里の家ファーム

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「これ以上生きていても意味がありません。」

2019年01月30日 | 社会・経済

高齢者からの悲痛な手紙

「下流老人」の発表後も広がり続ける高齢者の貧困

   わたしは2015年に「下流老人」という著書を出版し、高齢者の貧困と生活困窮について問題提起を続けてきた。

65歳以上の高齢者がいる世帯の相対的貧困率は27.0%(1人世帯160万円、2人世帯226万円、3人世帯277万円、4人世帯320万円の基準以下の所得)である(唐鎌直義2016)。

約3,500万人の高齢者のうち、27%が貧困や生活困窮に至っているか、将来その可能性がある。膨大な数である。

このように、生活保護基準以下の所得での暮らしを強いられる高齢者が後を絶たない。高齢者世帯の増加もあり、貧困に苦しむ高齢者の実数が増え続けている。

背景にあるのは公的年金の受給金額の低下、税や保険料負担の増加である。

高齢者と言えば、どうしても介護対象というイメージが強いかもしれない。高齢者福祉も介護福祉とイコールかのように語られている。

しかし、高齢期の大きな問題はむしろ介護だけでなく、所得の低下であり、生活の制限であるといえるだろう。

高齢者の貧困といっても、その生活はなかなか明らかになってこなかった。

貧困は今でも、計画性がない、自己責任、怠惰などと批判対象になってしまうこともあり、当事者はその実態を語れずにいる。

今回は許可を得たので、わたしのもとに届いた当事者の手紙から高齢者の貧困を考えてみたい。

北陸地方在住の80代女性からの手紙

 朝日新書520「下流老人」を拝読致しました。私共も下流老人です。御書はかなり以前に購入したのですが多忙のため詳しく読んだのが最近になってからです。

最近、NHKの外勤職員が来て「お宅は契約していない」と言われました。同じく新聞も契約していません。そこで私共の友人、知人の状態について、何故そうなったのか、詳しくご説明致しました。皆 独居老人になった時点で新聞かテレビのどちらかを選択し 新聞を止める人の方が多い事、理由は値段が高い事、ですが、そうやってどうにか生活しています。決して狡くて契約しないのではありません。私共も同じである事、本のほとんどを図書館に頼っている事もお話ししました。パーマもかけていません。主人の散髪は私がやっています。暖房は台所にひとつの開放型石油ストーブで、灯油はカートを引いてポリ缶一個ずつ買いに行きます。シニア割引がありますが、それでもひと月に6個は必要になります。

まさに下流、最下流の生活です。

 何故 そのような事になったのかについてご説明致します。第一は、昭和36年以前の「農林共済年金」が理由不明で消滅した事で、共稼ぎだった為に夫婦合わせて約10年分ほどの年金が消えてしまいました。

第二は、次に夫が勤務した経理事務所が年金制度に加入していなかった事です。その時点で誰かが対策を教えてくれればよかったのですが、後日 市に尋ねたところでは「市内の中小企業が多い地域には 国民年金の説明 勧誘に廻ったが、私共の住む地域は厚生年金加入者が多かったので 将来的に不用になる家庭が多いと判断して勧誘に廻らなかった」との返答でした。後日 その経理事務所は違反していた事で罰金を食らったそうですが 私共の年金になったわけではありません。主人はその後あらゆる手段を使って幾つかの事業所に勤務して年金を増やそうとしました。

最後に勤務した医院で 架空の病気を作っての大量薬の投与に遭い半死半生の目に遭いました。しかし その後入院した病院ではPMDAに出す書類を書いて貰えず その後もその事実は医師の手によって伏せられたままなので、私共は何の公的援助も受けられません。現在はどにかく回復しかかってはおりますが 病名は「尿管結石」で「尿閉」状態、自力歩行不能の不具者として日を送っております。

最初の共済年金が消えてしまった事も含めて 私共に個人的落ち度はありません。

生活保護は、自宅があり同居ではないにしても子供もいる、という事情があるため 多分無理だと考えられます。

現在の年金額は 二人分合わせて 年額「1670.128円」で、その中から 介護保険料として年額75.900円を、医療保険料として年額10800を差し引かれます

主人の病院の費用だけはケアマネージャーの努力で月額530円×4回分に、通院費用のタクシー代も障害者として年間500円×25枚の補助を頂いてはいますが 一回の乗車に二枚づづ使うと ほぼ半年でなくなります。ですから 主人は2011年に発症してから通院以外 どこにも行ったことがありません。

食事は全部手作りですし 出来合いの総菜などは割引品だけしか買ったことはありませんが、それは多分殆どの人がやっている事の筈です。

せめて 共済年金と経理事務所勤務時の厚生年金の額に見合うだけの生活保護費を頂くことは出来ないものか、と考えてはおります。

現在はまだそれまで貯めた僅かな貯えや家具、衣類などの消耗品がありますが、主人が亡くなった後は年額49万円、月に4万円だけで暮らさなければなりません。家があると言っても 家は親の遺産で 自分の物であるだけに家賃はありませんが税金と修理費用がかかります。子供達に持ち家はありません。

私は戦争の焼け出されですから この土地に親戚はもちろん知り合いもありません。ですから これまでずーっと自死を覚悟して生きて来ました。親もそうやって生きて来ました。つまり 戦争はまだ終わってはいないのです。戦死した軍人の家には遺族年金がありますが 私達にはありません。訴訟も起こした筈ですが負けています。

私達の貧困生活は個人の責任ではなく国の政策の間違いが原因ではないでしょうか。

親が自分の命に代えて子供の命を守ってくれたお陰で今まで生き永らえて来ましたが 空襲で死んでしまった方が良かったのではないか、とまで考えています。子供達も最低生活で、親の面倒など見る事は無理です。仮に老人が、例え国会前で焼身自殺したところで 国は誰ひとり困らない筈です。現在 私は大きな病気はしていませんが 検査データは問題あり、と告げています。が、主人と二人分の医療費、特に病院が要求する「個室料金」など支払う事は出来ませんから 承知の上で病院には行きません。これ以上生きていても意味がありません。友人は「サリンが欲しい」と言います。老人が、いや若い国民までが これほどまでに生きる希望を失った時代があったでしょうか。元気なのは国家公務員だけです。

年金は一人一年金だと言いますが、農林共済年金だけが厚生年金に継続出来ず その外の共済年金例えば学校共済や電電公社などが厚生年金に継続出来た、という事実は、例え 法律を作って正当化したとしても 納得できるものではありません。私達に落ち度はありません。救済は当然な筈です。訴訟を決段するには年を取り過ぎました。が 納得したわけではありません。

読んでみていかがだっただろうか。

明日は我が身だという実感を持たれる方も多いと思う。

北陸地方で暮らす80代女性からの手紙には切実な生活実態と今後の不安が書き連ねられている。

日本を支えてきてくれた高齢者に「これ以上生きていても意味がありません。」と言わせてしまう社会はなんだろうか。

年金制度の不備、生活保護制度の不備、社会保障給付の弱さなど、社会政策としての不足が高齢者の暮らしを厳しくしている。

さらに、今年10月には消費税の増税も控えているし、各種保険料の値上げも検討されている。

好景気だと騒がれている陰で、苦しんでいる高齢者や若者もかなりの数に上っている。

このような現状をひとりでも多くの方に知っていただき、社会保障をどうしていくべきか一緒に考えてほしい。

藤田孝典 NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授

1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学客員准教授(公的扶助論など)。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。元・厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(生活困窮者自立支援法)。著書に『貧困クライシス』(毎日新聞出版 2017)『貧困世代』(講談社 2016)『下流老人』(朝日新聞出版 2015)『ひとりも殺させない』(堀之内出版 2013)共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店 2015)など多数。


朝から強い日差しが・・・
今朝は冷え込みました。
-21度。今季2番目です。

戦闘機を爆買いする一方で、この有様です。
「生産性」のないものは、早く死ねということです。

江部乙


納屋の雪降ろし前に
これで、母屋・納屋の雪降ろしが終わりました。
今季はこれで終わりでしょう。
すごい汗をかきましたが、万歩計は数百でした。

北こぶしの芽が動き出しています。右は空ではありません。納屋の屋根雪です。