モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

猛暑日の鳥海山4(2023年8月9日)

2023年08月27日 | 鳥海山/鉾立・夏

(本頁は「猛暑日の鳥海山3」の続きである。)

鳥海山はセリ科の多い山だ。
この科の花はどれも皆同じに見え、識別には難儀する。
だからといって嫌がらず、ときには親しんでみよう。

八丁坂を登って行くとハクサンシャジンやセリ科が多く生えている。




これも謎のシシウド属のある花風景。




謎のシシウド属は当初、エゾノヨロイグサと思っていたが、
高山文夫氏の著作「鳥海山・月山の植物」によるとミチノクヨロイグサ(ケナシミヤマシシウド)と同定されていた。
手持ち図鑑には載っていない植物名だった。

 



シシウド属はもう一種有った。
ミヤマトウキの草丈は低いが、花は華やかな印象だ。




ミヤマトウキは鳥海山では比較的低所、鉾立付近の登山道沿いにも生えているが、

長坂道稜線や扇子森、八丁坂の群生はみごとだった。

次の写真は昨年7月30日、長坂道稜線で見たお花畑。
ミヤマトウキがこんなにいっぱい咲くとはそれまで知らなかった。




ミヤマトウキの花は七月のうちが華で、八月になると終盤にさしかかるようだ。

かわって秋が近くなると咲き出すのが、ミヤマセンキュウ。




小型のセリ科を三種。

鳥海山で最も多いセリ科は、イブキゼリモドキではないかと思う。
このセリ科は、鉾立で歩き出して以降、登山道沿いで切れ目なく見かけていた。
疎らな花で遠目にもわかるが、他との識別には葉の確認が必要だ。

イブキゼリモドキ。鉾立の近くで。



イブキゼリモドキ。八丁坂で見た株。
 

                                          イブキゼリモドキの茎葉


シラネニンジンとハクサンボウフウはよく似ているが、葉を見れば一目瞭然だ。。

上半分はシラネニンジン、下半分はハクサンボウフウ。
 

                                             ハクサンボウフウ


八丁坂から急に多くなる花を幾つか。
キク科はアザミ類以外にヒトツバヨモギやヤマハハコ、他の科ではエゾシオガマ、オンタデなど。
いずれも地味な花ばかりだが、鳥海山ではお花畑を形成していた。

ヒトツバヨモギ



ヤマハハコ。左にイワオトギリ。



エゾシオガマとヤマハハコ。



エゾシオガマはここへ来る途中、賽の河原の雪渓跡の湿地にも生えていたが、

八丁坂では乾燥したガレ場のようなところで群生していた。
半寄生植物なのに生育環境の幅が広い植物だ。
エゾシオガマの花穂は上から見ると、巴形に見える。




オンタデ
 

                                                                                                                                                  ネバリノギラン。既に草紅葉が始まっている。


ヤマハハコとクロヅル



クロヅルは本来、低山に多いつる低木だが、

鳥海山や月山などではけっこう高所にも生えている。
従来の高山植物図鑑等には掲載されないことが多く、
鳥海山の高所で見た方からこの花は何ですかとよく質問を受ける。

八丁坂を登り詰めると、狭い谷のような地形になる。

八丁坂上の狭い谷から笙ヶ岳を望む。



ここは後で月光(がっこう)川と名を変える蛇石(じゃいし)流れが始まる場所だ。
遅くまで雪が残っているせいか、
湿性の花が多く、しかも最後に花が見られる場所になっている。

ニッコウキスゲの残花



ハクサンイチゲの残花



コバイケイソウ
 

                                             モミジカラマツ


ミヤマリンドウ



ここは花の種類の多い処だ。


猛暑日の鳥海山5」へ続く。


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