ギリシャとEUとの駆け引きが活発化している。
先週の各国歴訪を終え意向を伝えたギリシャのチプラス首相。今週から本格的な交渉が始まる。明日11日は臨時のユーロ圏財務相会合、そして12日に非公式のEU首脳会合が予定されている。それを前にギリシャ新政権は、8日日曜日に国会を開き、施政方針演説でこれまでの緊縮策を受け入れないという主張を確認した。つまり退路を断ったうえで、今週の交渉に臨むことを、(国民というよりもむしろ)EUに宣言したわけだ。
そこには、ギリシャには、EUはギリシャをユーロ圏から脱退させたくない(させると面倒なことになる)、したがって破たんさせない、させられないという見通しがあるとされる。もちろんボールを投げられたEUサイドも引かない構えだが、土壇場でどうなるか。まさにチキン・レースの様相を帯びてきた。
「支援を行う用意はあるが、支援が求められていないのであれば、それはそれで構わない」。これは昨日のショイブレ独財務相の言葉だが、1月27日のここで取り上げた発言とまったく変わっていない。仮にギリシャがユーロ圏を抜ける事態になった場合の市場の反応を気に掛けている内容の発言もあったようだ。ドイツは、波乱覚悟で、交渉に臨むのか。もっとも、こうした発言自体が、政治的駆け引きでもあるわけだが。
市場の波乱が、解決に向けた双方の背中を押すというパターンもあるかも。NYの株式市場関係者は、収まるところに収まり、多少の波風はあれ問題はない・・・という感じだが。
それにしてもギリシャでは、新政権の減税を期待して、先取りで納税をやめた国民が増えているという話が伝わっている。それゆえ、ここ数週間で税収が急激に減少しているとのこと。笑ってしまうくらいラテンなのだ・・・・。金市場も目先の方向感が取れない状況。