一週間が過ぎました。
先週は、本当に凄まじく慌ただしい一週間を過ごしました。
日曜日から金曜日までの6日間、北大で開催された細胞生物学のワークショップに参加し、連日朝から深夜まで蛍光イメージング技術の講義と実習をみっちりこなしてきました。
このワークショップは大阪大学と北大の共催で行われており、毎年夏に初級コースを兵庫県で、秋に中・上級コースを北大で開催しています。私は初級コースには参加しなかったのですが、中・上級コースの主催研究室が私の共同研究先という縁で、今回参加することになりました。
さすがに中・上級コースだけあって、参加者の大半はポスドク以上で、学生の参加者は私を含めて数名。しかも、北大からの参加者は3人のみで、残り13人は全国のそうそうたる大学、研究施設からの参加者でした。
実習は4人組のグループで行ったのですが、私のグループのメンバーは京大、阪大、理研のポスドク・研究員の揃い踏みというハイレベルな環境でした。日常の研究で、そんな方々と一緒に実験・考察する機会はなかなかありませんから、このワークショップでは新しい蛍光イメージング技術を学ぶと同時に、とても貴重な経験ができたと思います。しかも皆さんフレンドリーで、実習初日から近所のスープカリー屋に一緒に食べにいったり、最終日の修了式終了後に雪印パーラーに行ったりと良い雰囲気で終始過ごせました。
実習はFRETのシグナル抽出から始まり、FCS/FCCS、FDAP、1分子計測、2光子顕微鏡など、先端的な蛍光イメージング技術を実際に自らの手で触りながら学びました。1日に2~3つの内容をこなし、夜にはひたすらデータ解析に勤しむ日々・・。ここのところ、私は論文化の考察中という名目であまり実験を行っていなかったので、今回の実習は良い刺激になりました。忙しいのは大変ですが、やはり思ったような結果が出ると嬉しいもんです。
各グループは、期間の前半と後半の実習からそれぞれ1つずつの内容が割り振られ、その成果について最終日に発表を行いました。発表20分・質疑応答10分のはずでしたが、午前9時10分から始まった発表が実際に終わったのは13時でした。グループは4つでしたから、1グループ当たり1時間近く発表していたことになります。この発表会、結構厳しい質問が講師陣から矢継ぎ早に飛んできて大変なのですが、幸い私のグループは優秀な仲間のおかげで順調に発表でき、高い評価をいただけました。私はin vitroのFCCS実験についてイラストやアニメーションを用意して解説したのですが、相互相関の低下を示したアニメーションは予想以上にウケて、嬉しかったです。
それにしても、共同研究をしていたおかげでこんな有意義なワークショップに参加できて、本当に幸運でした。今回学んだ蛍光イメージングの原理や技術を踏まえて、しっかりと自分の研究の考察を行い、できるだけ高いインパクトファクターの学術誌に投稿したいと思います。
とまあ、毎度のことですが、記事の前半を熱い研究話で埋めてしまいましたが、今回の記事のメインはここからです。
私もよく利用する、新日本海フェリーの新造船の情報がようやく表に出てきました。
昨日、三菱重工長崎造船所のウォッチをなされている「長崎の白い船」さんのサイトをチェックしたところ、新日本海フェリー新造船の建造中の写真がアップされていました(「長崎の白い船」【新日本海フェリー 2012年6月竣工の新造船】)。このサイトでは、2004年に就航した新日本海フェリー「はまなす」「あかしあ」の建造の様子を定点観測されていて、当時から時折チェックさせてもらっていたのですが、今回も予想通りネット上で初めて新造船の写真を公開してくれました。
写真を見ると、ついつい私の趣味の心に火が点いてしまいまして、早速写真から予想した新造船の横面図をペイントで描いてしまいました。多分これもネット上で初めての横面図公開だと思います(笑)。
冒頭の図は、その新造船の横面図を新日本海フェリーや太平洋フェリーの既存船と同縮尺で比較したイラストです。
上から順に、
・新日本海フェリー「すずらん」
全長:199.9m、総トン数:17,345国内総トン、最大速力:31.4ノット
1996年 石川島播磨重工東京造船所建造
・新日本海フェリー「あかしあ」
全長:224.5m、総トン数:16,810国内総トン(34,000国際総トン)、最大速力:32.04ノット
2004年 三菱重工長崎造船所建造
・新日本海フェリー新造船(「すずらん?」)
全長:224.5m、総トン数:17,040国内総トン、最大速力:試験航海前なので不明 (航海速力は29.4ノットらしい)
2012年 三菱重工長崎造船所にて竣工予定
・太平洋フェリー「いしかり」
全長:199.9m、総トン数:15,762国内総トン、最大速力:26.5ノット
2011年 三菱重工下関造船所建造
です。いずれも日本最大級のフェリーですが、新日本海フェリー「あかしあ」と新造船は200mの壁を超えており、国内フェリー史上最長の大きさです。(世界的に見ても1、2位を争う長さ)
今回の新造船は、敦賀~苫小牧東航路に就航中の「すずらん」「すいせん」の代替船で、同型姉妹船を2隻同時に建造し、来年夏に同航路に就航する予定です。これまでにネット上で流れた情報では、新造船は「あかしあ」型と同型とされていましたが、今回公開された写真を見ると、少し外観に違いがあるようです。
列挙すると、
1.客室2層目の船首側の舷側甲板が無くなった。
2.客室2層目プロムナードデッキの船尾側デザインが「あかしあ」よりも「すずらん」に似ている。
3.客室3層目が煙突下まで延長されている。
といったところが目につきます。
1の変化については、恐らく船体の凹凸を少しでも無くして空気抵抗を減らすためだと思います。新造船は、高速フェリーながら、「すずらん」と比べてCO2排出量25%、NOx排出量40%も低減する次世代型の環境性能を持つフェリーなので、細かいところでも燃費向上のために努力していると思われます。
2の変化については、「あかしあ」型では何故かプロムナードの船尾側がすぼんでいて後部デッキの幅が狭くなっていたものを改善したのだと思います。これにより、新造船では「あかしあ」よりも1.5倍程後部デッキ幅が広くなりそうです。
「すずらん」の後部デッキ。
「あかしあ」の後部デッキ。
幅は明らかに「すずらん」の方が広いですね。新造船は、「すずらん」より全幅が1m大きく、かつ「すずらん」と同様の構造になるらしいので、「あかしあ」よりも相当広くなりそうです。
3の変化は、ちょっと驚きました。客室3層目は、ベランダ付きの特等・スイート客室が並ぶと思われますが、どうも船尾側に新たな公室が設置されるようです。これは楽しみです。
以上、写真から分かった新造船情報について、書き記してみました。あれこれ想像していると、ますます新日本海フェリー公式HPでの詳細発表が待ち遠しくなってしまいました。
-追記(12.01.25)-
「新日本海フェリー 新造船」でググるとこの記事が上位に表示され、結構多くの人に見ていただいているようで嬉しいです。
上記の各船の要目を、各社公式HPでの表記に合うように修正しました。
・「はまなす」型と新造船の全長は224.8m⇒224.5mに変更しました。(登録上は224.8mらしいのですが、三菱重工も新日本海フェリーも224.5mと発表しているため)
・各船の最大速力は試験航海時の最高速力を示していますが、新造船はまだ進水前なので不明です。公式では最高速力29.4ノットと発表されているものの、この予定値は恐らく航海時の最高速力=航海速力を示していると思います。能力的にはもっと出そうな気がします。
・また、本日新日本海フェリー公式HP上でようやく新造船情報が公開され、公式の横面図が世に出ました。それによると、プロムナードデッキの船尾側は上のイラストよりやや短くなり、ますます「すずらん」型と似たシルエットになるようです。
いずれにしても、今後の情報が楽しみですね。
明後日、1月27日には新造船2隻の進水・命名式が行われるそうです。
先週は、本当に凄まじく慌ただしい一週間を過ごしました。
日曜日から金曜日までの6日間、北大で開催された細胞生物学のワークショップに参加し、連日朝から深夜まで蛍光イメージング技術の講義と実習をみっちりこなしてきました。
このワークショップは大阪大学と北大の共催で行われており、毎年夏に初級コースを兵庫県で、秋に中・上級コースを北大で開催しています。私は初級コースには参加しなかったのですが、中・上級コースの主催研究室が私の共同研究先という縁で、今回参加することになりました。
さすがに中・上級コースだけあって、参加者の大半はポスドク以上で、学生の参加者は私を含めて数名。しかも、北大からの参加者は3人のみで、残り13人は全国のそうそうたる大学、研究施設からの参加者でした。
実習は4人組のグループで行ったのですが、私のグループのメンバーは京大、阪大、理研のポスドク・研究員の揃い踏みというハイレベルな環境でした。日常の研究で、そんな方々と一緒に実験・考察する機会はなかなかありませんから、このワークショップでは新しい蛍光イメージング技術を学ぶと同時に、とても貴重な経験ができたと思います。しかも皆さんフレンドリーで、実習初日から近所のスープカリー屋に一緒に食べにいったり、最終日の修了式終了後に雪印パーラーに行ったりと良い雰囲気で終始過ごせました。
実習はFRETのシグナル抽出から始まり、FCS/FCCS、FDAP、1分子計測、2光子顕微鏡など、先端的な蛍光イメージング技術を実際に自らの手で触りながら学びました。1日に2~3つの内容をこなし、夜にはひたすらデータ解析に勤しむ日々・・。ここのところ、私は論文化の考察中という名目であまり実験を行っていなかったので、今回の実習は良い刺激になりました。忙しいのは大変ですが、やはり思ったような結果が出ると嬉しいもんです。
各グループは、期間の前半と後半の実習からそれぞれ1つずつの内容が割り振られ、その成果について最終日に発表を行いました。発表20分・質疑応答10分のはずでしたが、午前9時10分から始まった発表が実際に終わったのは13時でした。グループは4つでしたから、1グループ当たり1時間近く発表していたことになります。この発表会、結構厳しい質問が講師陣から矢継ぎ早に飛んできて大変なのですが、幸い私のグループは優秀な仲間のおかげで順調に発表でき、高い評価をいただけました。私はin vitroのFCCS実験についてイラストやアニメーションを用意して解説したのですが、相互相関の低下を示したアニメーションは予想以上にウケて、嬉しかったです。
それにしても、共同研究をしていたおかげでこんな有意義なワークショップに参加できて、本当に幸運でした。今回学んだ蛍光イメージングの原理や技術を踏まえて、しっかりと自分の研究の考察を行い、できるだけ高いインパクトファクターの学術誌に投稿したいと思います。
とまあ、毎度のことですが、記事の前半を熱い研究話で埋めてしまいましたが、今回の記事のメインはここからです。
私もよく利用する、新日本海フェリーの新造船の情報がようやく表に出てきました。
昨日、三菱重工長崎造船所のウォッチをなされている「長崎の白い船」さんのサイトをチェックしたところ、新日本海フェリー新造船の建造中の写真がアップされていました(「長崎の白い船」【新日本海フェリー 2012年6月竣工の新造船】)。このサイトでは、2004年に就航した新日本海フェリー「はまなす」「あかしあ」の建造の様子を定点観測されていて、当時から時折チェックさせてもらっていたのですが、今回も予想通りネット上で初めて新造船の写真を公開してくれました。
写真を見ると、ついつい私の趣味の心に火が点いてしまいまして、早速写真から予想した新造船の横面図をペイントで描いてしまいました。多分これもネット上で初めての横面図公開だと思います(笑)。
冒頭の図は、その新造船の横面図を新日本海フェリーや太平洋フェリーの既存船と同縮尺で比較したイラストです。
上から順に、
・新日本海フェリー「すずらん」
全長:199.9m、総トン数:17,345国内総トン、最大速力:31.4ノット
1996年 石川島播磨重工東京造船所建造
・新日本海フェリー「あかしあ」
全長:224.5m、総トン数:16,810国内総トン(34,000国際総トン)、最大速力:32.04ノット
2004年 三菱重工長崎造船所建造
・新日本海フェリー新造船(「すずらん?」)
全長:224.5m、総トン数:17,040国内総トン、最大速力:試験航海前なので不明 (航海速力は29.4ノットらしい)
2012年 三菱重工長崎造船所にて竣工予定
・太平洋フェリー「いしかり」
全長:199.9m、総トン数:15,762国内総トン、最大速力:26.5ノット
2011年 三菱重工下関造船所建造
です。いずれも日本最大級のフェリーですが、新日本海フェリー「あかしあ」と新造船は200mの壁を超えており、国内フェリー史上最長の大きさです。(世界的に見ても1、2位を争う長さ)
今回の新造船は、敦賀~苫小牧東航路に就航中の「すずらん」「すいせん」の代替船で、同型姉妹船を2隻同時に建造し、来年夏に同航路に就航する予定です。これまでにネット上で流れた情報では、新造船は「あかしあ」型と同型とされていましたが、今回公開された写真を見ると、少し外観に違いがあるようです。
列挙すると、
1.客室2層目の船首側の舷側甲板が無くなった。
2.客室2層目プロムナードデッキの船尾側デザインが「あかしあ」よりも「すずらん」に似ている。
3.客室3層目が煙突下まで延長されている。
といったところが目につきます。
1の変化については、恐らく船体の凹凸を少しでも無くして空気抵抗を減らすためだと思います。新造船は、高速フェリーながら、「すずらん」と比べてCO2排出量25%、NOx排出量40%も低減する次世代型の環境性能を持つフェリーなので、細かいところでも燃費向上のために努力していると思われます。
2の変化については、「あかしあ」型では何故かプロムナードの船尾側がすぼんでいて後部デッキの幅が狭くなっていたものを改善したのだと思います。これにより、新造船では「あかしあ」よりも1.5倍程後部デッキ幅が広くなりそうです。
「すずらん」の後部デッキ。
「あかしあ」の後部デッキ。
幅は明らかに「すずらん」の方が広いですね。新造船は、「すずらん」より全幅が1m大きく、かつ「すずらん」と同様の構造になるらしいので、「あかしあ」よりも相当広くなりそうです。
3の変化は、ちょっと驚きました。客室3層目は、ベランダ付きの特等・スイート客室が並ぶと思われますが、どうも船尾側に新たな公室が設置されるようです。これは楽しみです。
以上、写真から分かった新造船情報について、書き記してみました。あれこれ想像していると、ますます新日本海フェリー公式HPでの詳細発表が待ち遠しくなってしまいました。
-追記(12.01.25)-
「新日本海フェリー 新造船」でググるとこの記事が上位に表示され、結構多くの人に見ていただいているようで嬉しいです。
上記の各船の要目を、各社公式HPでの表記に合うように修正しました。
・「はまなす」型と新造船の全長は224.8m⇒224.5mに変更しました。(登録上は224.8mらしいのですが、三菱重工も新日本海フェリーも224.5mと発表しているため)
・各船の最大速力は試験航海時の最高速力を示していますが、新造船はまだ進水前なので不明です。公式では最高速力29.4ノットと発表されているものの、この予定値は恐らく航海時の最高速力=航海速力を示していると思います。能力的にはもっと出そうな気がします。
・また、本日新日本海フェリー公式HP上でようやく新造船情報が公開され、公式の横面図が世に出ました。それによると、プロムナードデッキの船尾側は上のイラストよりやや短くなり、ますます「すずらん」型と似たシルエットになるようです。
いずれにしても、今後の情報が楽しみですね。
明後日、1月27日には新造船2隻の進水・命名式が行われるそうです。