亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金はある、しかし金貨はない

2008年11月22日 22時19分53秒 | 金市場
ウィーン金貨で知られるオーストリア造幣局が3交代制24時間操業で金貨の鋳造に追われているというニュースは、1ヵ月ほど前に伝えられたが、オーストリアではなくオーストラリアも同じ状況とのこと。オーストラリアの西部の風光明媚な街パースにあるパースミント(パース造幣局)は、日本でも販売されているカンガルー金貨を鋳造している。これまで週7日、3交代制で24時間操業で対応してきたが、それでも注文をこなせず1月まで注文を受けるのを中止することになったという。注文増加の目立つのがヨーロッパとのこと。確かに9月後半から(すなわちAfter Lehman Brothers)ヨーロッパで金融機関の経営問題が連鎖的に表面化し、ロンドンでもフランクフルトでも金貨の売れ行き急増という現象が伝えられていたが、ロシアやウクライナ、中東と広がりを見せている状況。リテール(小売)用のコインや地金がこんなに売れたことは過去になく(過去といっても歴史は浅いが・・・)キャパを軽く超えてしまっているということ。金はある、あるけれど金貨や小口の地金はない。しかし、ここまで続くとジワジワと効いてくる。

ところで来週月曜日にはオバマ政権の金融経済チームのメンツが発表されるとの報道。財務長官に有力候補として名前が挙がっていたガイトナーNY連銀総裁が就任予定との新聞辞令にNY株は反応。ダウは500ドル近く上昇して、8000ドル回復。しかし、この中でシティは続落。この日も20%の下落。といっても既に絶対値が低いので94セント下げて終値は3.77ドル。高値から90%の下落。今週に入り60%もの暴落状態。経営サイドが何をやっても、何を発表しても下落を止められなかった。明日11月23日には、急遽状況を訴える新聞広告を幅広く実施することにしたと伝えられている。

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3 コメント

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ようやく供給されてきているようですが (fairlane)
2008-11-23 01:44:25
少し前から比べると供給量も増えてきたように思います
しかし店によって値段のばらつきがすごいですね
英国の店では1オンス1000ドルなんて平気で付けてますし

しかしここは安いので驚きました
http://www.coloradogold.com/
1kgでプレミア1%というのは最近見たことがないですね

別の記事で読んだものでは、今地元の業者に頼むと16週間待ちだと言われたとか。

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ポートフォリオ (goldencup)
2008-11-23 10:04:36
世の中 危うい方へ 向かってますが

これからは 金価格の 上下は全く 問題ではなく 

自己金融資産に対して 金が 何割位 占めるかが 

一番の 問題ではないでしょうか ・・・?

ちなみに 私は これからも 50% を キープして

行きます。


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Unknown (こがねむし)
2008-11-23 12:48:27
実物資産へはわかりますが、こういった投資行動は何を意味するんでしょうね?
多数が意識をしはじめということで、本当に危うい状況となるのか、なんか不気味です。


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