日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

サイゼリアの中国戦略

2009-03-17 | 日本・日系企業
 私のブログでも紹介していますが、中国で成功している数少ない日本企業サイゼリアについて、日経ビジネスに紹介されていました。

 上海では既に多数の店舗を展開しているサイゼリアが、昨年12月に広州に出店し、想定していたより多くの集客ができたという話から始まっています。この記事には記載されていませんが、現在中国ではネットを介した情報のシェアが非常に進んでいますので、広州1号店の成功も、上海での成功とそのネット上での評価が結構影響していると個人的には考えます。
⇒地域性による味覚の格差、文化の差などがあるが、一箇所で成功していると他地域への展開しやすくなる。逆に言えば、広大な国を面展開せず最初は一箇所集中で責める。

成功要因として以下のようなコメントをされています。

 立地に関しては非常に納得できますね。外資系の多くが高所得層を狙っているのですが、サイゼリアは中間層をターゲットにしたのが成功としています。

・「特別なことは何もない。固定費を切り詰め、店舗を増やして効率化を進める。チェーンストア理論の基本を守っているだけ」

・ 中国では店舗用の物件の賃貸契約の年数は5~7年と日本の半分程度で、契約更新時に家賃が跳ね上がるリスクもある。そのため、出店前のシミュレーションでは店舗ごとの目標ROI(投下資本利益率)を日本より高い30~50%に設定し、2~3年で投資回収できるよう計算する。

・イタリア直輸入のパスタやオリーブオイルを使うなど、食材や調理方法は日本とほぼ同じ。店舗数が多くスケールメリットを生かせる日本と比べれば、原材料費比率はむしろ高い

・秘訣は、家賃を低く抑えている点にある。例えば、冒頭に紹介した広州1号店は、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなどの外資系チェーンが並ぶ交通量の多い目抜き通りではなく、地元商店街の雑居ビルの2階にある。「一等地とは言えないが、周辺には学校や企業が多く、日常的に通ってくれるお客様の数が計算できる」(広州薩莉亜の李剛総務部長)立地だ。

・人件費を抑えるために、各現地法人に日本から派遣する駐在員は経営トップ1人。食材調達や店舗開発などは、中国人責任者へ権限委譲し、トップは時には厨房に、時には仕入れ先へと走り回ってそれをサポートする。

 これらにより、最近ではサイゼリヤを施設全体の集客の目玉にしようと、相場よりも低い賃料で入居を打診してくるデベロッパーも増えているという。開店初日からいきなり行列ができるので、1年で投資回収を達成できる店舗も出てきた。

中国の都市部における世帯当たりの支出のうち、1995年には支出の15%に過ぎなかったサービス消費が、2005年には倍の30%にまで伸びてい る。この間、支出額そのものは約2倍になっている。生活が豊かになり、サービスに対価を支払う土壌が徐々に育ちつつあることを示している。

 マクロで見れば、中国の経済運営上、サービス業の盛り上がりが欠かせなくなっているという要因もある。

中国都市部における世帯当たり項目別家計支出額

 GDP(国内総生産)の2ケタ成長が続く中国だが、産業構造はいびつなままだ。GDPに占める第3次産業の割合は40%で、70%前後の先進諸国はおろか、IT(情報技術)関連サービスの成長が著しいインドにも及ばない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090316/189108/?P=1


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中国駐在員の帰国ラッシュ

2009-03-17 | 中国ビジネス関連
 日系ビジネスに中国現地法人のリストラに関しての記事が掲載されています。2003-2004年にかけて進出ブームだったのですが、相継ぐ人件費の増加によって製造拠点として上海近辺はもはや妥当な地域とは言えない。さらに昨年の労働法の改正により昨年から撤退する日本企業が増加するだろうと噂になっていました。

 実際にそういう動きが目立つようになり、弁護士がニコニコ顔で営業に走り回っていますが、駐在員も次々に帰国するようになってきたようですね。

 中国は国が大きく、その発展度合いも地域によって全く異なる事から一概には言えませんが、上海自体は未整備な点も多々見られるものの東京と並ぶ大都市で、地方企業出身の方から見れば、地元よりもっと刺激的だという感想を良く聞きます。治安の面でも泥棒やすりは多いのですが、交通事故以外に関しては日本の大都市とは余り差が無い程度に安全だと思います。日系のサービスを提供する会社が、実態以上にその危険性を宣伝しているので、イメージ自体が実際以上に悪いのかもしれません。夫婦帯同自体を禁止している会社の求人広告も見たことがあります。

 さて、日本企業もピンきりですが、大企業の場合は家族手当、住宅手当、僻地手当等が積み重なり中国勤務者に対してのコストが、日本勤務に比べて2倍から3倍になる会社が結構あります。一方よほどの贅沢をしない限り物価は東京よりは安いですから、当地にいる大企業出身者の話を聞いていると、毎年1000万円貯金をしたとか、家を複数購入したという方も結構います。

 変だと思いませんか?



※この記事の続きは有料となります⇒中国市場進出/販売実践会

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香港デズニーもリストラ

2009-03-17 | 中国経済関連
 香港デズニーは、その拡大計画を中止し30人以上のリストラをするそうです。

 ディズニーランドの基本計画や設計エンジニアリングを担当しているウォルトディズニーイマジニア香港のアメリカ人2名、イギリス人4名を含む10名の社員を昨日解雇した。また、この拡大計画の中止に伴うコンサル会社、設計会社への保障は行われるようです。

 ディズニーは先月アメリカでリストラする計画を発表しているようです。ディズニー香港は、2年間に渡り拡大計画の準備を進めていましたが、まだ香港政庁とは合意に至っていないようです。この香港政庁との交渉が今後半年間でも打開できる見込みが立たず、拡大の中止決定に至ったとのディズニー側の主張です。

 2012年か2013年前までに、今の香港ディズニーと同じ規模の物を隣接地に作る計画のようですね。
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