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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

流動化する中国

2008年05月15日 21時53分12秒 | トピック
ずれた断層の距離がなんと300キロに及ぶというのだから東京から名古屋を超える距離となる。今回の地震の規模はまさに大陸的。時間の経過とともに事態の深刻さと悲惨さの度合いが増してゆく。どう政府が対応しても不満は残る。

もともと選挙で選ばれた国民の代表ではなく共産党の中の互選(あるいは権力闘争)の末にトップに立つのが中国の首脳部。とりわけ胡錦濤・温家宝体制は革命第四世代と呼ばれ、革命時のヒーローでもなくむしろ革命を知らない世代ということで一般国民からすると従来のトップとは一線を画する点が指摘されてきた。したがって政権自体が世論の動向に敏感との見方がある。

ちょうど1年ほど前、中国では今に続く物価上昇が目立ち始めた矢先に豚肉が急騰するということがあった。中国では肉といえば豚肉をさすほどポピュラーな食材の価格上昇に際して(今回のように)温家宝首相が生産地を回って食肉価格の上昇の背景を探ったり、また農家に豚肉価格の引き上げにつながる行動は慎むように説いて回るということがあった。その直前に来日しており帰国してすぐにそうした行動を取ったが、日本で報じられることはほとんどなかった。今回の被災地を回る温家宝首相を報道で見て、そんなことを思い出した。この春の全人代では、習近平、李克強という50代前半の二人のニューリーダーが最高指導部入りし、胡錦濤政権の次、すなわち第五世代の政権の布石とされていた。ちょうど米国金融界がベアー・スターンズを巡り大混乱になっていた頃のことだった。いまは中国が大混乱に陥っている。

それにしても日本での震災にくらべ倒壊した建物の下敷きになった人たちに生存者が少ないようだが、建物の構造の違いというよりも“手抜き工事の横行”が指摘されている。こうした不満も政権に向けられるのだろう。そうなると、以前ならその矛先を外交的に外に(前政権ならば日本などに)向けたのだろうが、こうした諸々の要素からも今後の中国情勢はますます要注意になってきた。堂々と政府批判という、以前では見られなかった動きも指摘されている。

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