縛らないとどうしようも無い人たち=儒教の教えとは正反対の人たちです。

 軽蔑しますよね。憧れが強かっただけに、その度合いは高いでしょう。そうしyたら、同じ人間としての扱いをしなくなるのは当然だと思います。まして、武器などは日本の方が優位だったのでしょうから。

 当時の話を聞く限り

・中国軍人は、庶民の仲に逃げ込んで発砲するなどのゲリラ戦を行った。これにより日本軍は中国側の軍人と一般の人間の見分けが付かなく、虐殺行為に走らざるを得なかった。

・南京虐殺の数ヶ月前(上海事変の前)に、通州で日本人100名以上がかなりむごい虐殺を受けていた(レイプオブ南京の本に掲載されている南京大虐殺の写真とされるものの一部はこのときの日本人被害者のものだそうです)

 相手を人間と思うかどうか。そこが戦争や侵略時の行動に大きく影響すると思います。

 白人が南米やアジア、オーストラリア、アメリカインディアンに対して行った行為を見てみれば、当時の日本の中国侵略時の行動は理解できる気がします。彼らはナチどころじゃなく、本当に民族浄化しちゃいましたよね。

 国家間になると、補償問題等難しい課題が増えますが。私個人の考えとして、数は置いといて日本軍の蛮行はあっただろうと確信しています。
コメント (4)
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