一昨日17日のタイトルに「シートベルトを」と入れたが、連休明けの18日に早速ボラ(変動率)が大きくなった。それが当たったとかではなく、言わんとしたのは、こうしたことが今年は増えそうだということ。18日は玉突き連鎖のような形で米長期金利の急騰につながり、最終的に株式市場の大幅な下げに帰結した。
以前から燻っているイエメンに拠点を置いているフーシ派をめぐるサウジを巻き込んだ衝突が中東地域での地政学リスクの高まりとして意識された。実際にUAE(アラブ首長国連邦)の石油施設がドローン攻撃を受けたとのことで、供給不安を意識した買いが入り原油価格が急騰。米国産原油WTIの価格は80ドル台半ばと2014年10月以来7年ぶりの水準に上昇し、インフレ懸念が再燃。前週に複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が引き締め策に積極発言を行ったこともあり、金融引き締めの前倒し観測が高まることになった。
これに反応し、米国債利回りは短期から長期まで全般的に押し上げられたということだが、久々の“風が吹けば桶屋が儲かる”図式の値動きの連鎖が起きたということか。
米10年債利回りが急伸し2020年1月以来の水準に達したことが、株安の引き金を引いたが、なかでもナスダック総合は大きく下落し、昨年11月19日に付けた終値ベースの最高値から約9.7%下落し調整局面入りを表す10%下落に接近。テクニカル的には200日移動平均線を2020年4月以降初めて終値で割り込んだ。昨年12月にナスダックに注目と何度か書いた。他の指数も似たようなものだが、特定銘柄群により指数が押し上げられ最高値更新が囃されていたが、それらが崩れると指数の下げも大きくなる。もっとも、18日はFRBのタカ派化を織り込む動きが一気に進み、一部に3月の利上げ幅が0.5%との見方も生まれるなど、センチメントの振れ方も大きくなっているので、値動きに慌てない方がいいではとも思う。
利上げ幅を50ベーシス(0.5%)にするなど、市場に不測の混乱を起こす可能性がありFRBのスタンスからは考えにくいからだ。株式市場が極端に荒れるなら、方針を変えてきた経緯がパウエル議長にはある。足元のインフレが落ち着くか否かにかかわるが、「市場を驚かすことはしない」というのもパウエルFRBの方針ではある。
まだ間に合う明日の70分間のオンライン・セミナー最終告知。ただし、有料です。
申し込み済みの方は、今夜から明日使用の資料のダウンロードができるはずです。