亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

パウエル議長追加利上げの意欲をどう示すか

2023年07月26日 19時54分46秒 | 金融市場の話題

7月25日のNY市場の金価格は4営業日ぶりに小反発となった。NYコメックスの通常取引は前日比1.50ドル高の1963.70ドルで終了した。米連邦準備理事会(FRB)の政策決定を控え様子見ムードの中で、前日同様米長期金利やドル指数(DXY)の値動きに反応した取引に上下した。

このところユーロ圏の指標の悪化が目立っており、ユーロ売りが優勢となりドル指数(DXY)が強含みに推移しNY金の上値を抑えている。

 

25日は、ドイツIfo経済研究所が発表した7月の独企業景況感指数が87.3と3カ月連続で悪化し、市場予想(88.0)以上に低下した。リセッションからの回復が容易ではないことを示唆している。現況指数は91.3、期待指数は83.5でいずれも前月から低下した。ドイツは、前日24日にS&Pグローバルが発表した7月総合PMI速報値も好不況の分かれ目となる50を1月以来初めて下回っていた。

Ifo指数の低下を受けNY時間外の欧州時間にユーロ売り・ドル買いが進んだタイミングでDXYは一時101.648と2週間ぶりの高値を付けたが、NY金は逆に1951.60ドルと2週間ぶりの安値まで売り込まれた。ただし、終盤に向けユーロに買戻しの動きがみられ、DXYは前日比横ばいとなったが、NY金の方は終盤にプラス圏に浮上し、通常取引終了後の時間外で1967.10ドルのこの日の高値を付けた。

米国関連の指標では、米調査会社コンファレンス・ボード(CB)が発表した7月の米消費者信頼感指数は117に上昇し、2021年7月以来2年ぶりの高水準となった。所得や労働の短期的な見通しを示す「期待指数」も前月の80.0から88.3に上昇した。

 

日本時間明日未明(午前3時)に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定に関心が集まるが、2会合ぶりとなる0.25%の利上げはフルに織り込み済みとなっている。記者会見を通しパウエルFRB議長が追加利上げにどの程度意欲を示すかが焦点となる。

株式市場では、25日までにダウ30種平均が、6年5カ月ぶりとなる12営業日連続の上昇となるなど、過熱ともいえる状況に至っている。今回で利上げサイクルは終了との見込みを織り込んだものともされ、パウエル議長がいまの市場の「緩み」を察知し、クギを刺すとの見方もある。ややタカ派的発言になっても想定内であり、NY金にとってどの程度の下げで収まるかが焦点となる。

足元で利上げ継続方針を巡り、FOMCメンバー間で意見の相違が伝えられており、今回は3週間後に公開される議事要旨の方に、より注目が集まる可能性がありそうだ。

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