飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム~紅葉、かえるて(カエデ)

2010年02月18日 | 万葉アルバム(自然編)

我がやどに もみつかへるて 見るごとに
妹(いも)を懸(か)けつつ 恋ひぬ日はなし  
   =巻8-1623 大伴田村大嬢=


 家の庭の紅葉した楓(かえで)を見るたびに、あなたのことを思って、恋しくないなんて日はありませんよ。という意味。

妹(いもうと)の坂上大嬢(さかのうえのおおいらつめ)に贈った歌。

 大伴田村大嬢は大伴宿奈麻呂の娘。
妹の坂上大嬢は、いとこ大伴家持の妻となり、天平18-天平勝宝3年(746‐751)の夫の越中守在任中に任地におもむいている。遠く越中にいる妹を思って歌った歌9首のうちのひとつ。

「もみつかへるて」とは、もみじする楓のこと。
「かへるて」は蛙の手に似ていることに由来しており、「る」が省略されて「かえて」すなわち楓と呼ばれるようになったようだ。

『万葉集』に詠まれた「かへるて」はこの歌を含めて二首のみ。

 日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジである。最もよく見られるカエデ属の種で、紅葉の代表種である。

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