飛鳥への旅

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万葉アルバム(関東):埼玉、越谷 県民健康福祉村 うけら(オケラ)

2011年11月03日 | 万葉アルバム(関東)

恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の
うけらが花の 色に出(づ)なゆめ
   =巻14-3376 作者不詳=


恋しかったらせめて袖を振って合図するぐらいにしてほしい。武蔵野のウケラの花のように色に出さずに、という意味。

うけらを歌った東歌が4首あり、うち3首は武蔵野の歌である。
武蔵野の花の代表みたいになっている。


「うけら」は今はオケラといっているキク科の植物。秋に白か淡紅のアザミのような花が咲く。長い根茎は乾燥しておき、煎じて飲むと胃腸病などによくきくといわれている。山菜として美味で、香気があり邪気を払うのでお正月のお屠蘇(とそ)の主材料に使われる。
京都祇園八坂神社の『おけら祭り』、大晦日から元日にかけて、社前でおけらの根を入れて篝火(かがりび)を焚く。参詣人はその火を縄に移して消えないように振りながら持ち帰って神棚や仏壇の燈明に点じ、また元日のお雑煮を作る際の火種にし、一年の無病息災を祈る。おけらは”厄除け”の植物でもある。

 「万葉植物園」(右手に万葉歌碑)
 この万葉歌碑は埼玉県越谷市の県民健康福祉村の「万葉植物園」に建っている。
県民健康福祉村は、総敷地面積21.8haというとても広い公園で健康増進のための施設があちこちに点在している。公園の外周に走るサイクリングコースが1周2,020m、ジョギングコースは1周1,850mもある広さ。
芝生広場の南側に「万葉植物園」と名づけられた森があって、里山の雰囲気を味わうことができ、万葉集にちなんだ植物と、その歌のプレートが置かれている。

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