亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

爆発的感染拡大と米株最高値更新の並立

2022年01月04日 21時17分55秒 | 金融市場の話題

22年の取引が始まったNY市場。伝えられているようにアップル株が一時時価総額で3兆ドル(約340兆円)を初めて突破。日経が伝えるところでは、東証1部の半分に近いというのだから、アップルの凄さより、よくもまぁ、そこまで買い上げたもんだ・・・というのがニュースに接した第一印象だった。

もっとも、アップルがキャッシュや流動性の高い債券を21年9月時点で約1900憶ドル(約20兆円)も抱え、おまけに配当や自社株買いなど株主還元策に熱心というのだから、買われるだろうな・・とも。さらに自動運転EVや(間違いなく)メタバース(仮想空間)関連の開発にも乗り出していると思われるのも、さらなる成長性を感じさせ、割高でも手を出しやすいのだろう。引き潮の2022年金融市場の中で一種の前向きな(?)ディフェンシブ銘柄といったところか。

古い経験則からは、こうした派手なニュースが飛び出し、皆さらなる上昇を確信する際にピークアウトが近いというのもある。

いずれそうした事態に至るのだろうが、それが今なのか先のことなのか誰にもわからない。時間を切ったピークアウト予想を繰り返し、何度も外しながら当たった際に、「ワタクシハ、テキチュウサセマシタ」と声高に訴える専門家がいつの世も登場する。そうした専門家を担ぎ上げて商売しようという人々も現れるのもパターン。

もちろん予想をすること自体を悪いという意味ではないので、誤解のなきよう。かくかくしかじかで自分はこう思うと示すことは、一つの方向性や見方を提示することで、受け取る方にも判断材料を与えるという点で意味のあることだと思う。「かくかくしかじか」の部分に、合理性と納得性が求められる

話を戻すと、年始から米国株はダウ30種とS&P500種が過去最高値を更新して取引を終了。これを書いている本日現時点でも、それぞれ先物でもプラス圏で取引されている。5日も続伸となるのか否か。

しかし、日本時間の今朝見た米ABCのニュースでは、オミクロン株の米国内での1日当たりの感染者数が週平均で40万人を超えて過去最大を更新中としていた。実際に昨年末12月29日は1日で48万6428人と50万人に迫っていた。子供の入院患者が増えているとされる。全米で教職員の10~15%が感染し、隔離中ともしていた。ただし、すでに伝えれているようにデルタ株に比べ症状が軽いとされ、隔離期間は当初の10日から5日間に短縮されている。 デルタ株から毒性の弱いオミクロン株に感染が置き換わることで、集団免疫が獲得され収束につながるとの指摘がある。

こうした見方は時間が答えを出してくれるが、足元で米国政府も市場もそのような方向に進んでいるということだろう。さすれば夜明け前が一番暗いということか。

新型コロナに関しては、ユーラシア・グループが掲げた2022年の10大リスクに中国が感染阻止に失敗するというのがあり、自分としてはなるほどと思った。その理由が感染力の強い変異型に対して、中国が開発したワクチンでは太刀打ちできないということ。これはありそうだ。つまり、米国やその他で沈静化が見られたとしても、中国国内で今後感染が広がり、ロックダウンなどが起きれば、中国自体の問題にとどまらず世界経済への影響も考える必要が出てくるわけだ。こうした視点も必要だ。

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