日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

高島屋上海へ

2009-03-04 | 日本・日系企業
 高島屋が上海に進出するという報道が既になされていますが、昨日ちょっとその場所を見に行きました。

 以前紹介した古北の黄金城路からみれば裏手になるのですが、現在既にできている2棟の新設事務所ビルの隣地で既に建物の工事をしています。看板には世界でも有名な高級百貨店が入るというような掲示がなされており、まだ高島屋とは記載されていません。

 うーん。本当にここはまず上海の日系人向けの中心地になることは確実ですね。楽しみな地域になってきます。地下鉄が目の前を通る事は、この記事まで知りませんでした。上海の地下鉄は、知らないうちに22本も作る計画になっているんですよね。

 まぁでも長江デルタエリアは言いすぎですね。都市人口と経済力を考えたら、杭州と蘇州あたりは分店を出した方が良いのではないかな?蘇州はそごうがでているのでその業績次第ですけど。

 とんちんかんに日本の物に拘らなければ立地的には失敗できないところだと思います。他陳は高いでしょうけど。

http://blog.goo.ne.jp/muchida3527/d/20090215

上海古北エリアに2012年開業予定の高島屋 〔2009年02月25日掲載〕

 日本のマスコミでも大きく報道されたが、日本の高島屋が上海の古北エリアに進出することが発表された。高島屋にとっては、中国で初めての出店で、フラッグシップ店となる見込みだ。これまでの計画から見ると、上海で最も高級な百貨店となる。
 上海での報道では、上海高島屋百貨公司の資本金は3億人民元。消息筋によると、これまで5年間にわたって出店に向けての交渉が続けられてきたという。さらに古北エリアの研究や上海に既に進出してきている百貨店の調査などを行ってきた。金融危機のこの時期に上海進出を決断したことに、上海でも注目度が高い。
 高島屋は、虹橋路と紅宝石路の間に建設される古北国際財富中心二期に入る。このビルは30階建てで、高島屋のほかにも高級オフィスビルや5星ホテルなどが入る見込み。
 デベロッパーの一つである上海古北(集団)有限公司によると、高島屋は地下1階、地上7階部分に入り、総面積は4万平方メートルとなる。2011年末に完成し、2012年5月に営業開始される。
 古北エリアは、日本人学校のほかに、日系企業が進出している虹橋エリアにも近く、外国人や富裕層中国人が多い。また高島屋の予定地の向かいには、2010年開通予定の地下鉄10号線伊犁南路駅ができる予定。さらに近い将来には地下鉄15号線との乗換駅にもなる計画もある。
 上海だけでなく、長江デルタエリアにもターゲットを絞った高級百貨店となるようだ。
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パナソニック 北京工場で600人が社長らを軟禁の衝撃

2009-03-04 | 日本・日系企業
 Livedoor Newsの記事で、元ネタは週刊ゲンダイみたいですね。

 現地に住んでいる立場からすれば、今更この程度で大騒ぎするのかい?という感じですけど、日本から見たらショックなのでしょうか?

 この記事で注目すべきなのは、最後の「日本企業は足元を見られている」というところですね。

 欧米企業のより日本企業の給与が高いというのはちょっと意外なコメントです。ホワイトカラー層に関しては、欧米企業どころか中国企業に比べても給与が低いというのが上海における定評で、中国人からも、日系の人材会社からも聞きます。実際に米国系の人事コンサル会社の行っている給与調査を見ると、高級幹部の給与はすでに日本の日本企業の給与水準並みになっているようです。中国では給与の提示を手取り額ベースで行いますので、かなり高い社会保障や高額所得者の所得税等を考えると会社の人件費負担は日本より高額になっているケースも多い物と考えられます。

 一方、ワーカーに関してはそうかもしれません。また、ホワイトカラーでも能力に比べると実は欧米系や香港台湾系に比べても高くなっている可能性もあります。

 中国進出企業は、今年も日系企業の撤退案件が増えるという事で、地元の弁護士達はM&Aやリストラに絡んだ仕事が増えると鵜の目鷹の目です。確かに日本企業は弱腰なので、そうだろうなぁと思います。

 蛇足ですが自分の見聞きした事を(まぁ、これ以上の事例も実はあるかもしれませんので、あくまでも一個人の経験の範囲内の発言という事で)。

・アメリカで工場閉鎖した某大鉄鋼企業の先輩が、工場閉鎖に伴う労使交渉のときは弁護士に指示され、防弾チョッキをつけた上で両脇に弁護士を携えて交渉した。

・フィリピンとか南米では、日本人ビジネスマンの誘拐や殺人事件が発生している。

・インドネシアの建設現場では、作業員同士の喧嘩が殺人に発展した事例あり(ダム現場で貯水池に浮かんでいたそうです)。

・中国においては、殺人事件として耳にしているのは、シンセンにある邦銀の中国人社員が、債権回収に行った先で銃殺にあった(という噂を聞いたことがある)。

・上海では、2005年の反日運動の頃ソニーの社員が殴られた事が有る。但し、その社員の中国人社員に対する態度に相当に問題があった。ということで、日本人が殺された事例は聞かないので、その辺は比較的安心な国と思われる。

・解雇や清算に伴い従業員が集団になって行動する事は、かなり当たり前。囲まれるくらいの事は覚悟しておく事。必ず地元政府などの協力は得るように努力すべき。公安は余り頼りにならないが、囲まれたときの対策のために事前に関係作っておく事。社内不正行為に関しては、公安はノータッチ(かなりの幹部と関係があっても、結果的に介入してくれない)。

・解雇に伴う支出は、基本的に法令どおりで問題なし。但し日系企業の場合は揉め事を避けるために多めに支払う事例多し(こういう事例は、噂で横に流れるため、日系企業が舐められる一因となる)。一方、法令以下で修めようとする企業もあるが、労働仲裁に持っていったらよっぽど過小支払いをすべき証拠が無い限り法令どおりに支払わされる。弁護士は色々理由をつけてわざわざ訴訟に持ち込ませて、その手数料を取るように仕向けるので留意する事(弁護士費用と手間がかさむだけ)。

・基本的に清算の場合は、資産調査の為の会計士は必要。但し弁護士は不要。資産売却、交渉時に中国人の協力を得るくらいで十分。

 読者の方で、中国から撤退したい、清算したいという方がいればご相談ください。無駄なお金使わずに済みますから。あ、でも自分で対応するのは上海市内だけですけど、それ以外の地域でもアドバイスくらいはしますよ。苦労してますから。。

 広東省は怖いかも。拳銃が手に入るそうですから。。東北も殴り合いの喧嘩が日常茶飯事の気が荒い世界だそうで、ちょっと嫌かなぁ。上海を含む華東地区は口喧嘩やののしりあいは多いのですけど(一般的に中国人ってそうですね)、人を殴る
ことは少ないです。多分日本のほうが多いでしょう。
 
⇒以下記事:
パナソニックの従業員が幹部を軟禁!

 25日、とんでもない事件がパナソニックの北京工場で勃発したのだ。普段、スピーカーやチューナーづくりに忙しい工場が、抗議の場と化したという。

 パナソニック関係者は「この工場には820人ほどが働いていて、ほとんどが中国の人です。問題の騒ぎは、幹部社員が希望退職者を募る説明会を開いた直後に起きました。100人ほどの従業員がオフィス前に待機していて、日本のトップを含む複数の幹部に抗議をし、最終的には600人くらいの従業員が集まったようです。解放されたのは4時間後だったと聞いています」と状況をこう説明した。

 抗議の理由は、希望退職に不満を持ったためだ。パナソニックとしては、折からの世界的な大不況に見舞われて事業の効率化を迫られていた。希望退職を持ち出したのはこうした事情によるものだった。結局、経済的な補償をすることで話がついたというが、昔の労使の“闘争”を彷彿とさせる出来事だ。

 中国事情に詳しい財界人が言う。

「パナソニック側に法的な落ち度はなかったはずです。でも、中国の工場労働者の多くが貧しい内陸から来ているため、一時的ではあっても職を失うわけにはいかないという思いが強い」

 日本企業の給料が欧米企業より高いことも裏目に出ているという。

「欧米の現地法人は、基本的に給料を上げることをしないし、従業員が賃上げを要求しても一切認めません。かつての植民地政策の経験が生きているといえるでしょう。ところが、日本企業の場合、国内と同様に経験を積めば上げるし、騒げば何とかしてくれると足元を見られているから付け込まれてしまうのです」(前出の財界人)

 日本企業が欧米のようなマネはできそうにない。とすれば、これからも苦労が絶えないか。

(日刊ゲンダイ2009年2月28日掲載)http://news.livedoor.com/article/detail/4042697/
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