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味酒(うまさけ)三輪(みわ)のはふりの山照らす
秋の黄葉(もみち)の散らまく惜しも
=巻8-1517 長屋王=
三輪(みわ)の神に仕える人が奉仕しているその山を照らしている秋の黄葉(もみち)が散ってしまうのが惜しいことよ。という意味。
「味酒」は「三輪」にかかる枕詞。「はふり(祝)」は、神に仕える人(神職:しんしょく)を指す。
長屋王(ながやおう)が、まだ藤原京に住んでいた若いころに詠んだ歌といわれているが・・・。この歌には、なにかを託しているような気がする。
奈良そごうを建設するときに広大な敷地が出てきた。長屋王邸であった。
歌の作者の長屋王は高市皇子(たけちのみこ)の子で、母は御名部(みなべ)皇女(天智天皇皇女)。妻は吉備内親王(きびないしんのう)(草壁皇子(くさかべおうじ)の娘)。王は藤原不比等没後の左大臣だった。しかし藤原氏の陰謀によって謀反を密告され、藤原宇合(ふじわらのうまかい)らの率いる軍勢が長屋王の邸宅を包囲して、即日死を賜り、妃の吉備皇女もあとを追い、二人の遺骸は生駒山に葬られた。
この歌には別のうがった解釈がある、
黄葉(もみじ)は紅葉のことで、万葉集ではほとんどが黄葉を使っているが、長屋王に黄文王(きぶみのおう)という息子がいて「味酒 (うまざけ)」の「ウマ」は藤原宇合の「ウマ」にかけて黄文王を助けて欲しいと願ったのでは? 。
実際、黄文王は藤原不比等の外孫だった事もあって死を免れている。
大神神社(おおみわ)は三輪山を神体とする最古の大社で、大神大物主神社、三輪明神ともいわれて大和一の宮としてあがめられ、酒、薬、方除けなどの神として信仰を集めている。酒屋さんの商標となる杉玉はここでつくられ配布されている。
写真の杉は「巳の神杉」として祭られている。
歌碑はもと山辺の道・狭井川近くにあったが、近年になって大神神社宝物殿の右側に移設された。
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