もうイギリスに住んでいるわけじゃない。だから、イギリス生活の話というわけではないのだが、僕は今日、いくつかきっかけがあってイギリスのことをひどく懐かしんでいる。
先週末、サングリアというカクテルを作った。
彼女と買った地元のワイナリーのロゼワインがひどく不味くて、それをどうにかするためにサングリアを作った。
その時はあまり上手くいかなかったのだが(寝かせ足りなかっただけなのだが)、僕は本当のサングリアを求めて、もう一度チャレンジすることにした。
早速、昨日もう一度作りなおした。
さっきそいつを飲んで、そして、色々なことを思い出した。
サングリアはスペインのカクテルだ。
ラケルがいつもこのカクテルのことを話してくれた。彼女はいつかサングリアを作りたいと言っていた。
けれど、残念ながら、僕らはイギリスで最後までサングリアを作ることがなかった。
ラケルによれば、サングリアは以下のように作るのだという。
まず、赤ワインを用意する。
それからフルーツ各種。ラケルはイチゴとかオレンジとか言っていた。
さらに、ウォッカなどのハードリカー。
これらを混ぜる。
以上。(いや、本当はもっと複雑なのだが、彼女は全部説明しなかったのだ。)
甘口で飲みやすいけど、とても強いから大変危険なお酒だといつも彼女は言っていた。
彼女が眉間に皺を寄せながら「とても危険!」と言って、独特のジェスチャーをする姿はなんだか微笑ましく、僕はそれを見て、いつも少しだけ笑ってしまうのだった。
ラケルはサングリアを作ってくれなかったが、実はイタリアのお祭りで僕はこのサングリアを飲んだ。
僕とエースと一緒に来ていた地元の男性が、他のグループからはぐれて迷子になっていた時、僕は屋台でサングリアを頼み、飲みながらフラフラしていた。
その時の味をなんとなく覚えている。
印象は、まあ、フルーツの香りのする赤ワイン、という程度だった。
正直言って、その時のサングリアはそれほどアルコールとしても強くなかったし、味もまあまあと言ったところだった。
でも、ラケルが言っていたサングリアって、きっとこれじゃないんだろうな、と思っていた。
日本でこいつを作るにあたって色々調べたら、作り方にまだ色々コツがいると分かった。
フルーツはどうも食べないらしい(イタリアでは普通に入っていたが)。
ハチミツなどを入れてもいいらしい(ラテンのカクテルは甘いのだ)。
一日は少なくとも寝かすらしい(聞いてない)。
スパイスも入れるようだ(確かにイタリアで飲んだやつもかすかにシナモンの味がした)。
先週末作った時は、シナモンを入れすぎた。
だから、今回は思い切って入れないでみた。
ロゼに渋みがなく風味も薄いため、シナモンが入ると味がシナモン寄りになってしまうからだ。
フルーツは、プルーン(北海道でとれるのだ)、ピーチ(缶詰)、オレンジ(スペインならマスト)を選んだ。
それと白ラムをほんの少し。
タッパーに入れて一日寝かせる。
一日経った僕のサングリアは、なんだか少し落ち着いた様子だ。
フルーツはその酵素か何かのせいなのか、ワインを含め、全体が少し「発酵」というか、何か変化したような気がする。
僕はオタマで上澄みの液体を少しすくい取って、グラスに移す。
少しだけくすんだロゼは、なんだか少しとろみを帯びたようだ。
おそるおそるグラスを口に運ぶと、フルーツの甘い香りが口全体に広がって鼻に抜ける。
そのあと、少しだけハードリカーが味を引き締める。
イタリアのサングリアとは違う。
むしろ、フィレンツェで飲んだ赤いカクテルに似てる。
名前は忘れた。もしかして、あれもサングリアだったのかな?
フルーツの香り、しっかりした甘さ、そしてハードリカーのピリッとした感じ。
僕はあの暑いイタリアの気候と、フィレンツェの美しい街並みを思い出す。
あの暑い気候のなかで飲む甘いカクテルは、ビールよりもずっとしっくりきた。
ラテンの暑い夜に、甘いハードなカクテル。
目に浮かぶのは、バレンティーナの浮かれた表情。
エースの少しぐったりした笑顔。
僕らを案内してくれたMのきりっとしたカッコいい顔。
さて僕はあの時、どんな顔をしていただろう。
2回目にしては上出来のサングリア。
でも、こいつは夏に飲むべきなのかもしれない。
さっき、FBで久しぶりにバレンティーナの写真を見た。
クリスと一緒に写った写真が載っていた。
少し大人びた表情のバレ。女性は20代大きく変わるものだ。
あんな子供みたいだったバレも、いつかは大人になる(たぶん)。
アレックスのコメントから察するに、まだアレックスはバレと別れていないらしい。
クリスとの関係も続いている。
何もかもがあの日のままだ(まあ、そりゃあ、そんなに経ってないからね)。
でも、まるで昔のことのようなのだ。
ラケルはいつもアレックスは早く別れた方がいいと言っていた。
もちろん、僕もそう思っている。
でも、あの日のままで居てほしい気もする。
僕らがもう一度会えるように。
まあ、実際、バレはクリスのことを「退屈」という酷い形容詞で語っていたし、しばらくは大丈夫なのかも。
先週末、サングリアというカクテルを作った。
彼女と買った地元のワイナリーのロゼワインがひどく不味くて、それをどうにかするためにサングリアを作った。
その時はあまり上手くいかなかったのだが(寝かせ足りなかっただけなのだが)、僕は本当のサングリアを求めて、もう一度チャレンジすることにした。
早速、昨日もう一度作りなおした。
さっきそいつを飲んで、そして、色々なことを思い出した。
サングリアはスペインのカクテルだ。
ラケルがいつもこのカクテルのことを話してくれた。彼女はいつかサングリアを作りたいと言っていた。
けれど、残念ながら、僕らはイギリスで最後までサングリアを作ることがなかった。
ラケルによれば、サングリアは以下のように作るのだという。
まず、赤ワインを用意する。
それからフルーツ各種。ラケルはイチゴとかオレンジとか言っていた。
さらに、ウォッカなどのハードリカー。
これらを混ぜる。
以上。(いや、本当はもっと複雑なのだが、彼女は全部説明しなかったのだ。)
甘口で飲みやすいけど、とても強いから大変危険なお酒だといつも彼女は言っていた。
彼女が眉間に皺を寄せながら「とても危険!」と言って、独特のジェスチャーをする姿はなんだか微笑ましく、僕はそれを見て、いつも少しだけ笑ってしまうのだった。
ラケルはサングリアを作ってくれなかったが、実はイタリアのお祭りで僕はこのサングリアを飲んだ。
僕とエースと一緒に来ていた地元の男性が、他のグループからはぐれて迷子になっていた時、僕は屋台でサングリアを頼み、飲みながらフラフラしていた。
その時の味をなんとなく覚えている。
印象は、まあ、フルーツの香りのする赤ワイン、という程度だった。
正直言って、その時のサングリアはそれほどアルコールとしても強くなかったし、味もまあまあと言ったところだった。
でも、ラケルが言っていたサングリアって、きっとこれじゃないんだろうな、と思っていた。
日本でこいつを作るにあたって色々調べたら、作り方にまだ色々コツがいると分かった。
フルーツはどうも食べないらしい(イタリアでは普通に入っていたが)。
ハチミツなどを入れてもいいらしい(ラテンのカクテルは甘いのだ)。
一日は少なくとも寝かすらしい(聞いてない)。
スパイスも入れるようだ(確かにイタリアで飲んだやつもかすかにシナモンの味がした)。
先週末作った時は、シナモンを入れすぎた。
だから、今回は思い切って入れないでみた。
ロゼに渋みがなく風味も薄いため、シナモンが入ると味がシナモン寄りになってしまうからだ。
フルーツは、プルーン(北海道でとれるのだ)、ピーチ(缶詰)、オレンジ(スペインならマスト)を選んだ。
それと白ラムをほんの少し。
タッパーに入れて一日寝かせる。
一日経った僕のサングリアは、なんだか少し落ち着いた様子だ。
フルーツはその酵素か何かのせいなのか、ワインを含め、全体が少し「発酵」というか、何か変化したような気がする。
僕はオタマで上澄みの液体を少しすくい取って、グラスに移す。
少しだけくすんだロゼは、なんだか少しとろみを帯びたようだ。
おそるおそるグラスを口に運ぶと、フルーツの甘い香りが口全体に広がって鼻に抜ける。
そのあと、少しだけハードリカーが味を引き締める。
イタリアのサングリアとは違う。
むしろ、フィレンツェで飲んだ赤いカクテルに似てる。
名前は忘れた。もしかして、あれもサングリアだったのかな?
フルーツの香り、しっかりした甘さ、そしてハードリカーのピリッとした感じ。
僕はあの暑いイタリアの気候と、フィレンツェの美しい街並みを思い出す。
あの暑い気候のなかで飲む甘いカクテルは、ビールよりもずっとしっくりきた。
ラテンの暑い夜に、甘いハードなカクテル。
目に浮かぶのは、バレンティーナの浮かれた表情。
エースの少しぐったりした笑顔。
僕らを案内してくれたMのきりっとしたカッコいい顔。
さて僕はあの時、どんな顔をしていただろう。
2回目にしては上出来のサングリア。
でも、こいつは夏に飲むべきなのかもしれない。
さっき、FBで久しぶりにバレンティーナの写真を見た。
クリスと一緒に写った写真が載っていた。
少し大人びた表情のバレ。女性は20代大きく変わるものだ。
あんな子供みたいだったバレも、いつかは大人になる(たぶん)。
アレックスのコメントから察するに、まだアレックスはバレと別れていないらしい。
クリスとの関係も続いている。
何もかもがあの日のままだ(まあ、そりゃあ、そんなに経ってないからね)。
でも、まるで昔のことのようなのだ。
ラケルはいつもアレックスは早く別れた方がいいと言っていた。
もちろん、僕もそう思っている。
でも、あの日のままで居てほしい気もする。
僕らがもう一度会えるように。
まあ、実際、バレはクリスのことを「退屈」という酷い形容詞で語っていたし、しばらくは大丈夫なのかも。