南淵の 細川山に 立つ檀(まゆみ)
弓束(ゆづか)巻くまで 人に知らえじ
=巻7-1330 作者不詳=
南淵の細川山に立っている檀の木よ。お前を立派な弓に仕上げて弓束を巻くまでその所在を人に知られたくないものだ。という意味。
南淵は奈良県明日香村稲淵の上流、細川山は明日香東南方細川に臨む山。
「弓束巻く」とは左手で弓を握りしめる部分に桜の樹皮や革を巻きつけて握りやすくすることで、弓の仕上げの作業のことをいう。
檀(まゆみ)は、山林や野原などに生えている秋には赤い可愛い実をつけるニシキギ科の落葉低木。葉はその年に伸びた緑色の枝から生え,大きさは5~15cmで表面はつるつるしている。初夏に枝の前の年にできた部分から伸びた小枝に咲く。昔,この木から弓を作ったことから真弓(マユミ)という。しなやかで強い幹を弓の材にしたことによる名。
この万葉歌碑は千葉県袖ケ浦市の袖ヶ浦公園内の万葉公園に建っている。
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