春されば まづさきくさの 幸(さき)くあらば
後(のち)にも逢はむな 恋ひそ我妹(わぎも)
=巻10-1895 柿本人麻呂歌集=
春が来るとまず咲き出す三枝(さきくさ)のように無事でいたなら後に逢えるのだから、そんなに恋しがらないでおくれ、わが妻よ。という意味。
「さきくさ」は現在の「みつまた」で樹皮は強く良質で和紙の原料になるが、寒い冬に真っ先に玉のような花をつけ、枝が三本ずつに分かれて成長していくので、それを「三つずつ割ける」から、「さきくさ」と言われたようだ。
この万葉歌碑は名古屋の東山植物園にある万葉の散歩道に立っている。(2010/12/24写す)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます