亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

悪かった注目の米12月小売売上高

2016年01月18日 23時50分16秒 | 金市場

先週末に、ここでも注目したいくつかの米国の指標。その大半は“良くなかった”というよりも悪かったという印象。とくに小売売上高。原油の下落でガソリン価格も大きく下げているので全体の売上がマイナスになるのは止むなしだが、コア指数と呼ばれる“食料品・自動車・ガソリン・建築材を除く数字”が、前月比-0.3%と市場予想の+0.3%を大きく下回ったことが意外性とともに失望感を呼ぶことになった。これは2015年2月以来の最低の数字でもある。

12月の前月比雇用者数が29万2000人増え、失業率も5.0%と完全雇用に近づく中で、ガソリン価格も低下、おまけに暖冬で外出の機会も多かったと見られる環境の中で、プラスを読んだ市場に対し小売売上高はマイナスに。アレレレ。

製造業関連の指標がドル高もあり軒並み低下している中で、頼みの綱はGDPの7割近くを占める個人消費に代表される内需。その強さが米国のここまでの(緩やかな)景気拡大を支えてきた。先行きの強さに自信を示す形で12月に着手されたFRBの利上げ。

そこにこの(株式市場が動揺する)結果。15日のNY株の下げには、本日18日がマーチン・ルーサー・キング牧師生誕祭の休みということから、連休前の売り(ポジション調整)が下げ幅を拡大させるというイレギュラーなものがあったのは間違いなさそう。こうした下振れの結果となる指標が増えるに従い、FOMCの見通しに対する市場の疑問も強まるだろう。もともと筆者は、3月の利上げは難しいかと思い、金の反発を読んでいるのだが。

15日の指標の低下を受けて、アトランタ連銀が独自モデルで算出して発表している「GDPナウだが、1月8日時点のプラス0.8%から15日には0.6%に下方修正されていた。月末にある本番の結果(2015年10-12月期速報値)はどうなるか。

週末土曜日は名古屋でセミナーでした。この失速を感じさせる指標の中で、ここまでの雇用統計の意外な数字についての質問には、年末の特殊要因と遅行指数ならではのこと、と応えました。


アトランタ連銀  GDP Now



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