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穂村弘さんが選んだ「短歌のガチャポン」。
その中から私が選んだのを見ると、私より歳が若くて、さらに近年になればなるほど気に入ってるようです。
100首の中から気に入ったのは14首。
はなこさんがみかんを三つ買いましたおつりはぜんぶ砂にうめます・東直子
はじめからゆうがたみたいな日のおわり近づきたくてココアをいれる・本田瑞穂
今日君が持ってる本を買いました。もう本当のさよならなんだ・福島遥
ニワトリとわたしのあいだにある網はかかなくてもいい? まようパレット・やすたけまり
あの友は私の心に生きて伊舎堂いて実際小田原でも生きている・柴田葵
イヴ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年・岩田正
「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて・山川藍
(「仕事いま三つしていると言えば皆「何を」も「なぜ」も聞かずに黙る」)
結婚はタイミングだと言われた日 独りの部屋でおならを出し切る・カン・ハンナ
ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半・伊舎堂仁
もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢・古賀たかえ
「水菜買いにきた」三時間高速とばしてこのへやに みずな かいに・今橋愛
自販機のなかに汁粉のむらさきの缶あり僧侶が混じれるごとく・吉川宏志
私には才能がある気がします それは勇気のようなものです・枡野浩一
花の下を歩いたときのなぞなぞの答えを君は今も言わない・竹内亮