飛鳥への旅

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中将姫説話 インターネットの世界:電子化された和古書

2009年12月26日 | 中将姫伝説を訪ねて
 大学の付属図書館などで所蔵している和古書などの電子化が進められて、一部インターネット上で公開されている。
この中から、中将姫説話に関する電子化された和古書を調べた結果、以下のサイトから見つけることができた。
 特に1.広島大学所蔵 奈良絵本「中将姫」は、画像のほかに本文および翻刻(崩し字で書かれた文献を楷書になおして一般に読める形式にすること)も表記されているので、親切でわかりやすい。
電子化されている14点程の奈良絵本も同様の試みがされている。

1.広島大学所蔵 奈良絵本「中将姫」

 広大本は奈良絵本2冊。諸本は写本の形で伝わるものと、慶安4年に出された絵入り版本とが見られる。広大本と同じく写本2冊で伝わるものに国会図書館蔵本、慶應義塾大学斯道文庫蔵本(下巻のみ存)などがある。
 お伽草子、曼荼羅の絵解きの語り口をそのまま取り入れている。良家の婦人たちの娯楽教訓的なものだったようだ。

2.九州大学付属図書館所蔵 奈良絵本「ちうしやうひめ」

 近世初期写、上中2巻2冊(下巻欠)
 本書は広島大、実践女子大、多久市立図書館等に蔵される近世初期の書写になる奈良絵本に近い体裁を持つが、本文はやや異なる。

3.奈良女子大学附属図書館所蔵 「中将姫一代記」

5巻5冊。絵入の読本。刊記は寛政13(1801)年。権河道人による序文。書肆は、須原茂兵衛(江戸)・大野木市兵衛(大坂)・脇坂僊治郎(京都)・吉田新兵衛(京都)。「中将姫行状記」(享保15-173 0)を改題したもの。
このサイトには翻刻文が別ブラウザで開く機能がついている。
この版本は私が所蔵しているものと同じものである。
  →中将姫説話コレクション4 および 中将姫説話コレクション5

4.東京大学附属図書館霞亭文庫 「中将姫本地」

 お伽草子の再生品。武家対象の啓蒙教訓もの。

5.東京大学附属図書館霞亭文庫 「ちうじやうひめの本地」

 4.と類似の内容のものであろう。

6.大阪大学附属図書館赤木文庫 古浄瑠璃「中将姫御本地」

 江戸、鱗形屋孫兵衛板。
鳥居清信の挿絵をもつ説経半紙本のシリーズの一本と考えられる。
謡曲「当麻」と語句の類似あり、能の存在が浄瑠璃の源流のひとつの例。

7.野田市立図書館蔵 読本「中将姫物語」

 刊行年:嘉永5年(1852年)

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