亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金急反発 金市場版ブラック・フライデー、サイバー・マンデー

2020年12月02日 20時14分47秒 | 金市場
 さて昨日の続きのような書き方をするならば、12月1日のロンドンの昼前、NYの早朝に200日移動平均線が位置する1800ドルを越えたNY金は、一定のモメンタムを伴って1810ドルにタッチ。そのままジワジワとNYの昼過ぎには1820ドルを越えたところでこの日の買いは一巡ということになった。結局、200日線を20~30ドルほどディスカウントとなった価格は、2営業日でその状態を解消ということになった。前日比で38ドル、2.1%の上昇は、月初5日に開票途中経過からブルー・イルージョン(ブルーウェーブか実現か!?)が起きた際の50.6ドル高以来の上げ幅、上げ率となった。遅ればせながら金市場版ブラック・フライデー、サイバー・マンデー到来という展開に。目先はどこまで戻れるのかということに。

本日3日のアジア時間は、さすがに売りが先行し、午後に入って1810ドルに接近するところまで売られたが、買い意欲も強く反転。そのまま昨日と同じような経路をたどりながら、日本時間の夕刻にはプラス圏に浮上し、執筆中の現在はNYの早朝だが1830ドル台に乗せている。

買い要因として意識されているのは、直接的には1日に浮上した米議会の超党派グループが9080憶ドル(約95兆円)の新型コロナ救済法案を提出したこと。中小企業や失業者、航空業界などへの新たな緊急支援を巡る話し合いが、この夏からこう着状態にあり、11月の選挙前に折衝が活発化したものの予算規模で折り合えないまま今日まで時間が経過している。当時から超党派の動きは見られていたが、さすがに年末接近でこの春に施行された救済策で年末に失効するものもあり、このまま放置できぬと動き出したもの。それを見て、共和・民主両党の議会指導部も重い腰を上げて、ならば交渉再開と動き出す気配。

タイミングよくというか、超党派の動きがそれに合わせたと思われるが、この日、バイデン前副大統領はイベントを催し自身の経済チームの陣容を発表。次期財務長官に指名されたイエレン前FRB議長は、「迅速に行動することが不可欠だ。行動しなければ自己増殖的な低迷を招き、一段の荒廃を引き起こすことになる」と訴えることに。バイデン新政権の大型支援策・大型投資を予見させるももので、金市場には親和性の高い内容といえ価格の刺激要因となっているというわけだ。

早急な支援策が求められる状況は、週末4日の米雇用統計が注目だが、NFP(非農業部門就業者数)は予想数字が割れている。本日発表のADP全米雇用がまず、どうなるか。先行して増加(悪化)している明日3日発表の週次の失業保険新規申請件数がどうなるか。足元の爆発的な感染拡大の影響を見ることになる。

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