飛鳥への旅

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万葉アルバム(奈良):山の辺、巻向山

2010年02月25日 | 万葉アルバム(奈良)

穴師川(あなしがは)川波立ちぬ巻向(まきむく)の
弓月(ゆつき)が岳に雲居立てるらし
   =巻7-1087 柿本人麻呂歌集=


 穴師川に川波が立っている。巻向の弓月が岳に、雲がわき立っているらしい。という意味。

「穴師川」は巻向川の別名。「弓月が岳」は奈良県巻向山の最高峰。
『柿本人麻呂歌集』は、万葉集編纂の際に材料となった歌集の一つ。人麻呂自身の作のほか、他の作者の歌や民謡などを集めている。

人麻呂歌集の中に雲を詠める歌二首があり、川が音高く流れるさまに対比させて、その川のほとりに聳えている山の端に雲の立つ様子を詠んだもの。自然の事象を雄大にとらえているとして、斉藤茂吉らアララギの歌人らが高く評価した。茂吉らは、これらの歌を人麻呂のものではないかと解釈したようだ。

この万葉歌碑は、奈良県桜井市箸中車谷に、板画家棟方志功の手になる非常にめずらしいもので、万葉歌の上部には風景画も刻まれている。



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