うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

虹の街

2010年09月28日 19時00分40秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
昼過ぎ、ふと研究室のフロアの窓から外を見たら、虹が出ていました。
昼から降り出した雨の合間、一瞬だけ雲の隙間から日が射したときに現れたもので、この後すぐに消えてしまいました。
これだけ低い高度で、鮮やかな虹を見たのは初めてです。

【夏休み補完】陸奥ねぶた紀行【2010/8/6-8】

2010年09月23日 23時23分01秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
ご無沙汰しております。
今週は休みが続き、夏休みが戻ってきたかのような感覚で過ごしています。
(例年なら、まだ夏休み帰省中なのですけれども)
先週末は、つどーむで開催された中古車の大展示販売会に行き、とある車に一目惚れしてしまい、おかげでここのところ悶々とした日々を送っています。私は妄想癖が強いので、既に頭の中はその車でアクティブな日々を過ごす私の妄想でいっぱいになっております。現実的には、自家用車を運用する金銭的余裕はまだ出来ていないので、来春以降の話になるかと思います。(それまではひたすら妄想で荒野を駆け巡る日々が続きます・・)

さてさて、もう9月も下旬に入り、本当に秋らしい気候になってきました。最近は気温も20度まで上がらない日が出てきたので、久しぶりに上着を押し入れから出しました。
そんな今日この頃ですが、当ブログではこれまで疎かにしていた夏休みの記事の補完をせねばなりません。
というわけで、今回は8月上旬に行った、陸奥ねぶた観賞旅行の記事を補完することにします。あのときは暑かったなぁ・・。


8月6日金曜日、夜10時の夜行急行「はまなす」で札幌を出発しました。
実は、この出発の直前まで私は修羅場にいました。レポート課題6つを前日から2日間で書き上げていたのです。いやまあ、原因は私のスケジュール管理が悪かったためなのですが、あれだけの種類のレポートを書いたのはさすがに初めてでした。
書き上げられなければ、旅行にはそもそも行けませんでしたが、なんとか夜9時過ぎに全てのレポートをメールで提出し終わり、一旦帰宅して準備を整えてから、札幌駅へ急ぎました。


既に夏休みに入っているため、急行「はまなす」の指定席は満席。最悪自由席で立ったまま過ごすことも考えていたのですが、発車5分前に乗車したところ、自由席はガラ空き・・。余裕で窓側の席に座れたどころか、通路側の席まで占有できました。


普通車自由席

私が今回利用したのはこちらの座席。ごくごく普通のリクライニングシートです。



普通車指定席「ドリームカー」
通常、急行「はまなす」の指定席はこの「ドリームカー」2両と「のびのびカーペットカー」という横になれる車両1両の計3両で運行されます。この「ドリームカー」には元グリーン車の座席が使われており、リクライニング角度が深く、フットレストまで付いていて、快適な座り心地です。しかし、この日は繁忙期対応のため、指定席・自由席ともに車両を増結しており、増結車両は全て自由席仕様でした。せっかく指定席を取ったのに、満席の自由席車両で一晩を過ごすという悲劇がそこかしこで繰り広げられていました。可哀そうに・・。

ちなみに、普通車指定席「のびのびカーペットカー」の外観は、独特な雰囲気です。


↑2007年の乗車時の写真。
実は、私はこれまで急行「はまなす」には2回乗車したことがありました。1回目は2003年の8月、高校の生物クラブの研修旅行の帰りに函館から青森まで乗車、2回目は2007年の3月に札幌から青森まで乗車し、どちらも八戸から東北新幹線に乗って東京へ出ました。北海道での滞在時間を少しでも伸ばす上で、津軽海峡を夜行列車で越えるのが便利なのです。今回は週末2連休を効率的に使うため、この列車を利用して極力移動時間を抑えたわけです。


「急行」という種別の列車は、少なくともJRでは絶滅危惧種になっています。残るは大阪-新潟間の夜行急行「きたぐに」と、この「はまなす」の2つのみなのです。しかも、北海道内ではここ数年で夜行列車が次々と廃止されたため、道内唯一の夜行定期列車でもあります。
そんな「はまなす」ですが、客車にだいぶガタが来ており、凹凸や錆が目立ち始めています。廉価な青函連絡列車としての役目は重要なので、少なくとも北海道新幹線が新函館まで延伸するまでは列車の廃止は無いと思いますが、この車両でそれまで運用できるかはちょっと心配なところですね。


さてさて、閑話休題、8月6日夜10時に札幌を出発した急行「はまなす」は、順調に道南を南下し、函館に翌午前3時前に到着。ここで機関車を道内運用のDD51形ディーゼル機関車から青函トンネル専用のED79形電気機関車に付け替えました。多くの乗客が休憩のためホームに降り立ち、機関車の付け替えの写真を撮る人も結構見かけました。
函館駅は連絡船との乗り継ぎに適した終端駅構造となっているため、ここから青森駅までは進行方向が逆になります。


後ろ向きのまま長さ54kmの青函トンネルを通過、午前5時頃に青森県に上陸しました。進行方向左手の車窓からは、陸奥湾を光に染める朝日が見えました。


午前5時40分、青森駅に到着。朝の駅は清々しかったです。
急行「はまなす」は客車列車なため、停車駅ごとに制動による客車同士のぶつかるショックが感じられます。特に今夜は連結車両が多かったからなのか、いつにも増してショックが大きく、正直あまり眠れませんでした。しかし、この日はねぶたを3つも見て周る強硬スケジュールを予定していたため、早く目を覚ます必要がありました。


そ・こ・で、駅ならではの立ち食い蕎麦ですよ。その名も「八甲田」という蕎麦屋で天玉そばを食べました。おばちゃんも親切な対応だったし、これで一日を頑張る気力が湧きました。

Jeepに乗りました。9月12日

2010年09月18日 23時50分37秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
大学院の研究施設紹介動画の最終編集に追われて、今週はブログ更新を怠ってしまいました・・。その動画も、金曜日に完成。監督としての責任はとりあえず果たせました。近日中に大学院の公式HP及びYouTubeにて公開予定ですので、アップロードされ次第、皆様にもURLをご紹介します。動画の内容は、NMR(核磁気共鳴)装置とX線装置について、それぞれの装置を主に用いている研究室の先生方のインタビューを交えて実験手法や魅力などを紹介するというものです。どちらの装置も、生体高分子(DNA・RNAやタンパク質)の立体構造解析に主に用いており、近年はMRIや創薬研究などに応用されているので、実は一般の方々にも無縁ではない機械です。ちなみに、今後は動画のシリーズ化が予定されていて、北大生命科学院の研究施設を順次紹介していく予定です。今春から、理学院生命理学専攻が生命科学院生命融合科学コースに改組されたため、動画製作チーム6名のうち2名が理学院所属で、理学院の学生が生命科学院の動画を作るという不思議なことになっていたりもします(かくいう私もその一人)。ともあれ、動画のクオリティは、私が(チームの協力を得て)一生懸命編集したので、とても良い出来に仕上がっていると思います。どうぞ、お楽しみに・・。

さてさて、前書きが長くなってしまいました。
今回は、先の日曜日に、札幌市内で開催されたJeepの試乗会に参加してきた内容を紹介します。
きっかけは、前日深夜のローカルニュース番組で、この試乗会が開催中であることが取り上げられていて、非常に興味を持ったことでした。だって、背の高い車が、今にも倒れそうなほど急な斜面を走行している映像が流れてたもんですから・・。

そんなわけで、日曜日の午後、久々のサイクリングで試乗会へ行ってきました。


今回のJeep試乗会は、イオン平岡ショッピングセンターの駐車場で行われていました。私の住む北海道大学近辺からは、直線で12kmほどの距離で、北広島市に隣接する清田区に位置します。月寒の辺りから向こうは、結構起伏のある地形になっているため、今回のサイクリングはしんどい道程となりました。(総走行距離は38km)


地下鉄東豊線月寒中央駅近辺はそこそこキツい上り坂でしたが、坂の上にやたら巨大で未来的な建物が見えてきました。札幌ドームです。全天候型多目的施設で、野球場にもサッカー場にもなり、オフロードラリーの競技会場になったりもします。


せっかく近くまで来たので、羊ヶ丘展望台に寄り道してみました。
7年前、2003年に高校の部活の研修で札幌に来た際に、地下鉄と徒歩で来て以来です。
この展望台はその名の通り、放牧された羊達の背景に札幌市街の街並みが望める場所なのですが、残念ながら羊は口蹄疫問題の余波で現在放牧されていないようでした。


ちなみに、その2003年の羊ヶ丘の様子です。

ところで、羊ヶ丘といえばクラーク像です。空に向かって手を伸ばしたポーズでお馴染みですね。記念写真業者も常駐しており、「はい、クラーク!」という掛け声で撮影してくれます。


北大構内にも、このようにクラーク像が存在し、待ち合わせ場所としてよく利用されています。しかし、観光客の方は「クラーク像」と聞いて羊ヶ丘の像のポーズを想像して来てしまうことがあるそうで、「札幌三大がっかり名所」の一つと言われております。(ちなみに、残りの二つは札幌時計台と北大ポプラ並木だそうです。全て北大関連の施設というのが・・orz)


羊ヶ丘展望台周辺には、何やら洋風の館がいくつか建ち並んでいるのですが、その中の一つ、「オーストリア館」に入って昼食をとりました。ラムソーセージドッグと蒸かしイモという、いかにも北海道な食べ物にしたのですが、どちらもとても美味でした。ラム肉のソーセージは初めて食べましたが、独特の臭みがパンとよくマッチしていてクセになりそうな味わいで満足しました。

羊ヶ丘でまったりと食事していたら、午後3時を過ぎてしまいました。本題のJeep試乗会が何時までやっているか知らなかったので、急いで会場へ向かうことにしました。
往路はキツい上り坂だった分、羊ヶ丘から市街地へ戻る道はハイスピードで下れました。競技用自転車の集団が走行しているのを見かけたので、多分この辺は自転車の練習場所に適しているようです。


羊ヶ丘から30分ほどで、試乗会場のイオン平岡ショッピングセンター北側駐車場に到着しました。幸い、まだ絶賛開催中のようです。
正確には、今回の試乗会は「Jeep EXPERIENCE 2010 Caravan in Sapporo」というイベント名で、試乗コーナーを初め、輪投げ大会、Jeep中古車展示販売、子供Jeepなどのコーナーがありました。



試乗コーナーでは、Jeepの高級SUVタイプの「グランドチェロキー」と本格クロスカントリーカーである「ラングラー」の2車種が走っていました。


早速試乗の受付に並び、15分待ちくらいでチケットをゲットしました。客層を見ると、ほとんどが家族連れで、一人身の私はちょっと肩身が狭かったです。



試乗コースには、鉄板で作られた障害物がいくつか並んでいました。段違いの上り下りや、傾斜角38度(!)の斜面などを、Jeepの車はいとも簡単に通過していきます。やっぱり四駆は格好良いなぁ・・。

Jeep試乗会in札幌 走行風景

どのような走りかは、動画で見た方が分かりやすいですね。

さて、いよいよ私の試乗の番が来ました。車種は本格派クロカンカーの「ラングラー」。こちらの車の方が、Jeep本来の性能を見られるのでラッキーでした。
今回の試乗は、専属の運転手の運転に同乗するという形式で、残念ながら自分で運転するというわけではありませんでした(各車ATタイプだったので、私でも運転可能ではありました)。

Jeep試乗会in札幌

ビデオカメラで撮影していたので、写真を撮る暇がありませんでした。動画で試乗の様子をどうぞ・・。声入りですが、運転手さんの解説も入っているので、結構参考になります。



こちらは動画から取り出した画像です。世界が傾いている!

2分半程度の短い試乗でしたが、Jeepの魅力を体感するには十分な内容でした。
北海道で車に乗る場合、冬の雪道がネックになります。内地で乗っていた車をそのまま持ってくると、まず確実に滑ります。ツルツルの路面で思い通りに運転しようと思うならば、四輪駆動車がベターのようです。二駆の車も走ってはいますが、基本的に道内で見かける車は四駆ですし、レンタカーもほぼ全て四駆仕様のものを導入していますね。また、北海道は正面衝突事故の件数がかなり多く、安全性を考えるならば、少し大型の四駆が望ましいというわけです。
私も、次の愛車を北海道で手に入れるならば(結構先の話になると思いますが)、ちょっとオフロードな四駆が良いとかねがね思ってきましたが、今回の試乗でますますその思いは強くなりました。


ちなみに、試乗会場の中古Jeep販売では、予想よりもお求めやすい値段で高級車種のグランドチェロキー(先代)が売られていました。


北の夕焼け

2010年09月10日 21時17分01秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
最近、急に秋めいてきましたね。
札幌は、つい先日まで最高気温32度の日があったりしたのですが、今日などは25度までしか気温が上がりませんでした。夜は寒く感じるくらいです。
秋といえば、美しい夕焼けの見られる季節です。
昨日の北大から見た夕焼けは実に綺麗でした。
北キャンパスの共同研究先ラボから中央キャンパスの理学部棟へと戻ってくる構内連絡バスの車内から夕焼けが見えました。そのときは動く車内からで写真が撮れなかったので、理学部棟に着いてからケータイで急いで撮ったのが上の写真です。
手稲山の麓に沈んだ日の残照が、鮮やかに雲を照らしていて、しばし見入ってしまいました。

中二病的なお遊び・・。

2010年09月09日 03時34分22秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
昨日は午前4時半に起きた後、そのまま午前10時からの動画編集会議(STAの仕事として、大学院の我が専攻の施設紹介動画を現在制作中)に参加したり、研究作業したりしていたので眠く、夜7時半に帰って来て、すぐに寝てしまいました。
で、目覚めると午前零時半・・。二度寝しようにも目が冴えてしまい、眠れません。仕方が無いので、ペイントを使って中二病的な遊びをして時間を潰していました。
それが上の写真。見るからにペイントでぺたぺた貼った感がありますが、「もしも新日本海フェリー「あかしあ」が北欧のフェリー会社に移籍して魔改造を受けたら・・」という想定で大改造を施しました。


ちなみに、元の写真はこちら。

北欧バルト海のフェリー会社は、船内での免税品購入需要が旺盛なため、非常に巨大なフェリーを運航しています。全長や横幅は、新日本海フェリーの船と大差無いのですが、背がかなり高く、より客船らしい雰囲気を漂わせています。
日本でも、中国や韓国、ロシアとの間に徐々に定期航路を設置する動きが出てきており、将来的には旺盛な中国人観光客の需要や、身近なクルーズ需要として、これくらいの大きさのフェリーが登場してもおかしくはないと夢想しています。

-追記-

午前4時19分、さらに改造版が出来てしまった・・orz。

北帰行。―天気晴朗波低し2―

2010年09月08日 06時16分55秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
すっかりブログの更新を怠ってしまい、まことに申し訳ないです。
まだまだ大学公式行事としての夏休みは続いているのですが、我が研究室は既にフルスロットルで研究が再開されており、結構忙しい毎日を過ごしています。
昨日は、半年ぶりの研究報告会があり、トップバッターで私が発表しました。緊張はほとんどしなかったので、滞りなく発表を行えて良かったのですが、発表内容を絞ったので、ちょっとストーリー的に伝わりにくくなってしまった気がします。その辺が次回への課題ですかね。

さて、今のところ未掲載の夏休み期間中の話題を記しておきます。
・青森ねぶた紀行完全版
・帰省往路(トワイライトエクスプレス)
・大山田ふるさと祭り花火大会
・安土城跡探訪(これは多分書かないかな・・)
・大阪再開発探訪完全版
・平常宮跡探訪完全版
・鉄道研究会広島合宿
・飛騨家族旅行
・帰道の続き
おお、改めて並べたらこんなにあるのか・・。これは補完が大変そうです。

というわけで、今回はフェリーで北海道へ戻ってきた記事の続きを書きます。


8月29日、フェリー「はまなす」の船上から見た朝日。水平線近くに雲が出ていたため、あまり綺麗な日の出とはならなかったのがちょっと残念・・。

午前0時30分に舞鶴港を出港した「はまなす」は、時速30ノットで日本海を突っ走り、午後8時45分には小樽港に入港します。春休みに利用した敦賀~苫小牧東航路よりもさらに沖合を航行するため、北海道の奥尻島付近まで、陸地らしい陸地は全く見えません。


春休みに姉妹船「あかしあ」に乗ったときは、爆弾低気圧の余韻で海上は時化ていましたが・・、


今回は天気も良く、波もうねりもありません。実に快適な航海が続きます。


朝食をレストランで食べるお金も無く、朝方は暇だったので、船首のフォワードサロンで寛ぐことにしました。
この船の場合、操舵室以外で前方展望を楽しめる場所は、このフォワードサロンと1階下のスモーキングルームのみとなります。しかし冬の間は、この前方展望は楽しめなくなってしまいます。なぜならば・・、

窓の外側を鉄板で塞ぎ、このように昼間でもカーテンが閉められてしまうからです・・。冬の日本海は荒れますから、窓に波が当たって割れるのを防ぐ目的だそうです。


ともあれ、今回は夏の日本海ですから、ちゃんと前方展望を楽しむことができました。このフォワードサロンがある5階甲板の海面からの高さは20m、マンションの7階に相当します。高さ20mから水平線までの見通し距離(海面が視認できる範囲)は約16kmなので、比較的遠くまで見通すことができます。
また、本来船首は船で最も揺れる(特に上下動)場所なのですが、今回は波もうねりも無いので、全く揺れを感じませんでした。


しばらく船首方向を眺めていると、ロシアの方から来たタンカーが進路を横切りました。その直後、水平線上にうっすらと船影が見えてきました。小樽を前日の23時30分に出航した同型姉妹船の「あかしあ」です。ちょうど船内放送が入り、この後10分ほどですれ違うことが伝えられました
本船と「あかしあ」の相対速度は時速約110km/hですから、この時点で両船の距離は18km以上離れていることになります。先ほど、この高さから見通せる距離は16kmと書きました。つまりまだ水平線上には「あかしあ」の上部しか現れていないわけです。地球の丸さが実感できますね。


予定通り10分後に「あかしあ」とすれ違いました。すれ違い際、両船は汽笛を交換し、先の航海の安全を祈りました。果てしなく広い海の中で、2隻の姉妹船がすれ違うというのは、なかなか情緒があって良い光景ですよね。


「あかしあ」とすれ違った直後の午前10時半から、5階後方のカフェテリアでビンゴ大会が行われました。さすが夏休み、この日はビンゴ大会や演奏会など、普段の航海では行われないイベントが開催されていました。


で、ビンゴの結果は・・。参加者50人中最速でリーチになったのに、結局ビンゴにはならず、15個用意されていた景品を手に入れることはできませんでした・・。orz
でも、司会の航海士の方のよもやま話が面白かったので、参加したかいはありました。


続く午前11時からは、6階コンファレンスルームにて龍笛と二胡のコンサートが催されました。船員有志による空手演武会とかサックス演奏といったものは見たことがありましたが、プロの演奏家のコンサートは新日本海フェリーでは初めて目にしました。
オリジナル曲中心の演奏(著作権の都合らしい)で、両楽器の独特の響きに癒された1時間でした。
私は龍笛を子供の頃に習ったことがありますし、二胡の音も大好きなので、その辺のヴァイオリンやピアノコンサートよりも私の好みに合っていて良かったです。


コンサート終了後、4階エントランスのモニターで現在地を確認すると、既に秋田沖まで来ていました。速力は50km/h強で、この船の最大速力には結構余裕がある速度です。それだけ、今日の日本海は穏やかで遅れなく進んでいるということでしょう。


午後1時からは、6階コンファレンスルームで映画上映会が行われました。これは通常の航海でも行われるイベントです。今回の映画は「劔岳」で、以前から一度見てみたかったのでラッキーでした。見た感想としては、面白い映画でしたが、やや脚色が強いので、これを歴史的事実として捉えたらちょっと危ういかもと思いました。映画の中で、主人公の所属する陸地測量部が剣岳に登頂成功した数日後に日本山岳協会のグループが登頂し、手旗信号で互いを讃え合う場面がありましたが、実際には測量隊と民間人の登頂の間には2年間のブランクが存在します。
「剱岳」に引き続き、もう1本映画が上映されましたが、それはパスして昼寝することにしました。時間をゆったり、自由に使えるのが船旅の良いところです。


昼寝から目覚めると、辺りはすっかり暗くなっていました。既に船は積丹半島の沖まで来ており、時折イカ釣り漁船の漁火が見えていました。
ああ!?そういえば夕日を見逃してしまった・・。天気は良かったので、綺麗だっただろうになぁ・・。


午後8時45分、定刻にフェリー「はまなす」は小樽港フェリーターミナルに到着しました。このターミナルでは2隻の船が同時に接岸できるように、通路長がとても長くなっています。僅か2週間ぶりの北海道ですが、船で帰ってくると、毎回新鮮な雰囲気を味わえるので良いです。

そういえば、下船の直前、船のエントランスロビーで突然女性に話しかけられました。驚いて顔をよく見ると、昼間の二胡コンサートの奏者の方でした。曰く、私が撮影した昼間のコンサートの模様の写真を譲ってほしいとのお願いでした。この1週間、「はまなす」に乗船してコンサートを行ってきたそうなのですが、意外にもきちんと演奏中の写真を撮ってもらっていなかったそうで、私が良さそうなカメラ(実際には4年前に買ったCanonの廉価デジタル一眼)で写真を撮っているのを見かけたので、それを貰いたいとのこと。その方はCDも出されているのですが、お礼にそのサンプルCDまで頂いたので、喜んで承諾しました。船旅は、このような意外な出会いがあるのが魅力なんですよねぇ・・。
(その後、メールで写真を送ったところ、その方のHPの記事に早速使ってくださっていました)
http://kiko.doorblog.jp/archives/51556507.html
「泉貴子の二胡」ブログ。
サンプルCDには5曲のオリジナル曲が入っていましたが、特に「戸岐の子守唄」という曲は懐かしい調べで、心癒される良い曲だと感じました。お父様が長崎の五島列島の出身とのことで、当地に伝わる子守唄をモチーフに作られた曲なのだそうです。


舞鶴から1000km、20時間の船旅を終えた「はまなす」。この後、3時間後には舞鶴に向けて再び旅立って行きます。本当に働き者の船です。


小樽港から札幌行きの臨時直通バスが出ていたので、それに乗車して札幌に戻ってきました。小樽築港駅からJRに乗って帰るつもりだったので、時間的にも料金的にも節約できてラッキーでした。

かくして、私の北帰行、日本海の船旅は幕を閉じたのでした。
さて、後期は研究もますます忙しくなりそうだし、気分も新たに頑張らなければ・・。