モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

男鹿三山の花図鑑(6)盛夏編

2021年02月24日 | 男鹿の花図鑑

(本頁は「男鹿三山の花図鑑(5)初夏編」の続きです。)

鳥海山や秋田駒ヶ岳ならば、七月に高山性お花畑が最盛期を迎えるが、

標高1000mに満たない男鹿三山にそれを期待するのは無理と言えよう。
それでも他の低山に較べたら、花の種類はやはり多いと思う。

ヤマブキショウマ Aruncus dioicus var. kamtschaticus
次のトリアシショウマとよく似ており、間違えやすいが、こちらはバラ科。

個人的には主に葉で識別している。小葉の葉脈が平行で10本程度と多く、名前のように
ヤマブキの葉に似た印象が有る。男鹿ではヤマブキショウマは山頂部、オオサクラソウ群生地に多い。
開花はトリアシショウマよりもやや早い。したがって毛無山では同時期に山麓でトリアシショウマ、
山頂部でヤマブキショウマの花を見ることが出来る。

2019/07/11
 



トリアシショウマ Astilbe odontophylla
こちらはユキノシタ科。男鹿毛無山では山麓部で多く見かける。

オカトラノオ Lysimachia clethroides

2019/07/11 トリアシショウマ                           2019/07/11 オカトラノオ
 


オオムラサキシキブ Callicarpa japonica var. luxurians
男鹿にはムラサキシキブの仲間が二種類、自生していると聞いたが、
この個体は花や葉の大きさからオオムラサキシキブではないかと思う。

2019/07/11



ホタルブクロ Campanula punctata

ホタルブクロはポピュラーな野草なのに何故か秋田県内ではほとんど見かけない。
しかし男鹿三山では山麓から山頂部にかけてちらほら見かける。

ホタルサイコ Bupleurum longiradiatum var. elatius
黄色い小花をつけるセリ科。東北ではあまり見かけないが、五社堂の上の道端には比較的多い。

2019/07/22 ホタルブクロ                           2019/08/02 ホタルサイコ
 
 


盛夏の山頂部に咲く花たち。

キバナカワラマツバ Galium verum subsp. asiaticum

ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. asiatica

キバナカワラマツバとウツボグサ 2019/07/22

 


イブキジャコウソウ Thymus quinquecostatus

秋田県では稀少な植物で、男鹿と和賀山塊だけとのこと。本山山頂部の限られた場所に生育。
 
キリンソウ Phedimus aizoon var. floribundus
ベンケイソウ科。山頂部や岩場に多い。

2019/07/22 イブキジャコウソウ                         2019/07/22 キリンソウ
 



エゾカワラナデシコ Dianthus superbus var. superbus 

山頂部に見られるものは、高山性のタカネナデシコとの説も有るが、
写真の株は自衛隊道路の脇に咲いていたものなので、低地性のエゾカワラナデシコとした。

2019/07/22
 



7月下旬、本山毛無山の山頂部ではトウゲブキやミヤマトウキなど高山性の要素も見られるが、
立ち入り禁止エリアと重なるので割愛させて頂く。

クガイソウ Veronicastrum japonicum
山頂部で少しだけ見かける。よく似たヤマルリトラノオは山ではなく海岸近くで咲いている。

2020/07/18



エゾアジサイ Hydrangea serrata var. megacarpa

2019/07/22
 


再び、中腹樹林下に咲く地味な花たち。

ウメガサソウ Chimaphila japonica

イチヤクソウ Pyrola japonica


2019/07/11 ウメガサソウ                         2020/07/28 イチヤクソウ
 


ランの仲間

クモキリソウ Liparis kumokiri

オオヤマサギソウ Platanthera sachalinensis

2019/07/22 クモキリソウ                           2019/07/22 オオヤマサギソウ
 
 


ヤマユリ Lilium auratum

男鹿三山では東山麓の人里近くに多い。

2019/07/22
 



サワギク(ボロギク) Nemosenecio nikoensis

秋田では珍しいキク科植物。男鹿では真山や本山のスギ林の中に少数見かける。

ヤマジノホトトギス Tricyrtis affinis

2019/07/22 サワギク                            2019/08/02 ヤマジノホトトギス
 



ダイコンソウ Geum japonicum
バラ科。山の道端に多い。果実の先が鉤のように曲がり、ひっつき虫になって運ばれ、増えるのだろう。

2020/08/10
 


クルマユリ Lilium medeoloides
全山の林中に疎らに分布する。登山道脇で見るものは登山道の草刈り時、意識的に刈り残したものと聞く。

オオウバユリ Cardiocrinum cordatum var. glehnii

2019/08/02 クルマユリ                              2019/08/02 オオウバユリ
 


 
(7)晩夏&初秋編へ続く。




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2 コメント

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Unknown (ミルク)
2021-02-24 17:25:06
きょうは、寒いですね~寒の戻りですね><
お花図鑑を 行くときに、持って行けたら少しは
花と、名前と一致するでしょうねぇ。

ほんの数種しか、名前がわからずです。
ここで、見せていただいても、現地に行けば忘れます(^^;
しょうがないですね。思っている名と一致すると、ヤッタ! です。
ありがとうございます。
返信する
ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2021-02-24 19:01:22
コメントありがとうございます。
>お花図鑑を 行くときに、持って行けたら・・・
そうですね。
ワタシも山に行く時は地図は持ちますが、図鑑は重いので持ちません。
最近は山でも電波が繋がることが多いようなので
もしかしたら拙図鑑はお役に立てるかも・・・。
ただ目の前で咲いてる花の名を探すには、科単位、或いは花色の配列だと
多くの皆さんは探し出すのがタイヘンかなと思い、
私の作る図鑑では、
季節ごと、出来れば月単位で咲く花を配列してみました。
現場(登山中)でお役に立ちましたら本望です。
ただ作っている本人はいまだにスマホ持たず、PCで作ってますので、
スマホだとどんな風に見えるかは分かりません。
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