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芸人さんの生きざまを、刹那に語る。月亭可朝、松鶴家千とせ、毒腹三太夫、世志凡太・浅香光代、こまどり姉妹。言葉悪いが「絶滅芸人」というべき、80歳過ぎても現役で芸人を務めている方々ばかり。戦前、戦後の荒々しい時代と潜り抜け、一時代一世を風靡した強者。
晩年はゆっくりと暮らせばいいものを、過去の栄光、舞台のおもしろさ、芸へのこだわり、すべてが入り混じって表舞台から遠ざかって、地方、場末、テレビからラジオになっても、しがみつくように芸人として生きる。
そんな生々しい、本物たちの狂気、老い、そして芸のすべてがこの本に。