亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

続:驚きの数字

2006年02月20日 19時41分56秒 | 金市場
昨日取り上げた外国投資家の「対米証券投資」の新しいデータが出ていた。それによると上方修正されて2005年通年で1兆485億ドルと過去最高は言うまでもなく、初めて1兆ドルを超えていることが判明した。結局、前年比14%増。背景は民間部門の買越額が前年比で37%も増えたことによるが、結局「原油高で膨らんだ中東マネーの流入」という表現になる。はっきりいって、この買越額が上方修正されたからといって、昨日書いた論点に変わりはない。所詮(といえば語弊があるが)投資マネーなので、いつ矛先を変えるかも知れず一皮剥けば脆弱(ぜいじゃく)であることに変わりはない。ただ、ドルなら大丈夫だろう、と。換金したいときいつでも換金できて(流動性)、他より有利に運用できる(他通貨との比較で高金利)、だからドルを選んでいるわけだが、“条件が変われば、どうなるかわからんよ”ということ。

同時に発表された05年末の各国別米国債保有残高で日本が飛びぬけて多いのは、いまさらだが(6850億ドル)、3位英国(2344億ドル、+130%)4位にカリブ金融センター(1112億ドル、+55%)となっていた(言いたいのは増加率)。これヘッジファンドなどが米国国債を買い増していることを示している。1年前の京都の勉強会で話をした記憶があるが、米国の巨額の財政赤字の無視できない部分が(状況によっては)逃げ足の速い資金に頼っているということ。こういった事実が、結局、「少し金でも買っておこうか」ということにつながるわけ。・・・でその「少し」が金市場にとっては「たくさん」ということになる。市場規模が違うんだよね。プール3杯分なんて、“たか知れ(高が知れてる)”なんだ。

最近、貴金属の海外情報サイトのひとつKITCOのアクセス不能状態が頻発しているんだけど、それだけヒット数が上がったということなんだろうか?

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