筑波嶺の 新桑繭(にひぐはまよ)の 衣(きぬ)はあれど
君が御衣(みけし)し あやに着欲(きほ)しも
=巻14-3350 東歌=
筑波嶺の新しい桑の葉で飼った蚕の繭の着物はあるけれど、あなたの着物が無性にきたいものよ。という意味。
「新桑(にひぐは)」は、桑(くは)の新芽のこと。新桑(にひぐは)で育てた蚕で作られた絹の衣は高級品だったようだ。繭(まよ)は、蚕(かいこ)のまゆのこと。
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この万葉歌碑は茨城県下妻市の大宝八幡宮の境内、若宮八幡宮の狛犬の裏側には万葉歌が刻まれている。
正面向かって右(写真では左側になる)の狛犬台座に万葉仮名で、左の狛犬台座に現代語訳で。
碑文(正面向かって右の狛犬台座)
筑波祢乃 尓比具波麻欲能 伎奴波安礼抒 伎美我美家思志 安夜尓伎保思母
或本歌曰 多良知祢能 又云 安麻多伎保思母
平成18年1月元旦の建立とある。
大宝八幡宮は大宝元年(701)に藤原時忠公が筑後の宇佐神宮を勧請創建したのがはじまり。平将門も戦勝祈願のためたびたび参拝し、源頼朝は奥州征伐平定の日に鎌倉の鶴岡八幡宮若宮を勧請し、摂社若宮八幡宮を創建したとされる。
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