うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

新日本海フェリー新造船 2隻同時に命名・進水!

2012年01月29日 12時19分00秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
一昨日1月27日、三菱重工長崎造船所にて新日本海フェリーの新造船の進水式が行われました。

三菱長崎造船所初 フェリー2隻同時命名進水式


長崎造船所の長い歴史の中でも、2隻同時の進水式は初めてとのことです。
今回進水したのは、「すずらん」と「すいせん」の姉妹で、私も建造開始前から注目してきた船です。進水を機に新日本海フェリー公式HPでも新造船情報が公開され、いよいよ就航が楽しみになってきました。
「すずらん」と「すいせん」は、苫小牧~敦賀航路に現在就航している船と同名です。2隻とも旧船名がそのまま残ったのは意外でしたが、今後も「すずらん」に乗れるのは嬉しいことです。(初めて北海道に上陸した際に乗った思い出の船名なので・・)




現在同航路に就航している「すずらん」と「すいせん」。細身で流線形のデザインが美しい船です。片道1000km近くある同航路を航海速力29.4ノットの俊足で毎日運航しています。
「すずらん」という船名は、1970年に新日本海フェリーが初めてフェリーを就航させたときの「すずらん丸」から始まり、「フェリーすずらん」、「ニューすずらん」、そして現在の「すずらん」と引き継がれてきた伝統の船名でもあります。実は、初代「すずらん丸」と「ニューすずらん」は、それぞれ就航当時の日本最大トン数のフェリーでした。現在就航中の「すずらん」も1996年の就航当時は日本最長・最速のフェリーで、その年のシップオブザイヤーを受賞しています。そして、今回進水した新「すずらん」もまた、2012年現在日本最長サイズ・最速級のカーフェリーなのです。


去年11月の当ブログの記事で、建造中の写真から新造船の予想図を描き起こしていたのですが、今回の進水式の映像や公式HPで公開された画像などを参考にして、より正確な横面図に描き直してみました。
一番上が現行の「すずらん」、中段が新造船の雛形となった「あかしあ」(小樽~舞鶴航路に就航)、下段が新「すずらん」です。
新「すずらん」・「すいせん」は全長224.5mあり、2004年に就航した「あかしあ」・「はまなす」と並んで日本最長サイズです。ただ、航海速力(通常航海中の最高速力)は「あかしあ」型では30.5ノットだったところ、新「すずらん」・「すいせん」では29.4ノット(現行船と同じ)に抑えられるようです。これは就航する航路の違いによるものと思われ、「あかしあ」型の小樽~舞鶴航路が積丹半島を大きく迂回する航路を取る一方、「すずらん」型の苫小牧~敦賀航路はより直線的に結ぶので、29.4ノットで十分デイリー運航可能なのでしょう。また、30ノットの高速域では、少しの速力の違いで燃費が相当変わるらしく、次世代のフェリーとしての省エネ性を確保するための狙いもあると思います。
上の横面図を見比べると分かりますが、新造船は旧「すずらん」型の意匠をうまく取り込んでいます。「あかしあ」型よりも凹凸が少なくなり、より格好良い船型になったと思います。
新日本海フェリーの公式HPでは、就航まで毎月新造船の情報が次々に公開されるとのことなので、今後は船室や各施設などの内装がどのようになるかが楽しみです。
夏休みには早速乗ってみたいですね。

-追記-12.02.01
色々とネットの情報を漁った結果、新造船の中身が徐々に明らかになってきました。それによると、どうやら新「すずらん」・「すいせん」は既存船とかなり異なった仕様になりそうです。
ポイント1.等級名称がカタカナになるらしい。参考:クルーズニュース記事
      現在はスイート、特等、1等、2等といった種別ですが、新造船ではスイート、ジュニアスイート、デラックスA、ステートA、ツーリストAという名称に変わるようです。公式HPの説明では、個室の設備を充実させると書いてあるので、名称変更に伴って何かしらの設備追加がなされるのかもしれません。
ポイント2.なんと露天風呂付き!参考:敦賀港振興協会 「敦賀港だより」1月号
      予想図を描く際に客室3層目の開口部らしきものが気になっていたのですが、なんと露天風呂だそうです。3層目の煙突前に新たに出来た公室については、窓の大きさや左舷右舷対称の構造から浴場だろうとは予想が付いたのですが、その前方の開口部が露天風呂だとは夢にも思いませんでしたよ・・。浴場は「あかしあ」型では客室2層目にあったので、それが3層目に移るとそのスペースが空くことになります。また、2層目は船首側の舷側通路が廃されてキャビンが幅一杯まで拡大されているので、合わせるとかなり余裕のある空間が生まれるはずです。恐らく、エントランスから3層目までの吹き抜けが「あかしあ」型よりもかなり拡張されるのでないでしょうか。ますます楽しみになってきました。

【冬休み記事補完】聖地、有明巡礼記

2012年01月20日 06時12分58秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
 人は何故その地を目指すのか。 
 
 毎年夏と冬、暑さ寒さの厳しい時期に、数十万もの人々がその地に集う。 
 
 過去、その地への途上で行き倒れた者数知れず。 
 
 いざその地へ辿り着いても、溢れる人々で動くことさえ儘ならない。 
 
 それにもかかわらず、人はその地を目指す。 
 
 それが・・、聖地。


・・・と、何やら中二病的な文章で始めてしまいましたが、今回は冬休み帰省の記事の続きを紹介します。
前回の記事で、北海道から夜行列車と新幹線を乗り継いで東京に着いた私は、京葉線で新木場まで来ました。


新木場駅構内の立ち食い蕎麦屋でたぬきつねそばの朝ご飯を食べました。
この後、戦場へ向かうために、ここでエネルギーを摂っておかねばならなかったのです。


新木場からりんかい線で国際展示場駅へ。
りんかい線に乗ったことはありましたが、ここで降りるのは初めて。既に人口密度が高まってきています。


国際展示場駅から歩きはじめると、何やら以前某アニメで見たことのある景色・・。


いよいよ聖地が見えてきました。


聖地に相応しい特徴的な建造物。そう、ここは・・、


東京ビッグサイトです。早速入口から中に入りました。


ビッグサイトの玄関ホールです。ここもいくつかのアニメで見覚えがあります。


まずは東館へ・・。


この日(12月30日)、東京ビッグサイトでは全国のオタクが集う一大イベントが開かれていました。


溢れる人、人、人。
この日は、12月29~31日まで開催された、コミックマーケット81の2日目だったのです。
近年様々なメディアに取り上げられ、だいぶ世間的に認知されてきたと思うのですが、このコミックマーケット(コミケ)、ようは同人誌の即売会です。
しかし、参加サークル数3万5千(約5万の応募サークルから抽選で選抜)、来場者数約50万人というとてつもない規模を誇り、同人イベントはもとより、あらゆる屋内イベントの中でも世界最大規模とのこと・・。オタク文化恐るべしです。


このコミケ、毎年お盆と年末の2回ずつ開催されているのですが、私はこれまで何度か来てみたいと思っていたものの、元来人ごみの苦手な私はこの戦場へ向かう勇気が湧かず、躊躇していました。
しかし、実は今回のコミケには北大鉄道研究会も出展しており、私も記事を寄稿した同人誌が販売されていたのです。こんな機会はなかなか無いので、せっかく東京に立ち寄るからには是非参加せねばとビッグサイトに向かったわけです。
で、その鉄研のブースが東館にあったのですが、ブースの番号は聞いていたものの会場配置図を持参していなかったために、人ごみの中歩いて探し回るはめになりました。この日は女性向け同人誌の販売がメインの日で、ナルトやら忍たまやらタイガー&バニーやらイナズマイレブンやらの同人サークルが会場の大半を占める中、鉄道・廃墟・建造物マニアの男らしいブースが会場の中心付近に集められていました。その一角に我らが鉄研のブースを発見し、首尾よく件の同人誌をゲットできました。


その後しばらく東館内を見て回っていましたが、徐々に来場客が増えて来て動くのも儘ならなくなってきたので、1時間半ほどで撤退、西館に移動しました。
コミケは20万平米以上もある東京ビッグサイトの全館を貸し切って開催されます。東館と西館の間は約500m離れており、人が多くなると会場間の移動に1時間もかかることもあるとか・・。実際、今回も30分ほど移動に費やしました。移動中には、あまりの人の多さで携帯電話の電波が一時的に圏外になる事態も体験し、コミケの戦場らしさの片鱗を味わいました。


西館は東館と比べて空いていて、ゆっくりと各ブースを見ることができました。こちらも女性サークルが中心で、少年漫画のキャラクターの二次創作物が多かったです。


夕方には実家に着きたかったので、計2時間半ほどでコミケ会場を後にし、来た時と同様にりんかい線と京葉線を乗り継いで東京駅に戻りました。途中、自動販売機に描かれたりんかい線キャラクターがちょっと可愛らしかったので撮影。


この日は帰省ラッシュで新幹線は軒並み満席。東京駅でお土産を買うのも一苦労でした。新幹線ホームは長蛇の列が出来ていて、座るためには1時間以上待つ必要があるような状態・・。結局、座席に座ることを諦め、京都までののぞみは車内デッキで立ちっぱなしで過ごしました。(さすがにしんどくて、途中で何度も立ったまま眠りそうになりました)
京都からはJR奈良線、関西本線を乗り継いで伊賀上野駅に帰着。迎えに来てくれた母と合流できました。
実は、札幌から国際シンポジウム用のポスター(私の分とボスの分)を背負って持ち帰ってきていたので、リュックサック、カメラバッグ、ポスター、コミケの戦利品、東京土産という大荷物を抱えて何度も列車を乗り換えてきたのですが、なんとか全て無事に実家まで運ぶことができました。


今回のコミケでの戦利品です。右下が私も寄稿した北大鉄研の同人誌「混合列車」です。国会図書館や北大図書館にも寄贈しているので、興味のある方は是非どうぞ・・。(もちろん販売もしています)
戦利品の中で特にお気に入りなのが、「東京の電波塔がこんなに可愛いわけがない」と「本当はかわいい東京の超高層ビル1」の二冊。再開発や超高層ビルが大好きな私ですが、これほどまで可愛く擬人化する猛者がいるとは、驚きです。
札幌にも同人誌の専門店はありますし、多くの同人誌はネットでも買えますが、やはり即売会で立ち読みしたり、作者と話したりしなから買い集めるのは楽しいことだと今回分かりました。またいずれ、今度はしっかり準備してからコミケに参加したいです。

【冬休み記事補完】帰省の始まり

2012年01月15日 14時13分44秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
こんにちは。1月も早半ばとなりました。ついこの前正月を迎えたはずでしたが・・。
今週は水曜日に学部3年生(4月から研究室配属)向けの研究紹介がありました。私の研究室からは、私とM2の学生の2人で研究室の研究概況の説明(計20分くらい)に当たり、その後他の研究室メンバーも合流して懇親会を行いました。今年は我が研究室への配属希望者が例年になく多いそうで、3年生の殆どの学生が参加していました。配属枠は限られているので、来年度は相当優秀な学生が配属されてきそうで、楽しみですね・・。

さて、冬休みの帰省の間更新が滞っていたので、帰省の始まりから補完しておきたいと思います。


12月29日夜、1月7日の国際シンポジウムで発表するポスター(英語)がようやく完成し、帰省の途に就くことができました。
当初はトワイライトエクスプレスで帰省するつもりだったのですが、29日のトワイライトエクスプレスの出発時間(14時)迄にポスターの印刷を終えられなかったため、30日のトワイライトに乗るよりかは、29日の夜行で青森に出て、30日中に東京経由で実家まで新幹線で帰るのが得策だと考え、22時発の急行はまなすに飛び乗りました。
この日は年末で混んでおり、自由席もほぼ満席、私も通路側席で寝苦しい一夜を過ごしました。上の写真は、恒例の函館長時間停車中に撮った一枚で、機関車の付け替え作業のため作業員が雪掻きをしている図です。


翌朝5時40分に青森到着後、6分の乗り換えで特急つがる2号に乗車、一駅先の新青森で東北新幹線に乗り継ぎました。実は去年の冬休み帰省と全く同じコースなのですが、今年は東北新幹線の乗り継ぎ列車が「はやて12号」から「はやぶさ4号」に変わり、人気のE5系に乗ることが出来ました。ピカピカのロングノーズが格好良いですね。


車体側面には特製のエンブレムが描かれていました。「はやぶさ」といえば、九州行きの寝台列車のイメージが強かったですが、今では東北新幹線の最速列車としてだいぶ浸透してきたと思います。


車内に入ると、ヘッドレスト付きの立派な座席が並んでいました。急行はまなすでは座席が硬く、お尻が痛くなっていたのですが、はやぶさの座席は適度に柔らかく、良い座り心地でした。


はやぶさの車内は暖色系で纏まっていて、心落ち着く良いデザインだと思います。はやぶさは超高級シートのグランクラスが有名ですが、普通席でも十分快適に過ごせました。


去年のはやての車内。照明の関係なのか、はやぶさのような暖かみは感じられないですね。実は、はやぶさではシートピッチ(前の座席との間隔)も6センチ広くなり、物理的にも車内の余裕が拡大されています。


東海道・山陽新幹線の雄、N700系と比べると、E5系はやぶさはシンプルかつ落ち着きのある内装であることが分かります。私の好みとしては、夏場は涼しげなN700系、冬場は暖かみのあるE5系が良いと思います。


今回、スマホのGPSアプリを使って新幹線の速度測定に挑んでみました。はやぶさの窓側にはAC電源が備えられていて、充電の心配も要らないので新青森出発からずっと測っていました。


新青森から盛岡までは整備新幹線区間のため、時速は260km以下に抑えられていました。盛岡から仙台までが時速270~285km程度、仙台以南で時速300km程度を出す様子が確認できました。というわけで、上の画像は時速300kmに到達した瞬間のスクリーンショットです。


途中、仙台駅付近では仮設住宅が立ち並ぶ様子が見えました。震災後初めて東北地方を通過したのですが、これが内陸部を走る新幹線の車窓から唯一確認できた震災の影響でした。考えてみれば東北新幹線自体も地震後49日間不通になっていたのですが、よくぞ時速300km走行できるまでに復旧したものです。


文字通り飛ぶような速さで東北を走りぬけ、はやぶさ4号は東京スカイツリーの見えるところまでやってきました。右側の車窓からは富士山も見えていました。


午前9時24分、去年より30分も早く東京駅に定刻で到着。写真を撮りに先頭車の前まで行くと、さすが人気の車両だけあって、たくさんの同業者の方々が集まっていました。来年には兄弟分のE6系(秋田新幹線向け)も本格的に導入され、一気に東北新幹線の車両が格好良くなるので、ますます撮り鉄が増えることでしょう。


東京駅前のビル群は、来る度に増殖していて驚きます。今回も、旧東京中央郵便局跡地の再開発ビル建設や、大手町の方の複合開発の様子が見られ、その勢いに圧倒されました。


東京駅丸の内駅舎。今年6月の供用開始に向けて、赤レンガの丸の内駅舎の復原工事が進んでいます。3月には、工事用の覆いが取り払われて、美しい3階建ての駅舎が見えるようになるそうです。


さて、私はこの後再び東京駅に戻って地下深くの京葉線ホームへ向かいました。


京葉線快速で新木場に出ました。勘の良い人なら、12月30日、新木場と聞いて既にピンと来ているかもしれませんが、この後ある場所を私は訪ねてきました。それはまた次回のお話・・。


ちなみに、新木場駅からは富士山や・・・、


東京スカイツリーも綺麗に見えていました。実に良い天気で気持良かったです。

謹賀新年2012

2012年01月03日 12時49分25秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
↑2012年元旦、奈良盆地の東山からの初日の出。

遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。

今年は2012年、21世紀に入ってもう12年目なのですね。私も、つい先日博士課程に進学したばかりかと思えば、2014年には修了予定ですから、あと2年間で博士として一人立ちできる実力を身に付ける必要があります。お蔭様で今携わっている研究は順調に進捗していて、昨年末には論文執筆のGOサインを我が研究室や共同研究先の先生方から頂けました。この研究については色んな人の思いが詰まっているので、出来るだけ早期に、かつインパクトの高いジャーナルに投稿できるように頑張りたいと思います。
とりあえず、至近では今月7日に地元奈良で国際シンポジウムで初ポスター発表に臨む予定なので、うまく発表できるように努めます。
正月なので欲張った話をすれば、今年はどこか海外にも行きたいですなぁ。海外の学会発表に行く可能性は十分ありますし、短期留学の話などもちらほら出てきているので、論文投稿後くらいには色々面白いことになるかもしれません。

社会全体としては、今年は災害の少ない、安定した一年になってほしいです。社会が元気であってこそ、個人が元気になれるというものです。ぼちぼち、景気が良くなってほしいものですね。

ではでは、本年も拙ブログ、うちなー→えぞ日記(もとすけのつぶやき)をよろしくお願いいたします。