高円(たかまと)の野辺(のべ)の秋萩いたづらに
咲きか散るらむ見る人無しに
=巻2-231 笠金村=
高円山の野のほとりの秋萩は、空しく咲いて散っているらしい。もう見る人もいないのに、という意味。
「梓弓(あづさゆみ) 手に取り持ちて・・」と葬列のたいまつの送り火を切々と歌う野辺送りの長歌(巻2-232)につづく反歌で、万葉集を代表する晩歌のひとつである。
霊亀(れいき)元年(715)に志貴皇子が亡くなったのを悲しんで詠んだ歌の一つ。
白毫寺は志貴皇子の屋敷があったところとみられ、石段わきに咲きこぼれる秋萩は見事だ。
現代の萩の寺の名所のひとつである。
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