亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

バブルへの路

2005年08月13日 11時00分14秒 | 金市場
注目の6月米貿易収支は588億ドルの赤字で史上3番目の規模・・・といっても予想の範囲。原油価格の上昇でもう少し高めに出るのかと思っていたので、こんなもんでしょ。日経では上半期の赤字が最大になったことを取り上げている。これだけの赤字を出すほど米国景気は好調を維持しているといえるが、果たしてどこまで膨らませることができるのか、というのが、いつものテーマ。

やはり原油の上昇が止まらない。NY株もさすがに下げざるを得ない連騰ぶり。昨日書いたように、これまで関心を示さなかった筋まで、運用対象にエネルギー関連も入れねばという風潮が高まってきている。この先多少の波風はあって当然。しかしこの上昇トレンドは続きそうだ。そして、原油高はOPECなど生産者サイドの問題よりも需要に対応できない精製設備不足の問題で、これは構造的な問題であって、原油は上がらざるを得ない、というふうに買い材料としてこの分析がますます正当化され、バブルへの路をひた走る。

金価格はロンドン時間にスポット(現物)で450ドルに突っかけるほど強さを持続していた。しかしNYの後半で利食い売りに押された。きのう日経マネーのほうで書いたが、「この上を誰が買う?」状態にやはりなっていると思う。回転が利けば残の多さも気にならないのは株式市場と同じだが、目先筋を中心に一斉にGoldに飛び乗ってきたね。今朝発表された買い越し量は366トンで予想通りだが、昨日現在では史上最高規模の450トンくらいにはなっているだろう。新値突破前に、修行が足りんから“もう一度出直しておいで”と言われるのではないか(・・・誰に?)。
ところで一昨日のベルギーの売却に関し、2次ワシントン協定の売却枠は9月末までに500トンのところ、ここまで494トン消化済みになったと見られている。ここからは公的売却も限定的ということだが、さらにドル安でも進まない限り一気に関門突破は難しかろう。このシナリオが崩されるか否かが、過剰流動の見極めにもつながるのだよ。

原油の行く末が米住宅部門と同様、見ものだ

世の中お盆休みの中、コントラリアンは仕事をするのだ。

(添付のグラフは20050812付けウォール・ストリート・ジャーナルのもの{米貿易赤字の推移」)

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