大坂を 我が越え来れば 二上に
もみじ葉流る しぐれ降りつつ
=巻10-2185 作者不詳=
やっと峠を越えてきたのに、二上山は時雨が降りしきり、せっかく色づいた木の葉が散ってしまう。という意味。
「大坂」は奈良県北葛城郡二上山の北方を越える坂で、竹内峠であると思われる。
推古天皇21年(613年)冬11月、「難波より京へ大道を置く」と最古の官道の建設を示す記載が日本書紀にある。これをほぼ踏襲しているのが、竹内街道。二上山の麓の竹内峠を超えて大阪と奈良を結ぶ道・・悠久の歴史とロマンにあふれる道である。
聖徳太子もこの峠を越えて四天王寺と飛鳥を往復したとされる。また、遣隋使などの使節もこの峠を越えて飛鳥京を訪れた。当時は難儀をしてこの峠越えをしたのであろうか。現在は峠のすぐ北を深く掘り下げられ、国道166号が通っており、面影は薄れている。
この万葉歌碑は二上山雌岳山中に建っている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます