ひさかたの 天の香具山 この夕
霞たなびく 春立つらしも
=巻10-1812 柿本人麻呂=
天の香具山は、今日の夕方、霞がたなびいている。春がすがたを現したようであるよ。という意味。
ひさかたの(久方の)は「天」の枕詞。季節の到来を告げる山として仰がれたようだ。
香具山は大和三山の中で、唯一「天」の冠がついており、天から降ってきたとの伝承があるようだ。152m程の低山なのだが、霞がたなびく特別の存在だったのだろう。
天香山神社は香具山の北麓にある神社だが、ここまで登ってもむかし舒明天皇が国見をしたような見通しのよい景観がある場所は見当たらなかった。
霞たなびく香具山(1887/11) 写真の時期は春ではなかったが、霞がかった山は幻想的だった。
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