すっかりブログの更新を怠ってしまい、まことに申し訳ないです。
まだまだ大学公式行事としての夏休みは続いているのですが、我が研究室は既にフルスロットルで研究が再開されており、結構忙しい毎日を過ごしています。
昨日は、半年ぶりの研究報告会があり、トップバッターで私が発表しました。緊張はほとんどしなかったので、滞りなく発表を行えて良かったのですが、発表内容を絞ったので、ちょっとストーリー的に伝わりにくくなってしまった気がします。その辺が次回への課題ですかね。
さて、今のところ未掲載の夏休み期間中の話題を記しておきます。
・青森ねぶた紀行完全版
・帰省往路(トワイライトエクスプレス)
・大山田ふるさと祭り花火大会
・安土城跡探訪(これは多分書かないかな・・)
・大阪再開発探訪完全版
・平常宮跡探訪完全版
・鉄道研究会広島合宿
・飛騨家族旅行
・帰道の続き
おお、改めて並べたらこんなにあるのか・・。これは補完が大変そうです。
というわけで、今回はフェリーで北海道へ戻ってきた記事の続きを書きます。
8月29日、フェリー「はまなす」の船上から見た朝日。水平線近くに雲が出ていたため、あまり綺麗な日の出とはならなかったのがちょっと残念・・。
午前0時30分に舞鶴港を出港した「はまなす」は、時速30ノットで日本海を突っ走り、午後8時45分には小樽港に入港します。春休みに利用した敦賀~苫小牧東航路よりもさらに沖合を航行するため、北海道の奥尻島付近まで、陸地らしい陸地は全く見えません。
春休みに姉妹船「あかしあ」に乗ったときは、爆弾低気圧の余韻で海上は時化ていましたが・・、
今回は天気も良く、波もうねりもありません。実に快適な航海が続きます。
朝食をレストランで食べるお金も無く、朝方は暇だったので、船首のフォワードサロンで寛ぐことにしました。
この船の場合、操舵室以外で前方展望を楽しめる場所は、このフォワードサロンと1階下のスモーキングルームのみとなります。しかし冬の間は、この前方展望は楽しめなくなってしまいます。なぜならば・・、
窓の外側を鉄板で塞ぎ、このように昼間でもカーテンが閉められてしまうからです・・。冬の日本海は荒れますから、窓に波が当たって割れるのを防ぐ目的だそうです。
ともあれ、今回は夏の日本海ですから、ちゃんと前方展望を楽しむことができました。このフォワードサロンがある5階甲板の海面からの高さは20m、マンションの7階に相当します。高さ20mから水平線までの見通し距離(海面が視認できる範囲)は約16kmなので、比較的遠くまで見通すことができます。
また、本来船首は船で最も揺れる(特に上下動)場所なのですが、今回は波もうねりも無いので、全く揺れを感じませんでした。
しばらく船首方向を眺めていると、ロシアの方から来たタンカーが進路を横切りました。その直後、水平線上にうっすらと船影が見えてきました。小樽を前日の23時30分に出航した同型姉妹船の「あかしあ」です。ちょうど船内放送が入り、この後10分ほどですれ違うことが伝えられました
本船と「あかしあ」の相対速度は時速約110km/hですから、この時点で両船の距離は18km以上離れていることになります。先ほど、この高さから見通せる距離は16kmと書きました。つまりまだ水平線上には「あかしあ」の上部しか現れていないわけです。地球の丸さが実感できますね。
予定通り10分後に「あかしあ」とすれ違いました。すれ違い際、両船は汽笛を交換し、先の航海の安全を祈りました。果てしなく広い海の中で、2隻の姉妹船がすれ違うというのは、なかなか情緒があって良い光景ですよね。
「あかしあ」とすれ違った直後の午前10時半から、5階後方のカフェテリアでビンゴ大会が行われました。さすが夏休み、この日はビンゴ大会や演奏会など、普段の航海では行われないイベントが開催されていました。
で、ビンゴの結果は・・。参加者50人中最速でリーチになったのに、結局ビンゴにはならず、15個用意されていた景品を手に入れることはできませんでした・・。orz
でも、司会の航海士の方のよもやま話が面白かったので、参加したかいはありました。
続く午前11時からは、6階コンファレンスルームにて龍笛と二胡のコンサートが催されました。船員有志による空手演武会とかサックス演奏といったものは見たことがありましたが、プロの演奏家のコンサートは新日本海フェリーでは初めて目にしました。
オリジナル曲中心の演奏(著作権の都合らしい)で、両楽器の独特の響きに癒された1時間でした。
私は龍笛を子供の頃に習ったことがありますし、二胡の音も大好きなので、その辺のヴァイオリンやピアノコンサートよりも私の好みに合っていて良かったです。
コンサート終了後、4階エントランスのモニターで現在地を確認すると、既に秋田沖まで来ていました。速力は50km/h強で、この船の最大速力には結構余裕がある速度です。それだけ、今日の日本海は穏やかで遅れなく進んでいるということでしょう。
午後1時からは、6階コンファレンスルームで映画上映会が行われました。これは通常の航海でも行われるイベントです。今回の映画は「劔岳」で、以前から一度見てみたかったのでラッキーでした。見た感想としては、面白い映画でしたが、やや脚色が強いので、これを歴史的事実として捉えたらちょっと危ういかもと思いました。映画の中で、主人公の所属する陸地測量部が剣岳に登頂成功した数日後に日本山岳協会のグループが登頂し、手旗信号で互いを讃え合う場面がありましたが、実際には測量隊と民間人の登頂の間には2年間のブランクが存在します。
「剱岳」に引き続き、もう1本映画が上映されましたが、それはパスして昼寝することにしました。時間をゆったり、自由に使えるのが船旅の良いところです。
昼寝から目覚めると、辺りはすっかり暗くなっていました。既に船は積丹半島の沖まで来ており、時折イカ釣り漁船の漁火が見えていました。
ああ!?そういえば夕日を見逃してしまった・・。天気は良かったので、綺麗だっただろうになぁ・・。
午後8時45分、定刻にフェリー「はまなす」は小樽港フェリーターミナルに到着しました。このターミナルでは2隻の船が同時に接岸できるように、通路長がとても長くなっています。僅か2週間ぶりの北海道ですが、船で帰ってくると、毎回新鮮な雰囲気を味わえるので良いです。
そういえば、下船の直前、船のエントランスロビーで突然女性に話しかけられました。驚いて顔をよく見ると、昼間の二胡コンサートの奏者の方でした。曰く、私が撮影した昼間のコンサートの模様の写真を譲ってほしいとのお願いでした。この1週間、「はまなす」に乗船してコンサートを行ってきたそうなのですが、意外にもきちんと演奏中の写真を撮ってもらっていなかったそうで、私が良さそうなカメラ(実際には4年前に買ったCanonの廉価デジタル一眼)で写真を撮っているのを見かけたので、それを貰いたいとのこと。その方はCDも出されているのですが、お礼にそのサンプルCDまで頂いたので、喜んで承諾しました。船旅は、このような意外な出会いがあるのが魅力なんですよねぇ・・。
(その後、メールで写真を送ったところ、その方のHPの記事に早速使ってくださっていました)
http://kiko.doorblog.jp/archives/51556507.html
「泉貴子の二胡」ブログ。
サンプルCDには5曲のオリジナル曲が入っていましたが、特に「戸岐の子守唄」という曲は懐かしい調べで、心癒される良い曲だと感じました。お父様が長崎の五島列島の出身とのことで、当地に伝わる子守唄をモチーフに作られた曲なのだそうです。
舞鶴から1000km、20時間の船旅を終えた「はまなす」。この後、3時間後には舞鶴に向けて再び旅立って行きます。本当に働き者の船です。
小樽港から札幌行きの臨時直通バスが出ていたので、それに乗車して札幌に戻ってきました。小樽築港駅からJRに乗って帰るつもりだったので、時間的にも料金的にも節約できてラッキーでした。
かくして、私の北帰行、日本海の船旅は幕を閉じたのでした。
さて、後期は研究もますます忙しくなりそうだし、気分も新たに頑張らなければ・・。