連休明けのNY市場は、時間外のアジアの時間帯から荒れ模様となっている。アジアの午前の時点で10年債利回りが急伸し、現在日本時間の22時20分だが1.857%まで上昇。おそらく2020年1月以来2年ぶりの水準と思われる。
ただ、さすがにこれだけ跳ねると買いが入りロンドン時間からNYの早朝にかけては買戻しの動きに利回りは1.81%程度まで下げることに。それでも、長期金利上昇の背景にFRBの急なタカ派転換に対する警戒があるとみられることから、これから始まる本日のNY時間に、このまま収束するとは思えない状況。
米国株指数の先物もナスダック(1.7%程度下落)を中心に売られている。やはり、こうした急伸には狼狽売りが出るだろう。来週のFOMCまでに株式市場の状況がどうなるか。FRBは先週多くのメンバーが入れ替わり立ち替わり、引き締め策の前倒しを語ったが、市場の混乱が高まれば影響力の大きさを認識ということだろうか。 それにしても、債券市場の売りがどのようにもたらされたかが気になる。
この一連の流れの中で金市場の方は、アジア時間には1822.40ドルの高値を付け、長期金利上昇の中でも1820ドル近辺での取引となっていた。しかし、それもやはり売り優勢となり、アジアの午後からロンドンのオープニングさらに昼にかけて水準を切り下げ1808.50ドルまで下値を見ることになった。そこからNY早朝に反転し切り替えし1812ドルほどの水準で滞留したが、10年債が1.82%の水準に反発したNYオープニングには再び売り戻され804.70ドルの安値を付けた。
それにしても、1.8%台半ばの水準まで長期金利が急騰する中での この水準は、しつこいほど書くが底堅さを感じさせるものといえる。 金市場には株価の大幅調整とその後の景気の減速を警戒するヘッジの買いが入っていると思われる。それがどの程度のものかは、“相場のことは相場に聞け”ということだろう。
日本時間の明朝までの米金融市場が長期金利急騰の中でどうなるか見もの。