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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ウイルス変異騒動、PGM(白金族)のロジに影響は?

2020年12月23日 20時26分42秒 | 金市場
引き続き英国発の新型コロナ変異種ウイルス騒動でのドル高が金の売り要因となったとされる。といっても、22日はアジア時間からNYの通常取引の時間帯を通し1880ドルを挟み上限10ドル幅の取引で推移し、終盤のNYで下値を探る流れとなった。たしかにドルインデックス(DXY)が反発していたので、アルゴリズムでファンドの売りが出たのだろう。ホリデーシーズン入りといっても、米国議会はじめ欧州もクリスマスどころではないので、今年はやはり特殊な年末になりそうな気配ではある。もっとも、日本国内も新型コロナ感染が連日、1日の新規感染者数が過去最大を更新しつつ推移しているので、やはり経済は収縮は避けられず、株価だけひとり旅という展開か。

フランスが英国からの船や陸路での入国も禁じたことから、ドーバー海峡を挟んで物流が止まり、トヨタが英国とフランス双方の工場の操業を止める事態に。昨日ここで触れたが、もともと欧州連合(EU)と英国間の貿易協定移行期間が年末で切れる中で、両者間の話し合いがこう着状態にあることから、駆け込み的な輸出入も増えていた折のこと。影響が大きくなったとみられる。

主要国は軒並み英国からの航空便の受け入れを停止。多くの国・地域で英国からの渡航を禁止する国が相次いだが、気になるのは南アでも新型コロナ変異種の広がりが指摘されており、WHOによると英国とは別のタイプとの報道があること。英国への対応と同様に南ア便の運航受け入れを止めたり制限されると、PGM(白金族)のロジスティクス(供給)に問題が起きないかという懸念が出てくる。今のところ、たいした騒ぎにはなっていないので杞憂に終わればいいが、要注意かと。。。

ちなみに米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、新たな英国型変異ウイルスについて過剰反応すべきではないとしつつも、すでに米国に入っている可能性があるとしている。

昨夜の更新時の最後に、消費者信頼感指数がどうなるか、としたが悪化を予想していたが、やはり悪かった。

コンファレンスボードが発表した12月の消費者信頼感指数は、97.0への上昇とした市場予想に対し、結果は88.6への低下となった。11月分も96.1から92.9へと下方修正された。低下は2カ月連続で、8月以来の低水準に。11月に入って以降、新型コロナ第3波が猛威を振るい、活動規制が復活する中で、中小企業支援策などが夏に失効したまま追加経済対策はこう着、企業は業績悪化から人員整理を再開せざるを得ない状況となった。指数の細目で、「職が十分」とみる向きと「就職が困難」とみる向きとの差はマイナス0.2と前月の6.9から大きく低下しマイナス圏に。この指標は労働省が発表する失業率と連動性が高いとされ、年初に発表される12月の雇用統計の悪化を示唆する内容との指摘がある。ワクチン接種拡大のニュースが流れる一方で、爆発的な感染拡大(先週の米国は1日で25万人超の記録)は、さすがに今後発表される指標の悪化は避けられずという流れになりそうだ。もっとも、FRBはじめ既に警戒モードに入っているのだが。

そんな状況の中で、日本時間の本日午前に飛び込んできた「なぬ!?」というニュースが、任期残り少ない現職米大統領からみのもの。21日に9000億ドル規模の追加経済対策を何とか可決した米国議会だが、直接給付金の引き上げや無駄な支出の排除などの修正を加えないと、法案にサインしない、つまり拒否権発動の可能性を表明。追加支援法案については、この日先立ってバイデン次期米大統領が演説し、9000憶ドルの経済対策を「頭金」と呼び、「単なる第一歩にすぎない」とし、1月20日の新政権発足直後に新たな経済対策を打ち出す考えを表明していた。ツィッターでの動画を通した大統領演説の形を取ったトランプ大統領の意思表明は、この発言に対抗し、存在感を発揮したということか。超党派の合意で可決しているだけにノイズで終わりそうだが、手続き(施行)に遅れが出る可能性がある。年明け1月5日のジョージア州上院決選投票が控えていることも、双方の発言の思惑にありそうだが、最後までドタバタは続きそうだ。

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