うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

2011夏の帰省の始まり

2011年08月11日 15時11分39秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
こんにちは。
私、現在実家でセミの声を聞きながらこの記事を更新しています。
我が研究室では先週から夏休み期間に入っており、私も修士論文審査会を終え、次の実験の目途もついたので、今週から2週間ほど帰省することにしました。

一昨日の夜に札幌を出発し、日本海航路の船で昨日の深夜に実家に帰って来ました。
去年の夏の帰省帰路以来の日本海航路の船旅でしたが、夏の日本海は穏やかなことで知られているにも関わらず、今回は台風9号崩れの熱帯低気圧の影響で、「天気晴朗なれども波高し」の迫力ある航海となりました。


一昨日の夜9時前、札幌からフェリーターミナル直通シャトルバス(季節運行)で苫小牧東港に向かいました。高速道経由で1時間半で港に到着。すぐに乗船手続きをしました。事前に、ある理由(後述)から生協で乗船券を買っておいたので、スムーズにチェックインできました。
今回の船は新日本海フェリー「すずらん」。苫小牧東~敦賀航路に就く超高速フェリーです。全長は約200m、エンジン馬力は約6万5000馬力、航海速力は29.4ノットを誇ります。恐らく、日本のフェリー史上、最強のエンジンを搭載した船ではないでしょうか。
そしてこの船、私にとっては非常に思い出深い船でもあります。ちょうど10年前の2001年8月、祖母と初めての北海道旅行の往路に乗船した船なのです。当時、瀬戸内海航路しか乗ったことのなかった私は、長距離フェリーの豪華な設備に目を丸くしたものです。


乗船すると、10年前と変わらぬ豪華なエントランスが出迎えてくれました。
3層吹き抜けを、直階段が真っ直ぐ突き抜けています。「すずらん」の内装は、色彩が強調され、非常に煌びやかです。


「すずらん」と同時期に就航した同型姉妹船の「すいせん」の内装は「人と光の調和」がテーマになっており、大人しい印象です。「すずらん」がバブル期のリゾートホテルとしたら、「すいせん」はシティホテルと言ったところでしょうか。


階段の裏側には、巨大なオブジェの前にロビースペースが設けられています。


「すずらん」の後部デッキにはジャグジーも設置されています。新日本海フェリーの場合、80年代からプールやジャグジーを備えた船を就航させていましたが、この「すずらん」型を最後に、新造船では設置されなくなっています。これもバブルの名残の一つかもしれません。


↑10年前のレストラン ↓現在のレストラン

基本的なところは変わっていませんが、レストラン内に仕切りが出来たり、柱が一つ増えるなどの変化が見られ、カーペットが色褪せていることが分かります。


ところで、この「すずらん」と「すいせん」、実は来年夏までで引退する予定です。新日本海フェリーは現在、三菱重工長崎造船所にて2隻の大型高速カーフェリー(小樽~舞鶴航路に就航中の「はまなす」・「あかしあ」と同船型)を建造中で、それに交代するのです。上の写真で「はまなす」型(上)と「すずらん」型(下)を比較していますが、新造船は全長が24m長く、幅も1m大きくなります。特に3階以上の旅客甲板は50mも長くなりますから、客室・公室ともに現行よりも広くなることでしょう。しかも、大型化する一方でエンジンは低出力化されるので、環境性能が大幅に向上する見込みです(速力は現行と同等以上)。


今回、私は2等客室を利用しました。「すずらん」型は現行でも2等客室の定員が少なく、他のフェリーと比べて上級船室の割合が高いのです(34名)が、新造船では2等客室の設定が無くなり、2等寝台が最下等船室になる予定です。


さて、今回の船旅に話を戻しましょう。
苫小牧出航直後から、太平洋上の台風からのうねりを受けて、軽く前後左右に揺れていましたが、そこまで激しい揺れではなかったので、割合よく眠れました。
夏場の平常の航海なら、津軽海峡を抜けて日本海側に出ると波はおさまるのですが、今回は日本海側に台風9号崩れの熱帯低気圧が居座っていて、南下するほど波が高くなりました。フィンスタビライザー(揺れ防止装置)を使っていたようで、能登半島沖までは殆ど横揺れを感じなかったものの、それ以降はうねりが高くなり、かなり揺れを感じました(冒頭の写真はその時に撮ったもので、高さ10mくらいある船首を波飛沫が飛び越えてきました)


夏休みイベントとして、午前10時30分からビンゴ大会が行われました。
去年の夏に乗船したときは、真っ先にリーチになったものの結局ビンゴにならず、景品を貰えなかった苦い思い出があります。
今回も、開始直後に最速でリーチになりました(船員さんも驚いていました)が、なかなかビンゴにならなくてやきもきしました。


ビンゴ大会の景品は、1等が船内で使える商品券(3000円分)、2等が小樽の新日本海フェリー系列ホテル特製クッキー、3等が防水バッグかソフトクリーム券、又はソフトドリンク券でした。私は、結局3等でビンゴになり、同時にビンゴになった人とのジャンケンの結果、防水バッグを獲得しました。無事に景品が貰えて良かった・・。


ビンゴ大会に続いて、大道芸人によるジャグリングショーが催されました。今回の演者は、京都を中心に活動しているプロの方でした。
足元のままならない船内で難しい技を決めていて、面白かったです。


能登半島の沖に浮かぶ七ツ島が見えてきた頃から、船がローリングを始めました。それまで船内のロビーやプロムナードデッキに出ていた人達が徐々に自室に戻っていき(多分寝るため)、公室が静かになりました。


つい先ほどまで多くの人で賑わっていた右舷プロムナードデッキも、人っ子一人いなくなり、さながらモデルルームみたいに・・。


外の様子を眺めていると、船首から飛んできた波飛沫に、時折虹が現れる様子が綺麗でした。ちょっとヱヴァンゲリヲンぽいです。


能登半島沖で、近海郵船の定期貨物船「とかち」(9,858総トン(国内))を追い抜きました。
近海郵船も苫小牧~敦賀航路に就航しており、新日本海フェリーと激しく競合しています。新日本海フェリーは元々小樽~敦賀航路に就航させていた「すずらん」型を苫小牧~敦賀航路就航に転換し、航海速力の速さを武器に勝負しています。
今回追い抜いた「とかち」は、前日20時30分(「すずらん」出航の3時間前)に苫小牧を出航し、敦賀には21時(同30分後)に到着するダイヤで運航されています。近海郵船の所要時間は24時間30分ですから、毎日運航だと3隻の船が必要(それぞれ「とかち」、「つるが」、「ほくと」という船名)ですが、新日本海フェリーは21時間程度で運航されるため、毎日運航を2隻の船でこなしています。
速力差があるとは言っても、約6ノットの違いなので、視認してから完全に追い抜くまで30分以上かかりました。


東尋坊の沖あたりで日の入りを迎え、雲の隙間に沈む夕陽を見られました。


20時30分、定刻に敦賀新港に入港。シャトルバスで敦賀駅に出たところ、何やら以前と様子が違いました。


去年の春の敦賀駅。この駅舎が取り壊されていたのです。工事用フェンスの記載を見てみたら、平成25年に新駅舎に建て替わるそうで、目下再開発中なのでした。

敦賀からはJRで北陸本線、東海道本線、草津線と乗り継いで実家近くの柘植駅に至り、柘植に迎えに来ていた家族と再会。そして家族の車で実家に帰着しました。

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