日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国、210品目で生産世界一?

2009-09-06 | 中国経済関連
 日経ビジネスより

 中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は2009年8月14日付で、「堂々たる中国・その輝ける60年――中国は工業大国として胸を張る」と題する記事を掲載し、中国で生産される工業製品のうち210品目が生産量世界一であるとした。

 鉄鋼、自動車、太陽電池など様々な製品について既に生産量は世界一になっている。

 一方、米国でも中国製品は未だに「低品質の廉価品」と評価されている。

 2009年2月25日付で中華ネットの掲示板に掲載された書き込みによれば、南アフリカでは中国製品を“Fong Kong”(Hong Kongに由来か?)と呼ぶらしい。本物に見せかけた模造品を意味し、「安かろう悪かろう」の代名詞となっているという。

 1945年8月に第2次世界大戦が終結した後、廃墟から立ち上がった日本の工業製品に対する海外の評判はしばらくの間「粗悪品」であった。しかしその後、日本は品質の改善に努力し、ソニー、パナソニック、トヨタ自動車、ホンダといった世界ブランドを生み出し、「メード・イン・ジャパン=高品質」という評価を定着させて今日に至っている。

 翻って、工業大国となり、210品目もの生産量世界一の工業製品を擁する中国はどうか? 「メード・イン・チャイナ」の世界ブランドはあるだろうか? 高品質と評価される中国製品はあるだろうか。残念ながら答は「ノー」である。

中国政府の“国家質量監督検験検疫総局”は2005年から「中国世界ブランド製品」の認定を開始し、2007年までの3年間で10品目を選定した。条件は以下の通りである。

[1]その製品の輸出量が総生産量の20%以上であること
[2]その製品の総輸出の50%以上が自社ブランド販売されていること
[3]輸出額が5000万ドルを下回らないこと
[4]その製品の販売量(あるいは金額)が世界の5位以内であること

 そして、選定された10品目は次の通りである。
「中国世界ブランド製品」一覧
製品 ブランド名 認定年度
1 ダウン衣料 波司登(BOSIDENG) 2007
2 ユニバーサル・ジョイント 銭潮 2007
3 コンテナ 中集(CIMC) 2007
4 梳毛織物(そもうおりもの) 陽光(SUNSHINE) 2006
5 コンテナクレーン ZPMC 2006
6 プログラム自動制御電話交換機 中興(ZTE) 2006
7 空調機 格力(GREE) 2006
8 冷蔵庫 海爾(HAIER) 2005
9 洗濯機 海爾(HAIER) 2005
10 プログラム自動制御電話交換機 華為(HUAWEI) 2005

 中国は「生産量世界一」から「品質世界一」となって真の世界ブランド製品を生み出すことができるだろうか。日本製品でさえかつては「粗悪品」の代名詞だったのだから、可能性は十分にあるだろうが、率直に言って、その道のりは長く険しいものであろう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090902/203955/?P=1

 その通りなんですよね。

 中国は2050年にはアメリカを抜きGDPは世界一になる、とか中国の成長を褒め称える記事が海外でも沢山見られるようになっています。

 確かに、日本との比較で経済成長の可能性という点ではまだ発展途上国であり,人口規模の大きい中国は魅力的な存在です。貧富の格差を考えると、日本と同じレベルの購買力を持つ層が、日本と同じ数だけ現れる事は近い将来十分にありえる事です。本来的な意味での富裕層となると、数的には中国の方が既に日本を上回っているかもしれません。

 でも、今後継続的な成長ができるのか?

 無理だと思います。この記事もそういう論調ですね。

 何故か?

 未だに世界一流の品質を誇る商品が一つもないのか?

 それは中国人気質が大きく作用していると思います。中国の経済を今後急速に拡大させる物はおそらく製造業じゃないです。ITかな?医療系は人体実験(治験)を低コストで、かつ相当強引(死刑執行者の臓器移植が当たり前に行われている国)にできるので、意外と可能性があるかもしれません。

 真面目にこつこつという製造業は、日本のほうがまだまだ優位でしょう。新商品を開発する頭脳を国内だけでなく海外から集められるか、海外で日本並みの品質を維持する品質管理・生産管理ができるか。この2つが日本の将来の鍵じゃないでしょうか? 
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中国の消費者象

2009-09-06 | 中国経済関連
中国の消費者市場が非常に注目されているが、どうやってそこに参入するかに付いてはまだ明確に見えていないようです。結局の所は、中国人消費者層を理解する事から始まるという事になります。

 中国の場合は、急激に経済成長を進めてきたため、単に文化の違いや地理的条件等を踏まえるだけではたりません。全く前例の無い、急激に変化している市場という事を考える必要があります。また、世代間の購買行動もまったく異なります。中間層の増加に伴い、外国企業の顧客層は増加しています。

 中国は歴史や文化に関して非常に強い誇りを抱いており、世界は中国に貸しづくという中華思想は確かにあり、一部の愛国的な消費者は中国ブランドを好む傾向があります。また、中国企業は十分に外資系企業に対抗できるとも言われます。

 一方では、中国ブランドを脇において始めて手にする外国ブランドを好む人もいます。

 ルイビトンとクリスチャンディオールは、一つの商品を買うのに年収と同じくらいの金額を払わなければならないのに、中国人女性がもっとも好むブランドになっています。ポルシェは4ドアセダンをお金持ち向けに中国での販売を開始しました。

 中国の店頭では価格交渉が一般的で、表示化各は唯の目安に過ぎません。顧客に与えるバリューとコストにはなんの関連性も無いといえるでしょう。カルシウム入りのチョコレートが、付加価値があるとして流行する一方、現在3G携帯の販売状況が思わしくないのは、大半のサービスが2Gでも手に入るため、3Gのメリットを消費者に上手く打ち出せない事になります。このように、付加価値の見せ方が中国でのマーケティングでは重要になります。

 昨年の毒ミルク問題に見られるように、中国の消費者は何度も騙されています。粉ミルク事件は極端な事例に過ぎず信用というものが中国では非常に大事になります。現在中国の母親は安全と思われる外国産粉ミルクには、国内産に比べ30%は高くても購入します。
 
 幸いな事に中国人は外国製品に対してより信用することが多く、欧米の顧客よりブランドロイヤリティも強い為に、一旦獲得した顧客は簡単には離れません。

 これらに加え、中国では地理的条件、文化的条件、経済的背景などを地域ごとに考慮する必要が有ります。一方新しく勃興する中国の消費者層は、年々国際化しており、海外のブランドにもなじみを見せるようになってきています。
http://metandevelopmentgroup.com/newsletter/august/2009/More-Questions-Than-Answers-The-New-Chinese-Consumers

 まぁ、既に一般的に知られている事ですけど。。

 信用。ブランディング。価格設定。どれも簡単にはできない所では有ります。日本企業はその辺を間違ってしまった例も多く見られます。
コメント
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