亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

コロナウィルス変異種に揺れる市場

2020年12月22日 22時11分01秒 | 金市場
週明けの金市場は、他の市場と同じように米上下両院で、新型コロナ追加経済対策(9000憶ドル)が超党派の賛成多数で可決する見込みとなったことを好感する買いの一方、英国での新型コロナウィルスの変異種の感染拡大への懸念から売りが膨らむ綱引き相場となった。。

英国での新型コロナウィルス変異種感染の広がりに対し、英政府が20日からロンドンでロックダウン(都市封鎖)に踏み切り、欧州を中心に40カ国以上が英国からの入国禁止措置を取った。英仏を結ぶドーバー海峡ではトラックなどの往来が制限され、物流が止まったことから経済に深刻な影響が予見され、金融市場は荒れることに。そもそも英国とEU間のFTA(自由貿易)の話し合いのこう着状態が続き、英ジョンソン首相が通商合意なき離脱を覚悟するように国内に訴えかけたことから、無関税の今のうちにと駆け込み輸入が増えていただけに、混乱度合いが増すことになったようだ。むしろこの事態で、離脱協議上の妥協が進むとの穿った見方もある。

もともと新型コロナを巡り、広く市場全般で変異種の登場がリスク要因として意識されていた。それが現実のものとなった。これまでもいくつかの変異種は伝えられていたが、今回は感染力の強さからリスク要因として市場の反応が大きくなったとみられる。その後、世界保健機関(WTO)やファイザーなどワクチン開発社が、変異株に対してもワクチンが有効との認識を示したこともあり、過度な懸念が和らいだとされる。実際に21日のNYダウ30種は、一時400ドル超下落したが、午後に上げに転じ最終的にはプラス圏で取引を終了した。南アでも英国とは異なる変異種が見つかっているとされ、予断を許さない展開が続きそうだ。

米国の追加経済対策については、21会計年度の予算案ともども期限切れギリギリで成立となったのは、市場の読み通り。ただし、さすがにここまで引っ張ったことで、市場では織り込みが進んでおり、金市場では目立った反応は見られていない。

本日は米国関連で7-9月期国内総生産(GDP)確定値、12月消費者信頼感指数、11月中古住宅販売件数、11月リッチモンド連銀製造業指数と注目指標の販票が続く。おおむね予想の範囲内と思うが、消費者信頼感指数がどうなるか。



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