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思ひあまり いたもすべなみ 玉だすき
畝傍の山に 我れは標(しめ)結(ゆ)ふ
=巻7-1335 作者未詳=
思いあまって何とも仕方がなくなり、畝傍山に、私のものだというしるしを結び付ける。という意味。
「たまだすき(玉襷)」は美しい襷(たすき)を頚(うなじ)に掛けるという意で、「頚(うなじ)」と同じ音を含む「畝火(うねび)」にかかる枕詞。
「標結ふ」は場所の領域を示し、縄などで結んで印(しるし)としたり木をたてたりして立ち入りを禁止することをいう。
この歌の作者は標を結い、恋の成就を畝火の山神に祈ったと思われる。
好きな相手が自分にはどうすることもできない人なので、一途に神頼みに。
この万葉歌碑は奈良県橿原市大谷町の畝火山口神社(おむねやまくちじんじゃ)にある。
この神社は畝傍山(畝火山)の山麓に位置し、この地で応神天皇が産まれたという言い伝えがある。
御祭神は応神天皇の母、気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)・豊受姫命(とようけひめのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)。
参道の傍らには国学院大学教授樋口清之氏によるこの万葉歌の歌碑がある。
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