笑福亭遊喬さん独演会。
「へっつい幽霊」、最高でおました。
ノーテンの熊の博打うちの気性がはっきりとでていて好演。
師匠よりも骨太で、数段おもしろいかも。
一部、補助席まででた満員御礼の会場。
コアな笑福亭ファンのお顔もチラチラ見うけるが、全体はいたって上品なお客様。
一、桂小梅・・・・・・・・・・・・・・「転失気」
久し振りの小梅さんの高座。
まだまだ、学生さんっぽさが残る顔立ちだが、落語の方はどっしりとして好演。
小僧の珍念の表情にも余裕が、一カ所噛んだところがあったが得意のブレーキを踏んだような
スローへのシフトダウンにて、すぐに盛り返す。後ろの女性の方の緊張と笑いの空気でわかる。
それにしても、前座にして「平林」「子ほめ」「時うどん」ではなく
小梅さんの持ちネタとも言える「転失気」があるのは、
各落語会の前座としてのネタとしては重宝してるでしょうな。(さすが梅団治師匠)
「十徳」「牛ほめ」「犬の目」などネタに入っているんでしょうか。
私は早く、子狸がでてくる「狸賽」を聴いてみたいですな。
二、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・「堪忍袋」
先週までの北海道の仕事のハナシ。師匠の替りに、右喬さん、喬楽さんの三人で北海道巡業へ。
大地の広さと、人が住んでないのと、車での移動にどんなに時間がかかるとか。
メンバーを考えると、マクラ以外にも失礼ながらさぞ珍道中だったんでしょうな。
師匠が体調悪い中、こうして今迄培った贔屓さん主催の地方落語会の弟子への引き継ぎも大切ですな。
噺は遊喬さん十八番の「堪忍袋」、さすが慣れているというか、
適度に力が抜けていて、夫婦喧嘩も仲の良さが全面に出て、いつも以上に心地よい。
堪忍袋に最後「今日来たお客さん、第4回独演会も必ず来てや・・・」の叫びに大きな拍手。
全員参加まちがいなしでっしゃろ・・・。
三、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「三十石」
ベテランさんの中では、粋さがあって好きな噺家さんの一人。
マクラ替りにジョークを一つ、二つと。
「動物チームと虫チームのサッカー」とか「ワールドカップでの空席」は最高。
ちょっと捻った、ブラックユーモアの一歩手前の粋さがありますな。
噺は「三十石」、船宿のところからじっくりと、
乗船名簿で「ピーターに、おすぎにピーコ、マツコデラックスにカバちゃん」と今流行のゲイ人を登場。
いくつ何十になっても新しいものにチャレンジなんですな。
ただ船中での、大阪に着いてからの、ノロケの部分がなかったのは残念。
櫓を漕ぎながら、この三十石は(五代目)文枝師匠につけていただきましたが、
櫓の扇子の持ち方が文枝師匠はこう、好きな談志師匠はこうで、私は丁度この中間でと
細かい解説も入る。
やれ~~ 伏見 中書島なぁ~ 泥島なぁれどよぉ~(よ~~い)
なぜに 撞木まちゃな 薮の中よ (やれさよいよい よ~~い)
やれ~~ 淀の町にもなぁ~ 過ぎたるものはよぉ~ (よ~~い)
お城櫓にな 水車よ (やれさよいよい よ~~い)
と舟唄、下座からよい声で聞こえてきたのは、三喬さんとか・・・・。
どぶんちょ、どぶんちょ、と夢の通い路、ゆったりとした時間が過ぎ、中入りへ。
四、豊来家板里・・・・・・・・・・「太神楽曲芸」
板里さんの太神楽、明るくて、爽やかさがあって大好き。
三本の棒のバランス芸。棒とまりとのおじゃみ芸。傘を使っての回す芸。
今日の板里さん、決まるところで決まらず、逆に難しさが伝わる。
でも、人柄の良さで、できた時の観客の喜びはそれ以上に倍増。
色もんさんの芸、どなたさんも愉しいですな。
五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
良かったですな、ふだん聴いていたら作ぼんの登場が息抜きで好きなんですが、
遊喬さんの「へっつい幽霊」、まさに脳天の熊五郎の博打好きが前面にでて、秀逸。
この熊五郎、博打、賭け事が好きであって、案外金には無頓着。
作ぼんとこへ行って、300円都合つけてくるがネコババする訳でもなく、
幽霊に返すと、この男気の気風の良さが、遊喬さんと相まってスックリ腹に入る。
良い噺を聴いたという充実感でいっぱい。
遊喬さんの十八番と呼んで間違いなしの「へっつい幽霊」の高座でおました。
メンバーといい、お客さまといい、とっても素敵な遊喬さんの独演会、お開きでおます。
第三回・笑福亭遊喬独演会
2013年7月13日(土)午後6:30開演
天満天神繁昌亭
一、桂小梅・・・・・・・・・・・・・・「転失気」
二、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・「堪忍袋」
三、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「三十石」
仲入り
四、豊来家板里・・・・・・・・・・「太神楽曲芸」
五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
13ー25-124
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