亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

シアター・シンドローム

2013年06月07日 23時47分12秒 | 金融市場の話題

日本時間昨夜のNY市場での為替相場とりわけドル円相場の乱調は、なにか具体的なニュースなり出来事があって値動きが加速したわけではない。後講釈的にECB理事会での追加策の後退などが指摘されているに過ぎず、例えばドル円であれば節目と見られる水準を突破して下げると(円上昇)次の売りを誘発という、既に金市場ではよく見かけるパターンが発生したものと思われる。

ストップロスが次々に発動というパターン。カネ余りの中でコンピュータープログラムに主導される取引の特徴のひとつが為替市場でも表れた。結局カネ余りで水膨れし、偏ったポジションが決壊というイメージ。カネの反乱。

(ファンドは別だか)こうした環境下での投資家心理としては、(何のニュースもない中での)理由(わけ)のわからない下げの中で、とにかく取引を解消しようという動きに出るため、さらに流れを加速させることになる。よく「シアター・シンドローム」と表現されるが、劇場の出口に皆殺到することで混乱はさらに大きくなる状況。

思うのは、こうした反乱はこれからまだまだ起こるということ。そして都合のいい為替の水準やインフレ率を導くといったコントロールは無理ということ。2年で140兆円ものばらまきを不退転の決意をもってやると中銀が宣言しても(ここまでのところだが)103円しか行かなかったのは、対外純資産世界最大の日本ならではということ。普通の国ならとっくに120~130円くらい行ったのではないか。まぁ、そういう国ならば、宣言自体不要か・・・・。しかし、それも過去の遺産を食いつぶししつつあるということなので、臨界点は来る。

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